桜が見守る日本の心 | クリエイジ コラム ◆ 一週一冊良い本を読もう ◆

桜が見守る日本の心

 いよいよ桜開花、例年より5日ほど遅い。桜の花は約2週間で散る。この前後の短い期間に卒業そして入学と舞台が一転する。満開に綻ぶ桜の花が門出を暖かく見守っている。桜を背にした家族や友人との記念撮影は入学式に欠かせない日本の原風景である。上京し新生活のスタートとなった高校の入学式、桜の花の微笑を懐かしく思い出す。桜の節目にそれぞれが気持ちを一新し覚悟を新たにする。
 「敷島の大和心を人問はば朝日に匂ふ山桜花」(本居宣長)とあるように、一面に咲き誇り、そして散り去る桜が人生の筋目にふさわしい。「武士道とは日本の象徴たる桜の花のようなもの」、「その美の高雅優麗が我が国民の美的感覚に訴うること、他のいかなる花もおよぶところではない」(新渡戸稲造)と記している。桜が我々の心情、考え方を形成する上で大きな役割を果たしていることは間違いない。心の原点というべき桜の節目を迎える今、政治経済の混迷から抜け出せるよう決意を新たにしたい。来年の桜を明るい気持ちで愛でることができるように、この1年を大切に生きたい。

(推薦書籍)
桜守三代-佐野藤右衛門口伝 平凡社新書 634
首都圏一度は見たい心に残る花の名所ベストガイド
本居宣長 講談社学術文庫 2056
本居宣長 上 新潮文庫 こ 6-6
「武士道」解題-ノーブレス・オブリージュとは 小学館文庫 R り- 4-2
武士道-いま、拠って立つべき“日本の精神”
武士道-現代語で読む最高の名著 知的生きかた文庫 に 4-4
武士道-いかに生き、いかに死ぬか-「自分の生きる道」をどう見つけるか
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