私にとってバイブルと言えるアルバムの一つがTrickyのMaxinquaye。1995年にリリースされたこのアルバムは間違いなく音楽の歴史を変えた。Trckyは英国の港町であるブリストルの出身。彼はどうやら悪い連中とつるんでいた日本でいうヤンキーだったらしい。このアルバムで歌を披露しているMartina Topley BirdはTrickyの近所で鼻歌を歌っていたところ彼がスカウトしたかたちで出会った。彼女はTrickyの子どもも産んでいる。 さてこのアルバムだが一言で表すと「スモーキー」80年代に人気があったアメリカのラップグループPublic Enemyのカバー曲Black Steel以外はほぼダークな曲で固められている。一番はじめに自主制作シングルとしてリリースされたAftermathはアルバムでは多少ブラッシュアップされており、オリジナル版でサンプリングされていた英国を代表するスカバンドThe Specialsのフレーズがカットされ、代わりにギターで弾き直されている。 またPumpkinという曲ではSmashing Pumkinsをサンプリング。因みにTrickyはSmashing Pumpkinsが好きだからサンプリングしたのではなく、初めて会った時の印象が最悪だったそうで侮辱するためだったそう。 Trip Hopを代表するバンドMassive Atackに参加していたこともあるTrickyだが、当時は関係が悪化していたようでMassive AtackのセカンドアルバムProtectionに提供した歌詞と全く同じ歌詞があったりする。また同じくTrip Hop界隈で人気なPortisheadのシングルカットされたGlory BoxとTrickyのこれまたシングルカットされたHell is Round the Cornerが全く同じIsaac Hayesのネタ。要はこの時期のブリストルは色々な才能に溢れるアーティストが共鳴しあい、新しい音楽を生み出していたのだ。因みにTrickyのデビューにはとあるポストパンクバンドのメンバーが関わっていたのだが、その話はまたいずれ。