今日紹介するのはMark Stewartのセカンドアルバム。1985年にリリースされた作品。Mark Stewartは1979年にポストパンクバンドThe Pop Groupのヴォーカルでデビュー。The Pop Groupについてはまたいずれ。なぜStewartのアルバムをPop Groupより先に紹介するのか?それはこのアルバムが音楽の歴史を変えたから。このアルバムをプロデュースしたのはAdrian Sharwood。Sharwoodは英国のダブシーンの先駆者。しかしここで聴ける音はレゲエではなくパンク及びヒップホップ。俗にいうインダストリアルヒップホップ。というかインダストリアルヒップホップはこのアルバムで誕生したと言える。どのようにこのアルバムが歴史を変えたかは二つのジャンル誕生させたから。 まずひとつは英国の港町ブリストルで誕生したトリップホップ。トリップホップ上最重量アーティストMassive AttackはStewartの作品に強い影響を受けたことを隠していない。また同じくブリストル出身のTrickyはStewartからレコーディングするチャンスを与えられデモテープを作ったことからデビューに漕ぎつけた。これらのアーティストはStewartの作り出したヒップホップのビートにノイズをのっけまくり更にダブ処理を掛けるという革新的な音に衝撃を受けた事は間違いない。  ふたつ目のジャンルはインダストリアルメタルである。80年代後期にデビューしたnine inch nails(Trent Reznorの単独プロジェクト)のデビューアルバムPretty Hate Machineははっきりいってこのアルバムを分かりやすくしたコピー以外の何物でもない。しかもプロデューサーはSharwood(!)というところまで完璧にコピー。 つまりStewartのこの作品はヒップホップから連なるトリップホップとメタルの亜流であるインダストリアルメタルという90年代に台頭してくる二つの大きな流れを作り上げてしまったのである。