諏訪敦絵画作品展―複眼リアリスト― | さるすべり日記

諏訪敦絵画作品展―複眼リアリスト―

千駄ヶ谷の駅で友人と合流して 佐藤美術館に行きました

美術館は5階建てのビルで 1階のエレベータ前の受付でチケットを購入しました

これだけの一挙公開なのに 500円です

公立の美術館でも目玉が1点しかない展示で1500円もとるのですから

何度でも来てみる価値がありますね

2階がミュージアムショップがあり 3階・4階が展示室で

5階は休憩室やアンケートのコーナーなどがありました

出品リストによると 初期作品 ひとたち 大野一雄・慶人 SLEEPERS Stereotype

といった構成になっています

わたしは 大野一雄が眠っている画(大作)にひきこまれました

老人の皮膚感がリアルに描かれ 寝息が聞えてきそうなのに

でも 真空のなかにいるような そんな感じに 眩暈がしました

大野一雄さんは 以前幸運にも 映画を観ていた ので 映像の中でしか知りませんが

ご本人に直接会ったことのある方は どのように感じるのでしょうか

展示は24日までです




           



 現在、美術界のみならず様々な方面より注目されている画家諏訪敦の個展を佐藤美術館において開催します。
 諏訪敦は、北海道に生まれ、1992年武蔵野美術大学院修了、1994年には文化庁派遣芸術家在外研修員として2年間スペインマドリードに在住、彼の地で参加した国際絵画コンペで大賞を受賞し画家としてのキャリアをスタートさせました。
 帰国後は絵画の原点回帰としての意味で写実表現の追求を続けましたが、2000年に開催された個展で、前衛舞踏の先駆者大野一雄、慶人両氏の協力を得て一年間取材し描き下ろしたシリーズ作品を発表しました。この制作体験は諏訪に大きな示唆を与え、これを契機として取材対象の選択を重視しつつ背後にある個人的歴史や思考など多岐の情報を取り込み、対象とのコミュニケーションのプロセスまでも素材とする制作スタイルへと転換させてゆきます。
 その後は個展での活動が中心になり、日本在住の多様な来歴を持つ女性たちを題材にし、標本的絵画とインタビューを併記したシリーズ「JAPANESE BEAUTY」(2003年)や、一般より募ったモデル協力者の生活空間を切り取り、本来秘匿されるべき寝姿を描写したシリーズ「SLEEPERS」(2006年)などに結実しています。
 現在我が国では、ジャンルを問わず描写系絵画の台頭が顕著にみられますが、そのきっかけを作ったのが諏訪敦であると思うのです。しかし、その超絶的描写能力と同時に表現のエッセンスは、対象への問いかけとコミュニケーションにより支えられ、そのため作品の多くが人物画に占められているのです。
「よそよそしい私は、絵画を通して初めて他者と確かな関係を築いていると実感できる」と本人が語るように、デッサンを基本とした視覚情報の確認のみならず、取材対象との対話、各種機材による記録、生活空間の共有など、単に再現的意味においてのみ完璧な絵画を求めるにしては過剰で執拗とも思える、複眼的な情報の取り込みに裏付けられている事、描写という最も非効率的な手作業を経て物事を丁寧に追体験し、対象の美的側面以外の多面性を読み取ろうとする意志がこの画家の本質なのです。
 そしてこのことがまさに、既存のフォトリアリズムや鑑賞絵画的写実画家などと、諏訪の絵画を分つ部分であると言えるのです。
 本展は、この新世代の作家諏訪敦の最新作を含む全貌を、佐藤美術館全館に展示網羅することで現代絵画の行方を考察しようとするものです。

●出品概要:
初期作品 (~94年)/大野一雄・慶人シリーズ (00~07年)/SLEEPERS (95~06年) /Stereotype(新シリーズ・新作)他 約50点
*平成20年2月5日(火曜日)~展示作品の一部展示替を致します。
●展示協力:
4階展示室は諏訪敦の作品とサウンドによる(サウンドアーティストmamoruマモル)によるコラボレーション会場となっています。
●諏訪敦HP:
http://members.jcom.home.ne.jp/atsushisuwa/
▼概 要
展覧会名:~複眼リアリスト~ 諏訪敦絵画作品展
会  期:平成20年1月17日(木)~2月24日(日)
開館時間:10:00~17:00/(金)~19:00
休館日:月曜日 *2月11日(月・祝)は開館 翌12日(火)は休館
会  場:佐藤美術館 3階・4階・5階
入場料:一般:500円 学生:300円
主  催:財団法人佐藤国際文化育英財団・佐藤美術館
後  援:東北芸術工科大学
協  力:株式会社便利堂 彩鳳堂画廊 株式会社ナカジマアート 春風洞画廊 小松音響研究所 画廊大千

http://homepage3.nifty.com/sato-museum/exhibition/index.html