カウンセリングを教えている中で

気がついたことがあります。


意外と人の話を聞けていないということ。

 

  1. 「傾聴」できていないという事実

 

 

「傾聴」という言葉は

聞いたことがあるのではないでしょうか。


私が、100名くらいの講座の中で

「普段、傾聴できていますか?」

と聞くと、10名くらいの人が

手をあげてくれます。

 

「どんな風に傾聴していますか?」

と聞くと

「うなずきながら話を聞いています」


「伝え返しをするといいと聞いたので、

 伝え返しをしています」
こんな感じの答えが返ってきます。

 

「傾聴」というと、そのやり方が

思い浮かぶのではないでしょうか。

 

 

・うなずきながら聞く
・相手が言ったことをおうむ返しする(伝え返し)
・質問を挟んで相手の思考を促す

 

これ以外にも、アイコンタクト、

間をとる、ミラーリングする

といったものもあります。

 

傾聴に慣れてくると、

これらのことが自然にできる様になるのですが、

最初のうちは、


「うなずかなくちゃ」
「おうむ返ししなくちゃ」
「ミラーリングができていなかった」
「ここ、なんて質問したらいいの」


など、これをしなくてはいけないに

とらわれてしまいがち。

 

「うなずく」、「伝え返しをする」、

「ミラーリングをする」などは、

「来談者中心療法」を提唱した

アメリカの臨床心理学者カール・ロジャーズが

カウンセリングをしている時の様子を

動作にあらわしたもの。


伝え返しをするのが目的ではありません。


相手の話をしっかり聞きたい、

意味を把握したいという想いで聞いていると、

自然に出てきてしまうものなのです。


相手の話をしっかり聞こうと思ったら、

相手の目や表情をみることになりますし、

うなずくことにもなるということです。

 

人は、話を聞いてもらえると、

それだけ癒されるのです。

 

  2. 人の話を聞くということ

 

 

例えば、テレビを見ているご主人に、

「今日のPTAでね…」

と話しかけたとします。


ご主人は、テレビを見たままで、

顔もむけてくれません。

 

「あぁ」と言っただけ。


今、CMだからいいかと思って

話しかけたのに、目も合わせてくれないの?

 

とそれだけで、嫌な気持ちになってしまいます。

 

もしも、ご主人がテレビの音を小さくして、

こちらを向いて

「PTAで何かあったの?」

と聞いてくれたら、

それだけでうれしい気分になることでしょう。

 

今日の夕食はおかずをもう一品増やそうか、

なんて思うかもしれません。

 

「傾聴」するには、相手の話を聞いて、

相手の言葉の裏にある感情を

理解しよう。

 

そう思うと、相手の言葉だけではなく、

声のトーンや表情、

動作などもしっかりみられる様に

なっていきます。

 

  3. なぜ聴くのではなく話してしまうのでしょうか

 

 

話を聞いていると、

ついつい自分の経験と重ね合わせて、

「こんな風にしたらいいのでは?」

と言いたくなってくるかもしれません。

 

でも、相手は、

どうしたらいいのかを聞きたいのではなく、

まずは自分のことを話したい。

理解してもらいたい。

そう思っていることが多いのです。

 

 

  4. 一番聞いてもらいたいことは

 

相手の話の内容だけ聞いていると、

「そんなこと、気にしなくていいのでは?」

といいたくなるような内容のこともあります。

 

でも話している本人にとっては深刻な問題。

そう考えたときに、

一番聞いてもらいたいのは「感情」なのだなと気づきました。

 

 

「あのときにこんなことを言われて悔しかった」
「こんな風な態度を取られて悲しかった」

そんな感情を聞く、感じることで、

相手は聞いてもらえた。と安心できます。

 

「相手の言葉の裏にある感情まで聞いていますか?」

の質問に
「はい」と答えた人は、

100人中2人しかいませんでした。

2%ですね。

 

「相手の言葉の裏にある感情まで聞こう」

そう心がけることで、

周りをとりまく環境が変わってくる

かもしれません。

 

本日もお読み頂き

ありがとうございました。

 

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