カウンセリングをしていた時、相談者が
「私って無力だなと思うのです。
 もっと頑張らなくちゃと思うのですが・・・」
そう言ってため息をついていました。
でも、なかなか悩みの深い部分が聞けないのです。
どうしたらいいのでしょうか。

 

このような相談を受けました。

 

  1. なかなか悩みの全体像が見えない理由

 

 

「私って無力だと思うのです」という言葉だけでは、
悩みの内容がつかめません。
傾聴しようと思い、質問をしても沈黙が続く。
そんなこともあります。

 

それは、相談者自身も自分の悩みを

言語化しにくいから。


普段、頭の中にある悩みを人に話す機会は
あまりありません。


頭の中で言葉にならずに、モヤモヤしている
悩みを人に話すのは、普段はしないチャレンジ。

 

頭の中は整理されていません。
言葉にならないかもしれないし、
言葉が出てきてもカタコトの単語だけの
場合もあります。

 

でも、相談者の頭の中では、
フル回転で悩みについて考えているのです。

 

そして、「悩んでいるから変わりたい」
そう言う一方で「変わりたくない」
という気持ちがあるのも事実です。

 

  2. 変わりたいけど変わりたくない?

 

 

「変わりたい」と言っているのは顕在意識です。


そして、「変わりたくない」と言っているのは、
無意識の領域なのです。

 

なぜそのようなことが起こるのかというと、
「過去の生き残るための記憶」があるから。

 

たとえば幼い頃、親から
・もっと頑張りなさい
・となりの家の美子ちゃんは

 しっかりしているのに、
 あなたはちゃんとできないのね
・お姉ちゃんはしっかりしているのに、
 あなたはダメね


などと言われ続けていたとしたら、
親から褒められたくて、
「もっと頑張ろう、もっとやろう」と
思うことでしょう。

 

「もっと頑張る」のが、親の愛を受け取るための
最短ルートだと信じて頑張り続けるのです。

 

だから、顕在意識が「変わりたい」と思っても
無意識では、
「もっと頑張らないと親の愛がもらえない。
 だからやるしかない。この反応しかありえない」
と思っているのです。

 

  3. 心の中の矛盾に気づく方法

 

 

「変わりたい」言っているのに、
変わりたくないと思っているという矛盾。

 

周りの人が、
「あなたは無力じゃない。頑張っているよ。
 ただ自分を認めればいいだけだよ」
と言ったとしても、その言葉を受け取ることは
できません。

 

心をいやせるのは相談者本人だけなのです。

 

相談者が過去の出来事を思い出し、
言葉にして自分の耳で聞きます。


カウンセラーが伝え返すことで、
もう一度言葉を耳で聞くのです。

 

自分の中で味わって、
言葉にならない記憶と結びつけて
悩みのタネを見つけていきます。

 

「あっ、私はお母さんに

 褒められたかっただけなんだ」
そう気がつけると、

悩みが起こる原因を認められます。

 

そして、
同じように「私って無力」

と思うような場面に遭遇したときに、

「私は無力」と落ち込むのか、


十分頑張っているよと自分をほめるのか、
反応を選択できるようになります。

 

反応を選択できるようになると、
それまで悩んでいたものは
悩みではなくなるのです。

 

相談者の心を癒せるのは本人だけ。


カウンセラーは相談者のありのままを
認めて心を映し出す鏡なのです。

 

本日もお読みいただき

ありがとうございました。

 

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