相談者の話をきいていて、
ここはもう少し詳しくききたいと
思うところがあるのに、


「それについては言いたくありません」
と言われたり、
なんとなくその話題を避けられたり
することがあります。

おそらくその部分に、
問題の根本原因があると思うのですが、
深堀りした方がいいですか?

 

このようなご質問をいただきました。

 

  1.話すか話さないか決めるのは誰?

 

 

囲碁をわきから見ていると、
実際に打っている人よりも

八目先まで見越す
という意味から、

「岡目八目」という言葉があります。

 

カウンセリングもまさに岡目八目で、
相談者ご本人よりも、
カウンセラーの方が問題の根本原因に
気づく可能性が高いです。

 

例えば、
その悩みの原因はお母さんとの関係だと
カウンセラーが気づいたとします。

 

幼い頃のお母さんとの関係を
聞きだそうとすることでしょう。

 

でも、相談者はやんわり

その部分の話題を
そらしたり、


「母は関係ありません。

 話したくありません」
と拒絶するかもしれません。

 

もしもカウンセラーが
「あなたの悩みの原因は、

 お母さんとの関係です。
 そのことについて詳しく

 話してください」


こう指摘したとしたら、

信頼関係が崩れて
心の扉がかたく閉ざされて

しまいます。

 

カウンセリングは、

花を育てるのと同じ。


つぼみがもうすぐ

ひらきそうだからといって、
無理やり花のつぼみを

こじあけたら、
花びらが破れて

咲かなくなってしまいます。

 

心も同じ。


悩みの根本原因に気がついて、
無理やり心の扉を

こじ開けようとすると、
心が壊れてしまいます。

 

話すかどうかを決めるのは

相談者です。


カウンセラーにできるのは、

問いかけと傾聴だけです。

 

  2.なぜ話したくないのかを問いかける

 

 

悩んでいる状況を一通り聞いたとは、
時系列にさかのぼって
過去の経験や家族とのかかわりを
聞いていくことでしょう。

 

その中で、やんわりと

避けている話題があると
気づいた時、


「この部分を避けていますね。

 話してください」


ではなく、


なぜ話したくないのかを

問いかけましょう。

 

例えば
「お母さんのことについて・・・」
と聞いた時に


「関係ないです。話したくないです」
と言われたとしたら

 

「関係ない。

 話したくないと思っている・・・」


こう伝え返して、相談者に
 

「なぜ自分は話したくないと

 思っているのだろうか?」


自分自身に問いかけてもらう

”間”をつくります。

 

それまでは、無意識に

その話題を避けていたことに
気がついていなかったかもしれません。

 

「そういえば、なぜ私は

 母親との思い出を
 話したくないのだろうか?」


この疑問を相談者に持ってもらえたら、
心の扉をひらくきっかけが作れます。

 

  3.心の扉は時間をかけてひらいていく

 

 

カウンセリングの時間の中で、

問題の根本原因に気づき、
スッキリと解決することは

ほとんどありません。

 

カウンセリングでは、
問題の根本原因に

アクセスする質問をして、
モヤモヤした状態で

終わることが多いのです。

 

例えば
「なぜ私は母親との思い出を

 話したくないのだろうか?」


このような思いをかかえて、
モヤモヤした気持ちで

家に帰ることでしょう。

 

そして、答えをみつけようとして、
ずっと考え続けています。


シャワーを浴びている時や、
ゆっくりとお茶をのんで

くつろいている時などに、
ふっと

 

「そういえば、昔、

 あんなことがあったな・・・」


このように、ひらめくことが多いです。

 

そうか、だから話したくなかったんだ。


そう腑に落ちると、
価値観が作られた

エピソードが見えてきます。

 

価値観が作られたエピソードを思い出し、

認めることで、
相談者自身が心の扉をひらきます。


悩みの根本原因を持ち続けるのか、
手放すのかの選択ができる

ことでしょう。

 

本日もお読みいただき
ありがとうございました。

 

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