カウンセリングは傾聴が基本。
わかっているけれど、
ついついアドバイスしてしまうのです。

 

カウンセリング養成講座で相談されることの一つです。

なぜアドバイスをしてしまうのでしょうか?
それは
・カウンセラーも自分を認めてほしい
・悩みを深掘りして、話すことが

 なくなった
・価値観が違う人に正しいことを

 教えたくなる心理
などが原因です。

  1. カウンセラーも自分を認めてほしい?

人は、他人に認めてもらいたい、
ほめてもらいたいという欲求があります。
それは、カウンセラーも同じ。


「あなたのおかげで癒されました。
 あなたのカウンセリングはすごい」
と言ってもらいたいという思いがあります。

 

でも、カウンセリングの時は、
認めてほしいという心は、

一旦脇に置きます。

 

特に、相談者と同じような悩みを
克服した経験がある場合は、
アドバイスしがちです。

 

「そうだよね。私の場合は〇〇だった。
 あなたも△△するといいよ。」
ついつい言いたくなるかもしれません。

 

アドバイスを聞いた相談者はその時は
「いい話がきけました。

 ありがとうございました」
と言ってくれるかもしれません。

 

でも、そのアドバイス通りにやれることは
あまりありません。

 

そして、仮にアドバイス通りにやったとしても、
カウンセラーと同じように解決できるという
保証もありません。

 

カウンセラーには責任が持てないのです。

また、うわべの悩みを解決しても、
また同じような場面に出くわすと、
悩みがぶり返すこともあります。

 

実は相談者は、表面的な悩みを
解決したいわけではなく、
根本的な悩みの原因を知りたいのです。

 

カウンセリングの場で

相談者の話をきいているときに
「私にも同じような経験があって・・・」
と言いそうになったら、
「アドバイスしようとしている」
と気づけるといいですね。

 

  2. 悩みを深掘りして、話すことがなくなる

 

 

相談者の話を傾聴していると、
言葉につまって沈黙になることがあります。

沈黙が続き、気まずいなと思ったとしたら、
それはカウンセラーが勝手に思っている感情。

 

でも、沈黙が続くと、
何かを話さなくてはと思い、
アドバイスしてしまうことがあります。

悩みの内容を深くほっていくと、
相談者もカウンセラーも悩みばかりをみてしまい、
表面的な悩みを解決しなければと思うのです。

 

表面的な悩みには、そこに至った原因、
悩みのタネがあります。


その悩みのタネは、

10歳頃までの経験の中にあることが
多いです。


悩みを聞いていて、言葉につまったら、
話題の方向を少しずつ変えていきます。

例えば、恋愛の悩みなら、
会社での人間関係や兄弟との関係、
両親との関係など。

 

話題を少しずつ変えていき、
幼い頃の話の方向に持っていきます。

 

話していただくことで、
悩みの原因が見えてくるかもしれません。

 

  3. 価値観が違う人に正しいことを教えたくなる

 

 

カウンセリングには、
カウンセラーとは違う価値観の人が
相談にくることが多々あります。

 

社会通念上、カウンセラーの価値観が正しくて、
相談者の価値観が違っている

ということもあります。

 

そんな時に「こちらが正しいのです」
と言いたくなってしまうかもしれません。

 

相談者は、自分と他の人とは違うのかも、
もしかしたら自分は間違っているのかもと
心の奥底ではわかっている場合も多いです。
でも、やめられないのです。

 

だとしたら、
「あなたが間違っています。こちらが正しいのです」
と言っても行動は変わらないでしょう。

 

行動を正すのではなく、
・なぜその行動をとってしまうのかな
・どこに原因があるのかな
と一緒に考えていくのがカウンセラー。

 

そして、カウンセラーが
1時間、相談者の話をきいたところで、
相談者のことはわかりません。

「教えてもらおう」
そんな気持ちで相談者に接することができたら、
アドバイスをしてしまう状態から
抜け出せることでしょう。

 

本日もお読みいただき

ありがとうございました。

 

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