日常生活の中では、テンポ良く話すことで、
頭の回転がよさそうな賢いイメージを
持つかもしれません。
なんとなく、テンポよく話した方が
いいと思っている人も多いのではないでしょうか?
1.テンポ良く話すってどういうこと?
カウンセラーが質問して、
相談者に答えていただくのが
カウンセリング。
カウンセリングの中で
テンポよく話すとしたら、
早口で質問をして、
相談者が答えたら
すぐに次の質問を投げかけることでしょう。
まるで卓球のラリーのように、
質問と答えが飛び交います。
この状態の場合
・相談者が答えている間に
質問を考えている
・相談者が何を答えたのか
考えずに次の質問に
うつっている
・相談者の答えた言葉ばかりに
意識がいき、
感情を味わっていない
このようなことが考えられます。
カウンセリングは、
言葉のやりとりで
解決するのではなく、
気づくきっかけを
作るものです。
2.カウンセリングでは、テンポ良く話さない方がいい?
カウンセラーがテンポよく話すと、
相談者の方もそれにあわせてくれます。
言葉のラリーが飛び交い、
結局何を話したんだっけ?と
なりかねません。
間をとって、感情を味わうと、
気づきが生まれます。
相談者の答えを聞いた後に、
その言葉の裏にある感情を
感じ取ったり。
伝え返しをしながら、
相手の反応を感じ取ったり。
言葉に含まれている感情を
味わいます。
そして、
「今、〇〇のように感じているのでしょうか?」
と感情を確認します。
喜怒哀楽のポイントは人それぞれ。
自分だったら怒ると思うところでも、
なんとも感じない人もいます。
その逆の場合もあります。
こんな感情なのだろうなと想像せずに、
確認しながら進めていきます。
3.カウンセリングは未知の窓に気づく場
カウンセリングは、目の前の問題の解決方法を
話し合う場ではありません。
その問題が発生した大元の原因を
一緒に見つけていく場です。
大元の原因は相談者が持っている
価値観の中にあります。
何があったら悲しいと感じるのか。
何があったら怒りを感じるのか。
何をしてはいけないと考えているのか。
など。
価値観は人によって違います。
そして、自分の価値観を正確に
把握している人は少ないのです。
1955年、アメリカの心理学者
ジョセフ・リフト氏と
ハリ・インガム氏によって発表された
ジョハリの窓。
ジョハリの窓の中に、
「誰からもまだ知られていない自己」
の未知の窓があります。
この未知の窓の中に悩みの根本原因と
それを解決するヒントが
入っていることが多いです。
最初は、カウンセラーにも
相談者にもわからない領域です。
相談者の感情をたよりに、発話しながら
気づくきっかけを作っていきます。
過去の話を聞きながら、
過去の経験と今の価値観とのつながりを、
相談者に気づいていただくのです。
悩みの解決方法は
相談者ご本人が知っています。
それを思い出していただくために
カウンセリングがあります。
心の奥にある真実に
向き合っていただくためには、
テンポ良く質疑応答を行う
必要はありません。
自分の心と向き合って、
考え、発話していただくことが
大切になっていくことでしょう。
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