第04回「絶対甘感」-赤外線による果実の糖度の推定 | クレイン・テクノロジー|技術をもっと、分かりやすく。|畑谷成郎

第04回「絶対甘感」-赤外線による果実の糖度の推定

みかん狩りやイチゴ狩り、皆さんも一度や二度行かれたことがあるでしょう。おいしそうなのを一つ摘み取って食べてみたら「あー、すっぱい。時期が早過ぎたかも!」そんなご経験はないでしょうか?

果物の甘さの指標は「糖度」です。糖度は、果汁に含まれるショ糖の質量パーセント濃度を指し、屈折糖度計で測定するのが一般的です。

透明なコップに水を入れてスプーンを入れると曲がって見えますが、水にショ糖を溶かして糖度を変化させると、スプーンの曲がり具合(見えかた)が変化します。果汁に入れたスプーンの曲がり具合から、ショ糖濃度を求めるのが屈折糖度計の原理です。

この方法で糖度を求めることの問題点は、果物をすりつぶして液体にする必要があることです。せっかく糖度が分かっても果実としては売り物にならないのです。

そこで果物を壊さずに糖度を推定できる赤外線糖度計の登場です。

人間の目は可視光線と呼ばれる光を感じることができ、波長の違いは「色」として認識されます。可視光線よりも少し短い波長の光を紫外線、少し長い波長の光を赤外線といいます。今回登場するのは後者の赤外線です。

赤外線は水を透過しますが果実の中の糖には吸収されます。糖による赤外線吸収量から糖度を推定します。この方法では赤外線という光を当てるだけですから果実を破壊せずにすみます。このような検査を「非破壊検査」といいます。

赤外線の吸光度はショ糖濃度以外の要因でも変化します。また、果物の種類や収穫時期によって吸光度と糖度の関係式は変わります。赤外線糖度計で得られる糖度は推定値でしかありませんが、たくさんのデータを統計処理することで、推定の精度を上げています。

今はハンディタイプの赤外線糖度計も登場し、果実が樹になっている状態でも糖度を測定できます。従来、収穫のタイミングは色や柔らかさから勘で決められていましたが、赤外線糖度計を使えば最も適した時期に収穫できます。これさえあれば、果物狩りでも失敗がなくなりますね。

<関連リンク等>
○ 株式会社アタゴ「誰でも解る!糖度計ガイド 果物・野菜」
○ 日本園芸農業協同組合連合会「手持屈折糖度計」
○ 東京ガス「食の生活110番Q&A 青果物の糖度」
○ 株式会社アステム「糖度計アマイカ」(※音が出ます)
○ 関連キーワード:糖度、Brix、検量線、赤外線、近赤外線