今年初の筑波山登ってまいりました。
そして初めての薬王院コース挑戦であります。

つくし湖や、その少し上にある薬王院を始点とする、
北西斜面側のコースになります。
なので朝、旧 真壁町の方へ向かって行きます。

以前載せた母子島遊水地もそうなんですが、
旧真壁町、筑西方面からの筑波山は見慣れていないので、
なんとなく形が変な感じがします。


女体山が男体山に隠れ気味、もしくは完全に隠れて、
二つの頂がひとつに見えちゃうという。


ちなみに筑波山のご当地ナンバーは、
大体これぐらいの角度ですよね。


僕はいつも早い時間から登り始めるので、
今朝は夜が明けてもまだ太陽が筑波山の裏に隠れていました。



てなわけで、スタート地点の
つくし湖に到着。


霞ヶ浦用水のアースダムです。



では、ここからいつものように時間を追ってお伝えします。
今回は長いですよ。


■6:05:つくし湖駐車場 着

ちゃんとトイレがあるので、
万全の状態でスタートできます。


■6:10:登山スタート

駐車場を出て、右に進んで行きます。


50㍍ぐらい歩くと、
左側に薬王院コースの入口が。



最初からまぁまぁの勾配。


お不動様に登山の安全を祈願します。


道中、時々『こーん』って音が聴こえるなと思っていたら、
ししおどしがありました。


そして勾配がきつい。




■6:27:薬王院の所の舗装路


舗装路に出て右へ進んで行きます。
そうすると駐車場があるのですが、
薬王院の駐車場のP1とP2は参拝者専用です。



登山者は停めないようにしましょう。


■6:30:薬王院


薬王院を左側に見つつ、
舗装路を真っ直ぐ進んで行くと、
左側に薬王院コースの続きの入口が出てくるのですが、
知らなかったので、一旦お寺に入ってしまいました。


■6:35:登山道の続き


階段と看板が目印ですね。


ここからまた険しい道が続いていきます。


↓トトロに出てくる、草木のトンネルみたい。


↓山頂まで2560㍍。
頑張るぞ。


でももう疲れたんだけど。


↓途中こんな感じの看板がちょこっと出てくるんですが、
肝心の距離や時間、標高など、
欲しい情報が全く載ってません。


景色はまるで変わらなくて、
『さっきここ通らなかった?』
みたいな感じだし、
目安の時間や距離も分からないし、
果たして自分は今どこにいるんだろうって感じでした。


■7:10:林道


林道という割りに、ちゃんとした道です。


この林道を渡ると、
また登山道の続きがあります。



そして、木の階段がやってまいりました。


これが噂の階段か。
君の評判は聞いているよ。


評判どおり、激烈にキツかったです。
途中、あーもういい、もう沢山、もう嫌だ
ってなりました。
なぜ延々と垂直に造ったんだろう?


皆さんも、そんな苦しみを感じてみて下さい。
↓↓↓


途中から、ようやく蛇行するようになりました。


これだけでも勾配が少し緩くなるので全然違う。
ここは天国か。
天国への階段、レッド・ツェッペリンか。


というかこのコース、
前評判通り本当にキツいです。

前述したように景色が変わらない。
道と木々と草しか見えない。
たまに下界が見えてもこんな感じで、
木々の隙間からうっすら見えるか見えないか、ぐらい。
↓↓↓


南側斜面は、御幸ヶ原コースにしろ白雲橋コースにしろ おたつ石コースにしろ、
途中途中で見所や経由地というか目標地点みたいなのが多々あるので、
登ってて区切りをつけやすいんですよね。
『ここまで来たぞ』っていう。

ですがこちらはなんの目印もない。
まぁ玄人さんならもしかしたら何かしらの目印があるかも知れませんが、
素人にはなかなか厳しいです。

もうほんと、ただただ黙々と登るだけ。
景色を楽しめることもなく、
ただただ己と向き合うのみ。

そうですか、これですか。
これでしたか、薬王院コースの洗礼ってやつは。


まぁ良い点としては、
南側の登山道と比べて静かだってことかなと。
南斜面や宝篋山、小町山とか登ってると、
早朝からパープルラインの走り屋の音がうるさいんです。

公道はサーキットじゃないんですけどね。
煽り運転とかと同じで、周りに危険を及ぼすただの迷惑行為。
僕も若い頃少し峠とかでスピード出したりしたことありますが、
サーキット行くようになったら、
峠に限らず公道で格好つけるのは危ないし迷惑だし、
むしろ格好良くないんだなと思うようになりました。

自分も車は好きですが、
かっ飛ばして楽しむのはサーキットの中だけですね。


話が逸れましたが、
そんな感じでひたすら黙々と(かなり休み休み)進んでいたら、
途中から地面に雪が出てきました。




そしてこの辺りから(具体的にどの辺りかは分からないけど)、
標高や距離を示す看板が出てくるようになりました。



やっぱりこうでないとね。
張り合いがない。
張り合いがないというか、目安がないと気が滅入る。


そして、ようやく陽が差してきました。


北側斜面だから陽がなかなか当たらないんですね。

ずっと薄暗い中を登っていたので、
木漏れ日が嬉しい。
美しい。





そして標高が高くなるにつれ、
雪がガッツリ残ってるようになってきました。



■7:58:自然研究路


やっと着いた、自然研究路。
つくし湖からここまで2時間弱。
実際の時間よりも長く感じました。
マジでホッとした。

看板によると、
北ルートの方が御幸ヶ原まで400㍍ほど近いとのこと。


とりあえず御幸ヶ原に到着したかったので、
迷わず北ルートへ。


北ルート、雪が凄い。
場所によっては踏み固められてカチカチなのに、
手すりすら無い所もあり。


滑ったら左側の崖へまっしぐらです。
まっしぐらDEATH!

なので、こんなロープの手すりですら有り難い。


てな感じで注意しつつヨチヨチ歩いてたら、
ようやく御幸ヶ原が見えてきました。



■8:12:御幸ヶ原 着


下界は大分ガスってました。


どよっと霞んだ大気が春らしいといえば春らしいかな。
ひとつの春の情緒と捉えることにしました。

↓この人、普通にここで煙草吸ってました。


所定の場所を除いて禁煙ですよ。
マナーを守りましょう。
ちゃんとマナーを守ってる人や非喫煙者に
汚い煙を吸わせないで下さい。


登ってるとダラダラ汗かくんですけど、
山の朝の空気は冷たく、顔や耳や手なんかは冷えてしまっているので、
温かい缶コーヒーを買いました。

その値段、¥180なり。


まぁ仕方ない。
高いなぁと思いつつも購入しました。
そしたらまぁぬるくて、切ない気持ちになりました。

そして自販機にマックスコーヒーの公告が掲示されてました。


茨城っつったらコレだっぺというか、
当初は茨城、千葉、埼玉だったような。
そして現在はもはや日本全国で販売されていると、
茨城の漫画に載ってたような。
ちなみにマックスコーヒー、
僕は甘すぎて飲めません。

てなわけで、
熱々ではないコーヒーとコンビニのおにぎりで
もぐもぐタイム。


普段は全くコンビニのおにぎり食べないですが、
登山の時はお世話になっております。


■8:27:男体山頂へ


御幸ヶ原から男体山頂への道もなかなか急勾配ですけど、
何回も登ってるから道の感じも分かるし、
薬王院コースの先の見えない苦しさと比べたらなんちゃないなと。
まぁキツいには違いないですけどね。

そして男体山頂の登山道や山頂連絡路に裸電球があるんですけど、
標高の高い所なのに裸電球っていうシュールさがいつも気になります。



■8:37:男体山頂 着



御幸ヶ原から男体山頂まで、
いつもほぼ10分ですね。

そして南側もだいぶどんより春らしい空気。




■8:47:女体山頂へ


女体山へ向けて、
ゆるやかに登っていきます。


道中、がっつり雪が残ってました。



まぁ今日途中から暖かかったし、
明日も暖かいようなので、
だいぶ解けそうな気もしますけどね。

道中、行き会った人に『雪が多くて怖いですね』なんて言ったら、
3週間前は御幸ヶ原とか連絡路とか雪で真っ白だったそう。
写真を見せてもらいましたが、
確かに真っ白でとても綺麗でした。
でも、そんな中登ったり下りたりとか怖いよなぁ。

あと知らない人と一緒に、
ガマの口に石を投げ入れるやつをやりました。
その人達は一発で入ってたのに、
僕は10回以上投げてようやくでした。

なんだったら知らない人が載せた石も落としちゃったり。
人生とはそんなものかも知れませんな。
こっちにその気は無くとも、
自分が頑張ることにより誰かの脚を引っ張ってしまったり、
自分の願いが叶うゆえに誰かが夢破れてしまったりね。


■9:06:女体山頂 着



そんな感じで喋ったり遊んだりしたので、
御幸ヶ原から女体山まで20分も掛かってしまいました、
まぁ別に急いでないから良いんですけど。

当然、女体山からの景色もどんより。



男体山はくっきり。



で、御幸ヶ原に戻りました。



↓コマ展望台の前に、大きな案内板が出来てました。
去年の11に登った時には無かったような……
あったかな?
でも、どっちにしても出来てまだ日は浅いかと。



前に載せたモニュメントも含めて、
御幸ヶ原が段々『映え』を意識しだして、
時代の流れに乗ってきたのがとても良いと思います。


■9:25:下山開始


来る時と逆で、
帰りは自然研究路の南ルートを行くことにしました。


というか、男体山と女体山の登る順番を逆にすれば良かった。
薬王院コースは男体山に繋がるルートなので、
先に男体山を登ってしまったことにより、
ちょっと二度手間になったというか。
まぁそんなこともあるよね。

自然研究路は、男体山をぐるっと周る遊歩道みたいなものです。
……遊歩道と呼ぶにはいささかハードですけど。



■9:29:立身石


当然の如くどんより。


立身石に刺さってるこの鎖ってなんだろう?


昔はここから鎖を垂らして登ったり下りたりしてたとか?
だとしたら怖すぎる。

動画もどうぞ。


いつもは眺めが良いのに、
今日は本当に残念でした。

↓立身石の下に行けることに今日初めて気付きました。
立身石は親鸞聖人に関わりのある岩なので、
親鸞聖人の何かの碑みたいなのがありました。



知らない人も一緒にいたんてすが、
その人も立身石の下にこういうのがあるって初めて知ったとおっしゃってました。




その後立身石をあとにして、
薬王院コースの方へ向かいました。

↓写真では伝わりませんが、とてもハード。



途中、展望台がありました。


木々に視界を阻まれ、
眺望はすこぶる悪し。


うっすら明野のファナックとか見えました。
黄色だから目立ちますよね。



研究路の全体図がありました。



道中、つくし湖が見えました。


これからあそこまで下りていくわけです。


道中ですね、道が歪んでいたり、
平坦に見えても実は崖側に傾斜がついていたりして、
気を抜くと崖の方に倒れてしまいそうな箇所が色々あって、
とても怖かったです。


平衡感覚がおかしくなるというか、
姿勢をちゃんと保てないというか。
体幹が鍛えられる気がします。

そんなただでさえ怖い道に、
雪が踏み固められている所も多々あって、
これはマジで危ないと冷や冷やしながら歩きました。
簡易的なアイゼン買おうかな、本当に。


そんな感じで注意しつつヨチヨチ歩いて、
ようやく薬王院コースに合流。
あとは下りるのみ。

来る時に超苦しめられた木の階段も、
下りる時は楽勝だ。



…とか思ってたら、
全然楽勝じゃなかったです。

なんというかここのコースって、
リズムがずっと同じなんですよね。

これまで登ってきたコースや他の山は、
下りの中にも平坦な箇所があったり軽い登りがあったりするんですが、
ここはずっとただひたすら下る感じで、
常に前に荷重が掛かっている感じなんです。
登りがあれだけ急勾配で足場も良くはなかったので、
そりゃ下りもそうですよね。

なので脚に凄く負担が掛かるし、
極端なことを言うと、
脚を止めたくてもどんどん勝手に進むような感じもしました。

なので凄くキツかったです。
下りがキツいと思ったのは初めてかも。
まだ終わんないのかよと。


■10:23:林道


アスファルトが見えてきた時、
かなりホッとしたね。

で、ここから更に薬王院の所へ下りて行きます。



■10:46:薬王院 帰還



登山の無事のお礼に、
参拝させて頂きました。


本堂までは歴史を感じさせる石段を登りますが、
もうこのぐらいなんちゃない。



手水舎。




鐘撞き堂。



三重塔。




本堂にお参り。




境内に、とても人懐っこい可愛い猫ちゃんがいました。





お寺の方がいらして、お話を伺ったところ、
こちらのお寺では猫を4匹飼っているそうで、
その中の一匹だそうです。
名前はルルちゃんだそうです。



撫でると手に頭を擦り寄せてきたり、
気持ち良さそうに目を細めたりふみふみしてきたり、
喉をずっとぷるるるる…って鳴らしていたりして
本当にめちゃくちゃ可愛かったです。

なのにカメラを向けると、
途端によそよそしくなります。


ですが、僕の膝をふみふみするのを少し動画に撮ることが出来ました。


そうして猫と戯れている間に、
御朱印を書いておいて下さいました。


御朱印を書き終わるであろう頃に寺務所に伺ったんですが、
書き終わったら御朱印に真言かお経を唱えていました。
そういうの初めて見たし、
お経に力が込められる感じがして格好良かったです。


てな感じでお寺をあとにして、
つくし湖へ下りて行きます。





■11:25:つくし湖 帰還


いやぁ、長かった。
疲れました。

そしてお昼時だったので、
駐車場のお隣にある蕎麦屋さんで蕎麦を食べました。



想像を超えて美味かったです。
びっくりしました。
蕎麦も美味いし汁も美味い。
蕎麦湯を入れた汁も本当に美味い。

登山客ではなく、
明らかに地元の人や、ここを目指して来たであろう人達が続々とやってきていて、
地元民に愛される良いお店なんだろうなと思いました。


初の薬王院コース挑戦はこんな感じでした。


スタートからゴールまで、
休憩とか諸々含めて5時間15分でしたね。

疲れとしては、最終的に蓄積された肉体的な疲れは、
神郡から登ってぐるっと周って下りてくる方が脚のダメージが大きい印象です。

こちらは精神的なキツさが強い感じですかね。
もちろん脚もキツいし、
登りも下りも気が滅入るぐらい疲れましたけど。

とりあえず、しばらくは薬王院コースは挑戦しないと思う。
薬王院はまた行きたいですけどね。
猫と遊びたいし、季節ごとの切り絵御朱印なんてのもあるようで、
そちらも興味あるので。


てな感じです。
ここまで読んでくれてありがとうございました。