カウンセラーとしてデビューしたばかりの人から

よく聞く話が、

・「悩みが解決できた」

 と感じてもらいたいために

 アドバイスをしてしまった


・話をオウム返しするだけで

 カウンセリングできたと安心した


・1度のカウンセリングで

 成果を出そうとあせった

 

ということ。

 

  1. 「どうしたらいいと思いますか?」と言われたら…

 

 

カウンセリングで

クライエントの悩みを聞いていると、


「どうしたらいいと思いますか?

 教えてください」

と言われることがよくあります。

 

そんな時は、自分の意見を

言ってしまいそうになります。


でもクライエントの人生にとって、

今悩むことは必要なことの場合が

多いのです。


そして、悩んでいる本人の中にしか、

悩みの解決方法はありません。


与えられた解決方法で

一旦お悩みが消えたとしても、

また同じような悩みを

持ってしまうことになります。

 

だから、「答えを教えてください」

と言われたとしても、

私は答えません。

 

「今、このような悩みを持っていて、

 どうしたらいいのだろうかと

 思っていらっしゃるのですね。」


と伝え返しをしていきます。

 

  2. 伝え返しは、ただのオウム返しではなく…

 

 

「伝え返しをしてください」というと、

一語一句同じ言葉を返そうとする人が

います。


間違えないように注意しながら、

同じ言葉を返すのが

伝え返しではありません。


伝え返しの本当の目的は

クライエントに

気付いていただくこと。

 

悩みはなかなか人に

話せないものですよね。

 

相談に来てくれたクライエントからしたら、

初めて人に悩みを話しているのかも

しれません。


頭の中でモヤモヤしていた悩みを、

一生懸命言語化して話している。


悩みを言葉として聞いたのは、

初めてかもしれません。

 

自分が発した言葉を聞いて、

私こんなことに悩んでいたのか…。

と気づく。


カウンセラーからいわれた

伝え返しを聞いて、

自分の悩みはこれなのかと気づく。

 

そして、自分の悩みを味わってみて、
「そうか…、これが私の悩みなのか」

と思うこともありますし、


「いや?これが私の悩み?

 何か違う気がする」

と思うこともあります。

 

自分の言葉で聞いて、

カウンセラーからの言葉を聞いて、

今まで知らなかった部分の心に

アクセスしていく…。


ジョハリの窓でいえば、

「未知の窓」

自分も相手も知らない

自分の中にある悩みに

少しずつ触れていく。

 

表面的な悩みに気づき、

その下の悩みの根、

悩みのタネに気づく。


そんな時間がカウンセリングです。

 

「ひらけゴマ」と言ったら

「パタッ」と開いて、

悩みのタネが見つかるなんてことは

ないのです。


少しずつ、少しずつ、触れて、

ノックしていくのです。
 

 

  3. 未知の窓を開ける方法

 

 

「未知の窓」は

カウンセラーだけではなく、

本人にもわからない領域。


開け方に正解もありません。

 

だから1度だけのカウンセリングで

成果を出そうすると、

こじ開けようとして

無理をするかもしれません。


あるいは、

「未知の窓」に触れることもなく、

「秘密の窓(自分だけが知っていて他の人は知らない)」

「盲点の窓(自分は知らなくて他の人は知っている)」

に手を触れただけで

解決した気になってしまうことでしょう。

 

クライエントのお話が、

いつも同じお話だったとしても、

何度でも聞きましょう。


ゆっくりと愛の態度で見守り、

クライエントの悩みを

解決する鍵を一緒に

探していきましょう。

 

本日もお読みいただき

ありがとうございました。

 

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