王朝の恋 ―描かれた伊勢物語― @出光美術館 | さるすべり日記

王朝の恋 ―描かれた伊勢物語― @出光美術館



サーチ 王朝の恋 ―描かれた伊勢物語―


2008年1月9日(水)~2月17日(日)
物語は人々のこころに夢や希望、そして安らぎの時を与えてくれます。かつて平安時代の栄華を生きた貴族たちは、大変な物語好きで、王朝の美意識と風情を物語につづりつつ、また絵画化しては楽しんでいました。
さまざまな物語の中で王朝人たちが最も愛したものは、やはり恋愛に関わる物語だったのではないでしょうか?本展では、『源氏物語』よりもいち早く成立した恋物語『伊勢物語』に注目し、男女の間に行き交う、うたかたの恋をテーマに企画開催いたします。
「ある男」なる貴公子を主人公に、王朝の人々が、和歌のやり取りを交えながら雅な時を過ごす125段のエピソード。時には許されない悲恋に病み、時には遊興にふける貴公子や女性たち。恋のゆくえは、いつも波瀾万丈です。また恋の舞台には、和歌に詠まれる名所を設定し、同時にその魅力も紹介するなど、『伊勢物語』は画題としても充実した物語です。歴代の画家たちは、この物語をテーマに、男女の心理状況までも描き出さんと試みてきました。
しかし残念なことに、『伊勢物語』を描く美術作品はその多くが失われてしまったため、今日に伝存する作品は極めて貴重なものです。
本展では、無二の名品「伊勢物語絵巻」(重要文化財・和泉市久保惣記念美術館蔵 2/5~2/17展示)の特別展観をはじめとして、岩佐又兵衛の秀作「在原業平図」(重要美術品・出光美術館蔵)や、俵屋宗達、尾形光琳、酒井抱一など琳派の優品を中心に、『伊勢物語』の名場面を約70点の作品にて構成します。今回は独自の“5つの視点”を設けて、比類なき『伊勢物語』の魅力を探る展覧会です。

開館時間:午前10時~午後5時(入館は午後4時30分まで)
       毎週金曜日は午後7時まで(入館は午後6時30分まで)

休館日:毎週月曜日
       ※ただし1月14日、2月11日は開館します。

入館料:一般1000円/高・大生700円(団体20名以上各200円引)
       中学生以下無料(ただし保護者の同伴が必要です)

http://www.idemitsu.co.jp/museum/honkan/index.html




昨日は 出光美術館の「王朝の恋」 を拝見してきました

会期最終日の滑り込みでしたが 予想以上の人出で賑わっていました

―描かれた伊勢物語―ということで 詞書は少なかったのですが

充分堪能することができました

絵巻の一部は、和泉市久保惣記念美術館デジタルライブラリーでも見ることができます
http://www.ikm-art.jp/cgi-bin/library/search/list.cgi

伊勢物語といえば 高校の古文の授業などで いくつか学びましたが

芥川 東下り 梓弓などの話は 誰もが一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか


(第六段 芥川)

白玉か なにぞと人の 問ひしとき 露と答へて 消えなましものを

(第九段 東下り)

からごろも 着つつなれにし つましあれば はるばるきぬる 旅をしぞ思ふ

(第二十四段 梓弓)

あらたまの 年の三年を 待ちわびて ただ今宵こそ にひまくらすれ


とくに「芥川」の和歌は 無垢で世間をしらない女の子が 連れ去られる途中で

草の露がキラキラ光るのを見て あれはなあに? と問いかけるという わたしも大好きな歌です


わたしが大学の講義で 伊勢物語 を 読んだときに

講師の先生が俵万智さんのお話をしてくださったのが印象に残っています

いまはすっかり源氏物語一色の万智さんですが 母校でお話したときに

「おとなになったら 伊勢物語」とおっしゃったのだそうです

まだ十代だった私は 伊勢物語を味わえればおとなになれる気がしたのですが

万智さんが言いたかったのは そうではないようです




伊勢物語の有名な場面を 大きな屏風に寄せ書きのように描いたものがいくつかありました

スポーツ番組で言えば 本日のハイライトシーン のような感じでしょうか

昔の人は 物語の内容は暗唱できるくらい頭に入っていたのでしょうから

屏風の一場面を見ただけで CGのようにイメージが動き出したのではないかしら


「梓弓」は次のような話です

宮仕へのため京へ行ったまま帰って来ない男を
三年もの間 待ちあぐんだ女は他の男と結婚する事になった
しかし その時 皮肉にも男が帰って来た
女は事情を告げると男は女の立場をおもいやり立ち去る
女は男がいとしくなり その後を追うが 力尽き清水のほとりで倒れ伏して

岩に自分の血で歌を書き残し死んでしまった


他の男と初夜を迎える女のところに 昔の男が訪れてくる緊張感漂う場面と

状況を察して帰っちゃった昔の男を 追いかけてきた女が 力尽きて岩に血で歌を書く場面

が 多く描かれていました

完全に ホラーでしょう・・・叫び


まあ 誇大表現だと思って加減してみることにしても・・・



いつの日か そうそう 恋 ってつらいのよね~ わかるわ~

でも それがいいのよね ・・・ お茶

なんて 昔を振り返ってきゅんとしたり 思い出話に花が咲いちゃうくらい おとなになったら

ぜひ 筆で125段 挑戦してみたいとおもいます










展示を見終えて ロビーにいくと 隣の陶片室が綺麗にリニューアルしているので驚きました

以前の 大学の古い資料庫みたいな空間も 雰囲気ありましたねぇ

冷たいお茶を頂いて お友達とのんびり皇居のお堀などを眺めていました

ルオーとムンクの併設展示も 展示室ができていて これまたおどろきました

最新設備を誇る照明の中 落ち着いて拝見することができました

以前は廊下に 何気なくかかっていてそれも ある意味びっくりしていましたが・・・

最後にミュージアムショップものぞいて 大満足で帰りました



ちなみに 昨日は東京マラソンが開催していたため

銀座は 歩行者天国ではなく 走者天国になっていました

交通規制のため 道路を横断できないので 地下道で移動しました

マラソンはみるのはすきですが 自分でやってみたいとは思いません

みなさんいい汗を流していらっしゃいました