46:歌詞を書くこと | クラフトPとろのブログ

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クラフトPという名前で、ボーカロイド曲を作っていたり

昨日ちょっと歌詞について触れたので、
それについてもうちょっと書きたくなったので書いてみる。


あるPさんがツイッターで言ってたことだけど、「バンドやろうぜ―!俺ボーカルな!」と、「コラボやろうぜ―!俺歌詞な!」は似てる。
これ読んで、ああ、なるほどとちょっと納得するところがあった。


何度も言うようだけども、私は歌詞書きたがりだ。
最近は歌詞にするべきだったところをこのブログで書いてしまってるので、
それはそれで発散になってるのかもしれない。

音楽や絵や動画を作るには、必ず勉強と努力が必要だ。
数か月、場合によっては数年かけて習得して、それで初めて作品になる。

だが、誤解を恐れずにあえてこう言うけど、
歌詞を書くのは基本的に誰にでもできる。
パソコンさえいらない。
紙とボールペンだけあればいいし、特別に習得しなければいけない技術もない。

発表することへの恥ずかしさや照れを克服すれば、歌詞は誰にでも書ける。
歌詞が書けないと言うPさんは、歌詞そのものが書けないのではなく、
自分が納得できる歌詞が書けないと言う事だろうと思う。

たぶん何かしらの創作に関わる人で、完成した完成してないを含めたら、今までに歌詞やポエムを書こうとした事のない人はいない気がする。
もしかしたら創作に関わりの無い人でも、今までの人生の中で歌詞を書こうとした事のない人は、すごく少ないのかもしれない。

こういう世界に全く縁のないと思える私の姉でも詞を書いていた。姉は気が付いていないけど、自作歌詞ノートが部屋にこっそりあったのを、小学生の頃の私はしっかり中身もチェックしているw


逆に言うと、誰にでも出来るからこそ、最も競争率が高いのも歌詞である。そのクオリティの差は他のどの創作物よりも大きいし、そしてきっと、好みが大きく分かれるのも歌詞だろう。

だからこそ、その一貫した創作の方向性を問われるのも歌詞ではないかと思う。良くも悪くも個性が出やすく、反面、無難にまとめようとすると、聞きなれた表現ばかりになって没個性にもなりやすいと思う。


ボカロ界で私が好きな作詞家さんはたくさんいるけどれど、彼らが評価されているかと言うと全くそうではない。

むしろ今ボカロ界ではこの曲が人気ですと言われる曲の歌詞を読んで、あれ?あまり歌詞には力を入れてなかったのかな?と思ってたら、この歌詞が良いんだというコメントを見て、ああそうか、自分の感覚は流行りとは大きく隔たりがあるんだなと感じることもよくある。


私がボカロ界で初めて良い歌詞だなあと思ったのは、「ハジメテノオト」だったと思う。今でもそう思う。この曲は年月が過ぎれば過ぎるほどに、涙が出そうになる。数あるボカロ曲の中でも、「ハジメテノオト」だけは別格扱いしてる方もきっと多いだろう。

Asaki,No9さんの「忘却心中」も良い歌詞だなあと思った。この方はあまり普通の表現を使わない作詞家さんだ。どの曲を聞いても、歌詞で心に引っかかるところが必ずある。

いまでこそ多くあふれるVOCAROCKは、その道を開いたのはAsakiNo9さんの属するO-9さんや、ナモナキPやパレットPやBingoBongoPなどのMEIKO使いのPさん方だったと私は思っている。彼らがいなかったら、私もボカロ界には足を踏み入れてなかっただろう。

O-9さんの作品で、「道徳の樹海」と言う作品がある。この作品は曲と言い、シバションさんの動画と言い、個人的にはボカロ最高峰の作品ではないだろうかと思う。




他の作詞家さんで好きな方もたくさんいる。

いつも絵を描いてもらってた裏花火さん、クラフトPの動画担当だったよしのん、あわあわP、ヒーリングP、ピノキオP、牢獄P、トラボルタP、アンメルツP、しまこさっくP、梨本P、バースデーP、謝謝P、ハッチポッチP、・・・etc


そして、このお二人をちょっと強調してお名前を出したい。
ミユキストPとほぼ日P。

ほぼ日Pは言わずと知れたあの人であるw
「またおまえか!」の人である。

「またおまえか!」のタグは、憧れのタグでもあるww
タイトルを見ただけであの人とわかる人ってのは、創作の根拠がぶれてない人だ。
他にも、ストーカーPや混沌ツクラーPなどもそういうPさんだ。

ストーカーPさんはそのタグを一度回って見て頂きたい。
タイトルが並んでるのを見ただけでおかしいw
「レンコンに穴をあけるお仕事の歌」のPさんだけど、この人の視点は常に一貫している。
世間に注目を浴びることのない人や生物にスポットをあてるPさんである。
まあ、一度見てほしい、圧巻であるwww


で、何の話だっけ・・・w
あ、ほぼ日Pさんだ。
ほぼ日Pに何かしらの敬意を持っている人はとても多いと思う。
たぶん、第一線のPさんにも、ほぼ日Pには一目置いてるって方は多い気がする。

その作品数や、風刺的な歌詞に何かと話題が行くPさんだけども、
私はこの方の歌詞のレベルは、ニコニコで最も高いのではないかと思う。

「津波てんでんこ」という曲を初めて聞いたとき、私は本気で泣いてしまった。
一度JOYのカラオケでも歌ってみたけど、泣けてしまって歌えなかった。
この曲は、誰かの人生の座右の銘にもなる曲だと思う。
生きてゆく道標にもなりうる歌だと思う。

ニコニコは大好きなところではあるけど、
この曲が5万再生しか行かないってことを、ちょっとじれったく残念に思う。



ミユキストPさんを知ってる方はどれくらいいるだろう。
若い方にウケる曲を作る方ではないので、あまり知名度は高くない方かもしれないが、
その歌詞はすさまじい。

以前ツイッターでも書いたけど、「いい歌詞」っていうのはいくつかの種類があると思う。
言葉遊びや語呂合わせが上手い歌詞、サビの1行目のインパクトが強い歌詞、
比喩が上手い歌詞、あるある的な小ネタが上手い歌詞、単語の一つ一つが美しい歌詞、

言いたくても言えなかったことを言ってくれる歌詞、
誰かに言って欲しかった事を言ってくれる歌詞、
今まで持たなかった新しい視点を示してくれる歌詞、

私はおっさんになってからは、
あまり言葉遊び的なことや、虚構的な事には面白みを感じなくなってしまった。
その反面、文章の意味としてすごく現実味を感じるリアルな詞を良い歌詞だなあと思う。


私は、たとえ外国語に翻訳されてもいい歌詞だなあと思ってくれるような、
そんな歌詞を書きたいなといつも思っていた。

だけど、こういうのには正解はない。
良い歌詞かどうかなんて人によって全く価値観は違うものだ。


ミユキストPさんは、そのデビュー曲の作風が中島みゆき的だったということでこのP名がついた。
確かにそれっぽい点もあるが、きっとそれは、
彼もまたご自身のリアルなことを歌詞にしてる方だからなのだろうと思う。

彼が書く詞は、とてもリアルで生々しい。
たぶん、隠しておきたい事、人には言いたくないことも作品にしてらっしゃるような気がする。

「シャッター通り」という曲でこのPさんを初めて知った。
よければ詞をよく読みながら聞いてほしい。