カウンセリングは、

言葉のやりとりだけではありません。
相談者は発話している言葉以上のものを

感じています。


それは、喉や胸の痛みだったり、
胃や下腹部が締め付けられるような

感じだったりします。

 

その言葉にならない何かに気づくことで、
自浄作用が働いていきます。

 

その言葉にならない何かは

「フェルトセンス」と呼ばれます。


これは、フォーカシングという

心理療法の中で使われる言葉です。

 

  1.フォーカシングとは

 

 

フォーカシングとは、1960年代の始め、
シカゴ大学のユージン・ジェンドリン教授によって
体系化された心理療法です。

 

数多くの異なるセラピストと相談者の
治療面談の録音テープを検証し、
成功した治療と成功しなかった治療の

違いを調べたのです。

 

その結果、最初の1・2回の面談から

違いが発見されました。

 

成功した治療の場合は、
面接のどこかで相談者の話し方が
ゆっくりになり、言葉の歯切れが
悪くなっていました。

 

何かを感じて言葉を

探し始めていたのです。

その言葉にできない何が、

「フェルトセンス」です。

 

  2.相談者の話し方で傾聴のレベルがわかる

 

 

相談者が悩み事を話しながら、
フェルトセンスを感じているのか、
いないのかがわかるチェックリストが

作られました。

 

それが、EXPチェックリスト。


2005年に作成されたチェックリストですが、
2017年に改訂され、
関西大学専門職大学院の久保田恵実氏、

池見陽氏によって発表されました。

 

17の項目があるチェックリストで、
5つのレベルに分かれています。

 

 

EXPチェックリスト

◆レベル1
感情表現がない。出来事のみを語っている、
あるいは知性化された様式。

◆レベル2
感情表現は出来事への反応に限定されている。
例、「〇〇と言われて腹が立った。」
どんな腹立ちかなどの質は語られない。
出来事が中心の語り。

◆レベル3
出来事ではなく、自分の在り方を表現するために
豊富な表情表現を用いている。
例、最近、ずっと重たい感じがして、
疲れたような、沈んだような気分で・・・
フェルトセンスが表現される場合もある。

◆レベル4
自分の体験を表現する言葉を探していたり
「〜かな」と仮説的に話している。

◆レベル5
閃き、体験の意味がわかる。
例、「あ、わかった!」
「そうだったんだ。そうそうそう・・・」

出典:体験過程様式の推定に関する研究 : EXPチェックリストII ver.1.1 作成の試み(PDF)
Kansai University Repository(https://onl.la/EXY1GSC)

 

  3.傾聴には「間」が必要

 

 

カウンセリングで相談者から

悩みをきいている時に、
まるで卓球のラリーのように、
質疑応答を繰り返していることがあります。

 

言葉が淀みなく出ている場合は、
左脳で顕在意識のみにアクセスしている状態。


フェルトセンスに気づいていません。

カウンセリングの舵をにぎっているのは、
カウンセラー。

 

間をとって、ゆっくりと

言葉だけではなく、
相談者の身体の声、

心の声も傾聴していきましょう。

 

本日もお読みいただき
ありがとうございました。

 

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