上海―近代の美術―展 @渋谷区立松濤美術館 | さるすべり日記

上海―近代の美術―展 @渋谷区立松濤美術館


きょうは 会社の昼休みに渋谷区立松濤美術館で開催中の

「上海―近代の美術―」展をみてきました

風が強くて 行きかえり歩いていたら 体が冷え切ってしまいました・・

でも 平日に展覧会にちょこっといけるのは よい気分転換になりま






会期:2007年12月11日(火)~2008年1月27日(日)
入場料:一般300円, 小中学生 100円, 60歳以上の人、障害のある人は無料, 毎週土曜日、小中学生は無料
時間:9:00から17:00まで
  (月曜休館、祝休日の翌日(土・日曜日は除く)、年末年始、陳列替えの期間中閉館。月曜日が祝日の場合は開館)
住所:〒150-0046 東京都渋谷区松濤 2-14-14
電話:03-3465-9421
http://www.city.shibuya.tokyo.jp/est/museum/20071211_shanhai.html

「1912年、二千年あまりにわたった清朝帝政が終焉(しゅうえん)をむかえ、中華民国が成立しました。この歴史の転換期に民族の伝統文化の再構築を求めた人々は近代美術の創造へと動き出しました。アヘン戦争以後に開港した上海は、海外との貿易による経済の発展と西洋文明の舶来によって、中国各地から多くの芸術家が集い、独自の新しい作風を興す美術界一大中心地をなして、まさしく百花斉放の時代を迎えました。また、日本との文化交流も盛んに行われ、数多の文化人が往来したほか、中国からは数多くの留学生が来日して、新しい美術を学びました。
本展では、日本初公開の作品を多数含む、花鳥、人物、山水などの絵画・書・篆刻(てんこく)の優品約200点を国内外から集め、個性溢れる作品郡を紹介します。
また、台北の国立故宮博物院の作品が日本で公開される初めての機会となります。 」


松涛美術館は駅から遠いので とても立地的には不利だと思うのですが

不思議と いつ訪れても(たいてい 私は平日のお昼にいきます) ご婦人たちで賑わっているのです

上海の美術は 正直今までほとんど食指が動きませんでした
事前の知識もまったくないので 展示もはじめは あまり頭に入ってこなかったのですが

せっかくの機会なので いちおうネットで調べてみました

上記の展覧会の案内からまずみてみます


「アヘン戦争以後に開港した上海は、海外との貿易による経済の発展と西洋文明の舶来によって、中国各地から多くの芸術家が集い、独自の新しい作風を興す美術界一大中心地をなして、まさしく百花斉放の時代を迎えました。」


清朝末期、めざましい繁栄を遂げる上海、当時の文墨界にあって滬上(上海)を拠点に

芸術活動を展開した、いわゆる「海上派」といわれる文人がいたそうです

この「海上派」といわれる人々は、作品を売ることで生計をたてていたため

どうしても 作品を買ってくれる側の趣味嗜好におもねることになります

また 急激な経済の発展や西洋化により 趣味趣向の大衆化がおこり分かりやすく派手な作品が多く見られます

会場の解説にも そのような説明がなされていたと記憶しています(きちんとメモをとる時間がありませんでした)


同展のギャラリートークをなさった 味岡義人 さんの解説が「UP」に載っているので

現在取り寄せ中です 読んだらまた感想書きます


海上派と日本との関わり 「上海 近代の美術」展 味岡義人

http://www.utp.or.jp/topics/up/up2007/  (「UP」2007年12月号)


また 絵画の吉祥について知識があると 当時の人がどんな意味を込めていたのかを楽しめます

記号 的に絵画を楽しんでいた当時の人々の願望などが窺えます

現在の日本人が生み出す作品からは 何が窺えるでしょうか


「松」   不老長寿(常緑)
「石」   長寿(「寿石」ともいう)
「菊」   長寿(重陽の日に菊酒を飲む)
「桃」   長寿(「寿桃」・「仙木」・「仙果」と呼ばれ邪気をはらう)
「水仙」 長寿花
「薔薇」 長春花、長寿薬(?瑰ーばいかいーとも呼ばれる)
「柏」   長寿(常緑、また「百」に音通)
「猫」   70歳を意味(「老」と音通)
「蝶」   80歳を意味(「耋」ーてつーに音通)


「石榴」 多子(多くの実)
「梅」   君子の象徴・子孫繁栄の象徴(寒中にいち早く咲く)
「萱草」 男子出産(かんそう、勿忘草のこと)
「葡萄」 子孫繁栄(実や房が多い)
「蓮」   婚姻・夫婦和合・子孫繁栄(「恋・憐」と音通。別名の「荷」も「合」と音通)
「瓜」   子孫繁栄(種が多く、蔓の先に種子をつける)
「魚」   豊穣(「余」に音通)また多子(卵を産むので)


「竹」   祝賀(「祝」と音通)
「蝙蝠」 福にかたむく(「偏福」と音通)
「芍薬」 宰相花、出世
「芙蓉」 栄華(「蓉」が「栄」と音通)
「鶏」   栄達(「冠」が「官」に音通)
「鶴」   一品鳥(一品は官位の最高位)
「蟹」   甲羅を持つことが科挙の合格者の「甲」に通ずる。

「鹿」   「禄」と音通
「金魚」 「魚」が「玉」・「栄」と音通。金と玉、また金が余る意。
「牡丹」 富貴花
「枇杷」 富(黄金色の実)