カウンセリングでお悩みをうかがう時に
「先生、どうしたらいいですか?」
ときかれることがあります。
1. 悩みを解決してもダメ?
このようなお悩みをうかがいました。
毎晩お酒を飲んでしまいます。
一杯だけにしようと思っているのに、
何杯も飲んでしまうのです。
健康診断の数値も肝臓が悪いことを示していて、
お酒をやめなくちゃと思っているのに、
夜になるとお酒に手が伸びてしまうのです。
どうしたらいいでしょうか?
あなたならどう答えますか?
カウンセラー自身が、
お酒=悪いものと考えているとしたら
「お酒を買わないこと、そして
家に置かないようにしたらどうでしょうか。
今あるお酒はすべて捨ててしまいましょう。
居酒屋の前を通らずに家に帰れる
ルートはありますか?」
など、お酒を遠ざけるアドバイスを
してしまうかも。
相談者は、お酒を飲みたいという心に
勝負を挑むことになり、
さらにストレスが増えてしまう
可能性もあります。
今までお酒を飲む量を減らすために
いろいろなことをやってきた人なら、
アドバイスをきいても、
「すべてやったことがあるけどダメだったんだよ」
と思うかもしれません。
あるいは、その時は
「いいアドバイスをきいた」
と思ったものの、
実際には何もやらずに変わらない日々を
過ごしてしまうかもしれません。
実は、相談者が本当に知りたいのは、
お酒を飲まないようにする方法では
ありません。
なぜお酒を飲んでしまうのか?
その根本の原因と解決方法を、
腑に落とすことなのです。
2. 悩みを聞きながら、映画のように映し出す
相談者から「こんな悩みなのです」
と打ち明けられて映し出される世界は、
悩みごとに1点集中した狭い世界です。
先程のお酒を飲んでしまう話であれば、
わかるのは
「毎日何杯もお酒を飲んでしまう」
という1点のみ。
相談者のお話をきいて
・お酒は一人で飲むのか?
・お酒の何が好きなのか?
・どんなシチュエーションで飲むのか?
・お酒を飲んでまぎらわせたい感情があるのか?
・お酒を飲まない日はどんな日か?
など、映画のストーリーを作り上げていくように
情報を広げていきます。
3. 家族のことや過去の経験も聞く
家族との関係や、
過去の経験に悩みの根本原因が
埋もれていることが多いです。
家族や過去の経験は、
初対面の人には話しにくいもの。
相談者とカウンセラーとの信頼関係の中で
話していただける話題の一つです。
心の扉をムリにこじ開けようとせず、
何度もカウンセリングを重ねて、
相談者が話すタイミングを待ちます。
お酒を飲んでしまうという現状の悩みと、
なぜそうなってしまうのかの理由。
過去の経験からつちかわれた
自分の価値観などが、つながったとき、
がまんして無理やりお酒をやめるではなく、
すべてが腑に落ちて、自然にお酒の量が
少なくなるという状態になっていきます。
それを見守るのがカウンセラー。
カウンセラーは、相談者が自分自身で、
相談者が望んでいるように変われると
信じているのです。
カウンセラーが悩みの対処法を教えても、
相談者の悩みは解決しません。
相談者の悩みを解決するのは、
カウンセラーではなく、
相談者ご自身なのです。
本日もお読みいただき
ありがとうございました。
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