JR東海道線・辻堂駅から徒歩数分のところにある
「藤沢市アートスペース」で催されている
「木目をつくる」展を見てきたよ
この展覧会は・・・うーん、小難しいので要約すると
神奈川県藤沢市は長野県松本市と
姉妹友好都市提携を結んでおり、その縁で
松本ゆかりの作家さんと湘南ゆかりの作家さんの
合同展を行おう、というのがこの展覧会の趣旨
・・・ってことらしい
「アートスペース」ということなので
ギャラリーに毛が生えたくらいの広さなのだが
展示内容がマジで素晴らしかったぜ!
大曾根俊輔氏の作品は
動物をモチーフにした「乾漆彫刻」で造られているんだ
乾漆像の特徴はその制作方法から
細かい部分まで精密に表現できるところなので
ここに展示された動物たちはいずれも非常にリアルな出来栄えだ
「カバ ツグミ」↑
さらに目や歯などに
ガラス玉や瑪瑙などが埋め込まれており
生き生きとした感じがより一層強くなってて
今にものっそり動き出しそうだよ
「アルダブラゾウガメ アップルさん」
目が潤んだ感じや甲羅のゴツゴツ感
爪の表情などが超リアルじゃないか?
個人的には頭を上げててほしかったな
(その方が生きてる感が強いからね)
大曾根氏の動物のラフスケッチ↑
氏が描く動物の好みが僕と似ていて
見ててつい「うふふ」と笑ってしまったよ(笑)
「コテングコウモリ」は天井からモビールとして
吊るされた状態の展示だったので
空調の微妙な風でゆっくりゆっくり回ってるんだ
常に動いてるんで写真に撮りづらかったな↑
(「木目をつくる」展は全作品撮影OKです)
小さなコウモリでモビールも良いけど
もっと大きな、翼長1mのオガサワラオオコウモリとか
造ってくれないかな~?www
「ミニブタ ブーちゃん」↓
今回の展示作品の中で一番好きなのコレ♡
顔の表情やおでこの皺、髪型などが
お笑い芸人の「出川哲郎」を彷彿させるんだ(笑)
このまま電動スクーターに乗せて旅させたいな(爆)
「ブラジルバク カルロス」↓
「バク」(しかもブラジルバクでしょ?、マレーバクの方がツートンカラーで
見栄えがイイのに)がモチーフの作品って珍しいかも
しかも座ったこのポーズ、これに着目する感性が素晴らしいね
カルロス君、止ったままなのが逆に不思議な感じだな
「マナティ ボク」↓
前足(ヒレ脚)のビミョーな角度がリアルさに拍車をかけてるんだ
小林努氏の平面作品「樹の巡礼」↓
写真で見ると小さく見えてしまうけど
実際は壁一面を使ったかなり大きなものだ
一見、和紙と墨だけで描いたように見えるが
土佐麻紙、キャンバス、岩絵具や銅線など
様々な素材が使われてるそう
右「水の巡礼」、左「黒の巡礼」↓
衝立状の立体作品「雲の巡礼」↓
裏側にも彩色が施された360゜から見られる作品だ
衝立に描かれた部分の大きな自然を感じさせるような
つかみどころのない雰囲気に対し、床に置かれた半円形の紙が
ハサミで切った風にシャープすぎて(対比を狙ってるのかもしれないね)
僕的にはちょっと違和感を感じたなぁ
梅川茜氏の作品はいずれも女性らしい感性の
鳥や木の葉がモチーフの美しいデザインがされたものばかり
実際に手に取って見られる作品もあり
また、商品として売り出されているものもあるとか
(『クラフトフェアまつもと』で販売されたと係員さんが言ってたよ)
このシリーズ皿↓「トレイ木の葉型・鳥型」は
表面に防水加工がされているので
ちゃんと使うことが出来るんだと(コレ、好きな女子は多そうだな~)
「屋根付き丸箱』大中小のシリーズ↓
(コレも女子に人気が出そうだ)
鳥のデザインが可愛らしい「お茶セット入れ」↓
後藤信治氏の作品「フィッシュ」↓
今展覧会で唯一湘南在住の作家さんの作品
いかにも湘南なサーフボードであるが・・・
一般的にボードはウレタンフォームを削って形を作り
そこにFRP(ガラス繊維+ポリエステル樹脂)を貼って作るんだ
でもこの作品は、中空の骨組みに薄板(桐材)を貼って
鉋がけをして形を作り、そこに麻布を漆糊で貼りつけ
最後に漆塗りの行程で仕上げる、てなことをやってるんだと
いやはやエラい手間が掛かってるな
中空の骨組みや桐の板など、しっかり軽さを追求してるんで
実際に使えそうだけど
コレはもったいなくて絶対に使わないだろうな~(笑)
他にも板材に鎌倉彫で模様を施し漆で仕上げた
スケボー作品の「滑板輪文」シリーズ↑や
漆塗りの御椀などが展示されてたよ
実はこの日は午前中、葉山の美術館(県立近代美術館葉山)を
見てからの午後に「藤沢市アートスペース」を見に行ったのさ
葉山での企画展は「柚木沙弥郎の『鳥獣戯画』」展と
「みえるもののむこう」展の二つが開催中
「柚木沙弥郎」展はまだ見る価値ありだと思うけど
「みえるもののむこう」展は正直、金取っちゃダメだと思ったね
(観覧料各600円、二つ見て1100円となっていた)
「みえるもののむこう」展は
女性作家5人によるグループ展のような内容で
あれはどこぞの画廊を自分たちで借りて
やった方が良いんじゃないかと・・・
今は夏休み中だけに小・中学生も見に来てて
だけどあれはわかんないよ、何気に見てて可愛そうだった
多分美術の宿題だと思う・・・どんなレポートになるんだろうね
「夏休み」は子どもたちにとって
「本物」を見て感じることの出来る、「美術鑑賞」の入り口なんだ
そんな期間中にやる「企画展」について
神奈川県立近代美術館は
もっとしっかり内容を考えるべきだと思うよ
あ、ちなみに「藤沢アートスペース・木目をつくる」展は
観覧無料、9月8日までやってるので
興味ある人は是非見に行ってください、おススメだよ!
HPはこちらからどうぞ↓
http://www.city.fujisawa.kanagawa.jp/bunka/FAS/