今日は特別の日
俺は仕事帰りにケーキ屋に行った
店に立つと桃の節句のせいか
沢山の人が、それも女性ばかり
俺は固まった・・・・・
店に入る一歩が踏み出せない
俺は意を決して店に入った
すると、若い女の子の声で
いらっしゃいませ
俺は緊張と恥ずかしさで
その場で崩れ落ちそうなのを
辛うじて踏みとどまった
俺は、ここで倒れる訳には行かないのだ
目的の物を手に入れるまでは・・・・・
俺は勇気を出して店の女の子にケーキを下さいっと言った
すると女の子は桃の節句のですか
っと聞いた
俺は違いますっと答えた
直に女の子は誕生日ですか
っと聞いた
又違いますっと答えた
これ以上質問されたら
極度の緊張と恥ずかしさに気を失ってしまいそうだ
俺は、すかさず丸いケーキの上に苺が
乗ってる普通のヤッを
お願いします
っと言った(本当は書いて欲しい言葉があったのだが言えなかった)
俺はやっとの思いで二十一年目の結婚記念日の
ケーキを手に入れたのであった
俺が忘れない様、覚えやすい様に三月三日に、したけど
桃の節句と、かぶっていて
小心者の俺にはケーキを買うのは
ちょっと恥ずかしいのであった
つづく