傾聴のスキルの一つに伝え返しがあります。
伝え返し=オウム返しだと思っていませんか?
1. 傾聴の目的はお話を聞き切ること
傾聴の目的は、もちろんお話を聞き切ることです。
もしも、
うなずかなくてはいけないとか、
伝え返しをしなくてはいけないと
思っているとしたら、
うなずくことやメモすることに
集中してしまうかもしれません。
うなずくことや伝え返しをすることは、
相談者のお話を、興味を持ってきいていたら、
自然にやっています。
どのタイミングでうなずいたら
いいのだろうかとか、
伝え返しをどのタイミングで、
どんな頻度でやろうかと考えているとしたら、
傾聴から外れているサインでしょう。
私のカウンセリングをふりかえってみると、
伝え返しの頻度はそれほど多くはありません。
2. どこまでメモするの?
伝え返しをする理由は、
相談者に悩みを認識してもらい
味わってもらうため。
相談者の言葉をそのまま伝え返そうとすると、
言葉をそのままメモしようとします。
通常、メモするスピードよりも、
話すスピードの方が早いため、
書くことにだけ集中してしまいがちです。
メモは、忘れないように
キーワードを書き込む程度の方が
聴くことに集中できることでしょう。
3. 伝え返しは完コピじゃなくていい理由
カウンセリングでは、
今まで他人に話したことがないような
悩みを話します。
それまでは頭の中でグルグルと考えていたけれど、
初めて口に出したという方が多いです。
自分の悩みを、初めて耳で聞くのです。
悩みを話している自分の声を耳できいて、
カウンセラーからの伝え返しも
耳で聞きます。
伝え返される言葉には、
カウンセラーの感情がのっています。
これが私の悩みだったんだと
納得する方もいます。
あれ?これが私の悩みなの?
と疑問に思う方もいます。
カウンセラーが深刻そうに話すのをきいて、
それほど深刻な悩みでもなかったんだと
自分の感情に気がつく方もいます。
カウンセラーが伝え返す内容は
話した悩みのすべてではありません。
そこではなく、
違う部分をとりあげてほしかったと
気づく方もいます。
悩みを話すこと、伝え返しを聞くことで、
・自分の悩みを味わう
・自分の感情を味わう
・自分の悩みのうち、どの部分を
一番悩んでいるのかを知る
等々自分の心を知っていくのです。
ボイスレコーダーで録音したかのように
話したことをそのまま伝え返すのではなく、
カウンセラーの感情がのっている方が、
相談者の気づきが多いのです。
伝え返しは、完コピじゃなくていい。
そう思うことで、カウンセラーも
メモすることよりも話を聞くことに
注意を向けられることでしょう。
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