カウンセラー養成講座の中で、
ほぼ必ずきかれることの一つに
「何を質問すればいいのですか?」
というものがあります。
その度に
「相談者の話をきいていたら、質問は自然にでてきます」
と答えていました。
でも、自然に出てくる?ホントかな?と
考えていた時に、思い当たったことがあります。
質問を考えている時に、心掛けていること。
それは、縦の質問と横の質問ということ。
1. 縦の質問とは
私にとって、縦の質問とは、
時系列を超えた質問のことです。
悩み事は、その事柄を解決しても、
またすぐに同じような悩みが
おきてしまいます。
それは、悩みの根が残ったままだから。
悩みを木にたとえると、
最初のカウンセリングで相談される悩み事は、
枝や葉っぱの部分です。
剪定しても、また伸びてきます。
剪定・伸びてくるの
イタチごっこになってしまうのです。
悩みの木は、根っこから切り倒さないと、
いつまでもそのまま存在してしまいます。
悩みの根っこは、
10歳くらいまでの過去の経験の中に
核心があることが多いです。
なので、時系列を超えた縦の質問、
つまり過去のことを聞いていきます。
たとえば、
「人の目が気になって、
思うように行動できないのです。
なにか新しいことをしようと思っても、
他の人にどう思われるのかと思ったら
一歩も動けません」
というお悩みの場合。
やろうと思ってもできないという
現在の悩みをまず傾聴します。
その後に、過去の出来事についても
聞いていくのです。
社会人になったばかりの頃は
どうでしたか?
学生時代は?
小学校の頃はどうでしたか?
という感じで。
いきなり核心をつくような話を
きくことはありません。
幼い頃の話は、
初対面の人に最初からペラペラと
話せる内容ではないことがほとんどです。
ましてや、悩みの大元になったことは、
忘れているか、フタをしていて、
簡単には話せないことでしょう。
徐々に時系列を過去に
さかのぼっていきます。
相談者と一緒にタイムマシーンにのって、
過去を見ていく感じです。
2. 横の質問とは
横の質問とは、周辺情報のことです。
先程の「人の目が気になって思うように行動できない」
という悩みの場合、
人の目が気になるというのは、
・会社でのできごとですか?
・友だちと一緒のときはどうでしょうか?
・家族と一緒のときはどうですか?
など。
「人の目が気になる」という悩みだけ、
仮に50倍のレンズで拡大して見ているとしたら、
そのレンズの倍率を10倍や5倍に下げて、
周りも見えるようにするのです。
悩みにだけフォーカスしていると、
心が落ち込んで立ち上がれないような
心境になっているかもしれません。
相談者によりそって、
悩みにだけフォーカスしている
レンズの倍率を下げ、
一緒に悩みとその周りを見ていきます。
悩みだけではなく、楽しいこともいっぱいあるのだなと
気づくかもしれません。
3. 縦の質問と横の質問で悩みをひもといていく
カウンセリングでは、
縦の質問、横の質問を繰り返して、
悩みだけではなく
その周りの状況をみていきます。
過去についても、
悩みとその周辺をみていきます。
相談者と一緒に悩みの根っこを
探索している感じです。
カウンセラーが相談者の状況すべてを
把握する必要はありません。
相談者が過去やその状況を
思い出しながら発話するとき、
相談者は発した言葉の何倍もの
気づきを得ています。
1時間のカウンセリングが終わった後は、
「なんだかすっきりしません」
と言われることが
多いです。
でもカウンセリングが終わり、
帰ったあと、家でゆっくりしている時や、
お風呂に入っている時に、
悩みの核心に気がつく人が多いです。
「なんだかすっきりしない」という状況が、
答えを探そうとする脳を刺激して、
「あっ、私の悩みは親が原因だったんだ」
とか、
「小さい頃に友だちにいじめられたのが原因かも」
などと、突然ピンと思い出すのです。
カウンセリング中に、
何をきいたらいいだろうと思ったら、
この「縦の質問・横の質問」を
思い出してみてください。
本日もお読みいただき
ありがとうございました。
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