櫻の園 | さるすべり日記

櫻の園

映画『櫻の園』の主演が福田沙紀ちゃんと聞いて ああ それはイメージにぴったりだなあと思いました なつかしくなって引越しのときも捨てずにとってあった漫画『櫻の園』(吉田秋生)を本棚の奧から引っ張り出して ひさしぶりに読んでみました







連載していた1985年頃はまだ小学生でした 日本のバブル景気が1986年からというので バブル以前の社会とバブルの走りの雰囲気がでているのでしょうか いずれにしても私が初めて読んだのは大学生のころで 共学で通した私には 女子高の雰囲気もわからないし いまいちぴんとこなかったような気がします それでもマンガの世界の登場人物たちと同世代なので 女の子の悩みとか憧れとかそういったところの共感はすこしあったのかな 改めて読んでみて この骨太な描写 とくにあごのラインがとくに沙紀ちゃんとぴったりなんだなあ 沙紀ちゃんのあごのラインに鉛筆の線がみえてくるもん 映画はみてないけど それだけでわたしにとっては充分 原作の雰囲気があるのです しかし 漫画の内容はいま読んでみたほうがよっぽど色々と感じるところも多い それはやっぱり 10年という歳月が大きくて もう失ってしまった若い頃のぎこちない恋への共感とか そういうのは通り過ぎちゃって 今は そういうこともあったなあ なんて 登場人物たちの好きと嫌いを いつのまにか冷静に読みすすめていて 時には微笑ましくもあり ああ 私はすっかり青春が遠くなってしまったのだと思いました そういえばなんだか今年はそういう読み返しをいくつもしているような気がして 最近の新刊なんてほとんど読んでいないなと少し反省・・・ オムニバスの短編で紡いでいく しっとりとした情緒や10代のはかなさというか そういうのがぎゅっとつまった漫画だった しっとりの湿度が昨今読んでいるものと比べてはるかに高く 登場人物の涙が実際に紙面を濡らしているんじゃないかと思えるほど・・・ 映画はとくに見に行く予定はありませんがなんとなくなつかしくて日記にかきました