別のところで6月にアップしたものですが、来年10/1からはじまるインボイス制度についてざっくり説明していきたいと思います。
インボイス制度は簡単に言うと、消費税をきっちり徴収するための制度です。
まずざっくり制度の概要を説明しましょう。
なるべくわかりやすくするために消費税は全て10%で考えます。
会社Aは年間で下記のような売上と仕入があったとします。
売上 5000万円+消費税額500万円
仕入 3000万円+消費税額300万円
仕入のうち、800万円+消費税80万円は、個人で仕事をしているBに支払ったものとします。
個人Bの売上は、会社Aからの分しかなかったとし、仕入は0円とします。
売上 800万円+消費税額80万円
仕入 0円
この場合、国に納付される消費税額はそれぞれ以下のようになります。
会社A 500-300=200万円
個人B 80万円
合 計 280万円
しかし、(条件を満たせば)課税売上高が1,000万円以下の場合、消費税の納付が免除されます。
ですので、個人Bは消費税80万円を支払わなくて済みます。
そのため、国に納付される消費税額は、結果的に 200万円になってしまいます。
この免税制度を実質的に無効化するのがインボイス制度です。
インボイス制度では、基本的に、免税事業者へ支払った分の消費税額は消費税として認められなくなり、結果的に支払った側(ここでは会社A)が負担することになります。
どういうことかと言うと、会社Aの仕入が以下のようになってしまうのです。
売上 5000万円+消費税額500万円
仕入 3000万円+消費税額300万円 → 3080万円+消費税額220万円
この場合、国に納付される消費税額は
会社A 500-220=280万円
個人B 0円
合 計 280万円
単純なパターンで考えましたが、インボイス制度によって、個人Bが納付するべき消費税を会社Aが負担する形になり、本来納付されるべき消費税280万円が全額納付されることになるわけです。
株式会社クレインエイト