すみません。ほんの出来心で
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「おい」
明かりと笑い声の溢れる飯屋。
紺の暖簾をくぐり 一人の男が入る。
料理を囲み円になった笑い声の主たちが入り口を見て悲しいような嬉しいような顔をする。
「あれ、もう来ちゃったんですか」
一人の青年が口を開く。
茶色かかった髪を後ろで束ねている。
眉目秀麗だが からかうような口調と顔つきだ。
「…お待ちしておりました」
先ほどより低い声の持ち主は、黒髪を後ろで束ね、片目を隠した男。
「一人残してくるなんて、やっぱり信用できないなあ」
笑いながら言ったのはまだ 少年と形容出来る年の人間。
「つか、案の定ってやつだなあ」
相槌を打つのは紅い髪の持ち主。先ほどからしきりに酒を煽る。
「まあまあ座れよ!」「こちらにお座り下さい」「悪かった、全て背負わせて」「お疲れ様」「この焼きbirdはdeliciousだよ。君も食べるかい?」
すぐにまたガヤガヤしだす店に苦笑しながら
…それでも楽しそうに、男は輪へと入っていった。
笑い声が 1つ増え…
夜空に明かりがぼんやりと灯った。