次に、インボイス制度のポイントをまとめてみましょう。
●発注側(対価を支払う側)
仕入控除税額に含められるのは、登録した事業者(適格請求書発行事業者)からの請求書(インボイス)に係る消費税額だけ。
●受注側(対価を受け取る側)
インボイスを発行できるのは、適格請求書発行事業者として登録した課税事業者だけ。
つまり、免税事業者や一般消費者は登録できず、インボイスを発行することはできません。
このことから、インボイス制度が施行されてからの発注側の対応として、以下の2通りが考えられます。
①インボイスを発行できる適格請求書発行事業者Cへ発注する
②インボイスを発行できない事業者に、消費税額に相当する分の値引きをしてもらう
記事「インボイス制度(1)」で考えると、
①の場合、納付される消費税額は、
会社A 500-300=200万円
会社C 80万円
合 計 280万円
②の場合、会社Aは、本来仕入が3080万円になるところ、80万円値引きしてもらって3000万円に抑えられる
売上 5000万円+消費税額500万円
仕入 3000万円+消費税額220万円
納付する消費税額 500-220=280万円
一見、②は①より納付する消費税額が高く、損しているように見えるが、トータルで考えると変わらない。
① 売上5500-仕入3300-納付消費税200=2000万円
② 売上5500-仕入3220-納付消費税280=2000万円
受注側B(免税事業者)で考えると、
①の場合は仕事を失う
②の場合は売上が減る
いずれにしても苦しい状況になる。
株式会社クレインエイト