仕事場での人間関係に悩んでいる
相談者がいました。
「中途採用で入ったのですが、
上司に相談しにくいのです」
とのこと。
上司との人間関係は良好とのことなのですが、
仕事の相談がしにくいという相談でした。
この話だけを聞くと
「一度、飲みに行ってみたらどうですか?」
「相談しにくいかもしれませんが、
一度聞いてみたらどうですか?」
そんなアドバイスを言いたくなるかも
しれません。
そして、相談者も
「そうですよね。私もそう思っているんですけどね」
という話で終わるかもしれません。
でも、カウンセリングにいらっしゃる
相談者さんが、本当に望んでいるのは、
表面的な問題の解決ではないのです。
1. 魚を与えるのがカウンセリングではない
一時的なアドバイスをして
納得していただくのは、
たとえでいえば、
お腹をすかせた人に、魚を与えるだけのこと。
またお腹がすいたら、
魚をもとめてやってくることになります。
そうではなく、カウンセリングとは、
魚の釣り方を教えること。
悩みは、自分で解決できるんだと
思い出してもらうことなのです。
だから、相談者から、
「どうしたらいいのでしょうか?」
といわれても、私は答えません。
2. 相談内容には、もっと深い真の悩みが隠れている
仕事上の悩みは、表層の悩みであることが多いのです。
「なかなか上司に相談しにくい」
という悩みの中には
・「人と仲良くしてはいけない」
という限定的な
価値観があるのかもしれません
・自分一人で完璧にやらなくては
いけないという
「完璧主義者」なのかもしません
・誰からも気に入られたいという
気持ちが強いのかもしれません
これ以外にも、いろいろな価値観が
考えられます。
そんな潜在意識に眠っている価値観が、
考え方や態度として現れた結果が、
悩みになっているのです。
3. 悩みがあらわれた時が、悩みをつくる価値観に気づくチャンス
人には、普段は自分も周りの人も気がつかない、
価値観があります。
それが、わかるのは、悩みがあらわれた時。
その表層の問題に悩む心に、
絆創膏を貼って対処してしまうと、
気づいていなかった価値観に気づくチャンスを、
奪ってしまいます。
カウンセラーは、相談者と一緒に、
悩みの奥の感情やできごとを、探す人。
今の悩みは、過去の経験から作られています。
タイムマシーンにのって、
幼少期の思い出を旅するように、
過去を一緒に思い出していくのです。
小学校の時に、友達にいじめられた。
先生に怒られた。
親に怒られた・・・など、
いろいろな思い出がでてくるかも
しれません。
その過去の思い出を、
一つ一つ思い出して、
その時の感情を受け入れていくのです。
あの時は、悲しかったね。
ほめてもらえなくてつらかったね、と。
悩みのタネに気づいていくと、
こんな時に悩むのだなという
パターンがわかってきます。
相談者が自分で、
悩むパターンに気がつくことで、
悩みをコントロールできるように
なっていくことでしょう。
本日もお読みいただき
ありがとうございました。