借り暮らしのアリノッティ   | cracking my ballsのブログ

借り暮らしのアリノッティ  

(読破所要推定時間 Part1 14分  Part2 13分)


仕事で田舎に来ている。


寒い・・・寒い・・・凄まじく寒い。  まさかこんなに寒いとは思わず・・都心の恰好で来てしまった。


なんたる失態・・・。


もちろん、


かと言って、寒い季節が嫌いなわけではない。


なぜならスノボーの季節が近づいている証(あかし)でもあるからだ。


例年、もう少しで、群馬の谷川岳天神平が最初のオープンをするはずだ。体調面があるから今年もいけるかなぁ・・・(笑)


スノボーに行く時は、心構えが違う。寒いところに行くという「準備」がある。


今回のように準備がなく、不意を突かれると、向かい風は心なしか実際より強く吹いているようにさえ思う。



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今回は、アメブロ禁止用語の「はひふへほ」でも掘り下げて検証しようかと思ったのだが、


やめて、私の知人の話をしよう。





彼は、関東の某県で、広い意味で建築関連の会社と音楽関係の会社を経営している社長だ。


年齢は、30代半ば。


背も高く割とカッコイイ。


芸能関係の仕事もしているので、たまに彼の事務所の所属の男子モデルと一緒に歩っている姿を見ると、結構雰囲気がある。


彼の会社の調子の良い時は、よく一緒に飲みに行ったものだ。


一度、彼と彼の事務所の男子のモデル数人と投資家(この人も割とカッコイイ)、私、私の会社の社員という結構な人数で六本木のキャバクラに行ったことがある。


確か音楽関連の投資の話で、私とその投資家は飯を食いながら投資の話をした後、その投資家が知ってるキャバクラに行かないかと言いだしたので、


私が「ちょうどいい機会なので、私の知り合いの音楽関係の社長を紹介しますよ」と彼に電話。


男子モデル数人と打ち合わせをしていた彼を「じゃぁみんなで来れば・・」と私が合流を進めて大人数になってしまった。


そのキャバクラで、私の横についたキャバクラ嬢が「全員・・・モデルさんかなんかですか?」


「この席に着くのを他の女の子たち羨ましがってましたよ・・・」


たぶん、お世辞なのだろうが・・悪い気はしない(笑)


モデルの中にいると、なんらモデルと関係ない他の人間までモデルのように見えてしまう。


これを私は恋のアンペールの法則と呼んでいる。


(アンペールの法則とは電流と磁場の関係で、電流が流れる方向が決まればそれに沿って磁場も生じるというもの)




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今回は男子ばかりだったが、この恋のアンペールの法則は、女子のほうが効果がある。


女子会の中に女子モデルの娘が何人か混ざっていると、傍から見た男子には100%全員モデルに見える。

まあまあカワイイ子が更に可愛く見せる効果として女子の読者には伝えておこう。


(ちなみにあまりかわいくない子がやると逆効果になる。 逆2乗(クーロン)の法則によってである)



どうでもよい、恋の法則の話に脱線してしまった。


本編の趣旨に戻そう。



まぁ・・そんな彼とも付き合いは、もう10年ぐらいになるか・・・


仮に彼の名前を「有野 貞二 (アリノ テイジ)」とでもしておこう。


この有野君の会社の経営がここのところ・・・あまり芳(かんば)しくない。


飲みの誘いがめっきり減って、代わりに


「あのう・・・〇〇万円ほどお借りできませんでしょうか・・・」


という相談が増えてきた。 そんな相談が始まって、もう2年ぐらいになる。


現在は、完全に火の車どころか、その火のついた1輪車でタイトロープの上をなんとかバランスをとってわたっている。


まるで、命がけの綱渡り集団、ワレンダー一家 のような生活を続けている。


「有野ですがお金は無いの」というジョークが最近の彼の口癖になってしまった。


借りては返す、借りては返すの繰り返しで、資金繰りの負のスパイラルは止まらず、借金の量はハッブルの法則(宇宙の膨張)のように際限なく膨れ上がっていた。



会社の資金繰りが悪化し出しせば、経営者は金の融通にのみ時間を割かれる。


彼もご多分にもれず、借金の手当てに、そのほとんどの労力を割くようになった。


いや・・・割かなければならなくなった。


そんな彼を、いつしかみんな「借り暮らしのアリノッティ」と呼ぶようになった。



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経営者にとってコンセプトの管理と同様、資金繰り(資金調達)の管理は、最も重要な仕事だ。


私はいつも言っている。起業家(初期の社長)のやることは二つしかない。コンセプトと資金調達だ。


一度「借り暮らし」にハマるとそうそう抜け出せない。


もちろん借金や融資が悪いと言っているのではない。


私の言っている借り暮らしとは、「自社の売り上げや利益で返せなくなる」ことを言っている。


もっと正確に言えば、社長本人の個人資産も含め、少なくとも流動資産(もしくは資金)どころか固定資産売却でも借金返済に順当できず、他者から従来の借金を返すために借金を繰り返すことを「借り暮らし」という。


借り暮らしへのスケジュールを特別に描いておいた。心当たりのある人は注意しよう(笑)




潜伏期間


きっかけは、大したことがない場合が多い。


仕入れ先の納期遅れによる自社の売上減だったり、仲の良い取引先の売掛金の先延ばしをやってあげたことだったり、ある月だけ大幅に売上が減少し、仕入れ資金+一般管理費(従業員の給料とか家賃)のほうが上回ったりする場合だったりする。


まだ、大したことはない。

本質的には、このような急な入り用な時の為に会社はいざという時の余裕資金を準備しているものだ。


足腰がしっかりしている会社ならば、最悪銀行から運転資金として、又は融通資金を回してもらえる。


過去記事の「CFOを雇う新基準」で描いているように現代では無借金経営が最も素晴らしいことではない。


無借金とは、反対に言えば、会社の総資産回転率が悪いことを意味するからだ。


要はバランスだ。


金の流れがあなたのコントロール下にあればなんら問題ない。


しかし、運転資金を頻繁に銀行から融資してもらうようなパターンを長く、そして頻度多くおこなう会社を私はあまりすきではない。


それはビジネスモデルが脆弱(ぜいじゃく)である事を示している。ある日突然銀行があなたの会社と取引を停止すれば、会社はジ・エンドだ。


昔からある老舗企業や地方の中規模事業主、商店街にあるような店舗にこのパターンは多い。


間接金融に頼りっぱなしで、直接金融など・・・「そんな他人の資本など入れられるか!」などとコンサルをすると怒られたりする。


「私は他人から借金などしたことがない!」という投資と借金をごっちゃにする人も多い。そのくせ、銀行からの借金は年中している。


これらの会社は、いつ何時資金ショートを起こすか分からない借り暮らし予備軍である。



初期症状


上記のような銀行とあまりに密接な資金融通を行っていると借金に対する抵抗感が次第に薄らいでいく。


この場合、最も怖いのが、気付かぬうちになだらかな長い坂を転がり落ちて行くパターンである。


なだらかなので・・・気がつかない。


最初は、1年のうち数か月が前年割れする。


「ニッパチ(2月と8月)はどこも客がへるからなぁ・・・」などとのんきにいい加減な言い訳をする。


そのうち、1年のうち半年が赤字になる。


損益計算書がトントンになり、銀行の担当者に言う「売上減」の言い訳を考え出す。もしくは決算書を粉飾するようになる。


それでもなお  「節税対策に良い」などと強がっている。


長い緩やかな下り坂は最も怖い。


なぜなら数年に渡って症状がゆっくりと進む。


気がつかない。


よっぽど注意深く自社を観察してないと見落とす。


銀行への融通資金の量が増す。


「ちょっと、季節的なもんでさ・・・」


仲の良い取引先や友人から運営資金を融通してもらう頻度が多くなる。




通院必要


病状は悪化する。


損益計算書(P/L)ではなく。貸借対照表(B/S)が汚れてくる。


店舗であればいつも以上にチラシを打ったり、ディスカウントやクリアランスセールの頻度が増す。もしくは時期が前倒しになる。


顔が利く仕入先に支払いを待ってもらう機会が増える。


普段使わない手形を使うようになる。


なんとかしなけれゃ・・・仕事終わりの酒の量が増える。


家族に当たるようになる。


「忙しい」が口癖になる。  社長が会社に居ないときが多くなる。


勢い、したこともない飛びこみ営業をしてみたりする。


序々に、借金の量が利益だけでなく売上を上回ってくる。




重傷


友人や取引先に借金を申し込む電話をなんら気にしなくなる。


銀行は当てにならない・・・などと、貶(けな)し出す。


売上UP策よりコストダウンを徹底的に行うようになる。


コストダウンをしすぎて売り上げが更に落ちる負のスパイラルに陥ってくる。


社員のレイオフをし出す。また苦言を呈す幹部を首にする。


携帯電話の「あ」行から順に知り合いに借金を申し込む。同時に借金をするときの殺し文句が上手くなる。


次第に友人が減りだす。


優良な取引先が取引を断ってくる。仕入れ代金の催促の電話が頻繁にかかるようになる。


経理に「社長は席をハズしてます」といえというのが口癖になる。


経営よりも返済日が気になってしょうが無くなる。社員の給料支払い日が最大の嫌な日になる。


妻の両親からも借金をできないか考え出す。


仕入れの量が極端に減りだす。 


午後3時(銀行の閉まる時間)近辺がが最も一日で忙しい時間になる。


携帯電話の通話料金が飛躍的に増加する。


借用書のテンプレートがデスクトップの分かりやすいポジションにある。


そして、いよいよ借金を返すための借金をするようになる。

「借り暮らし」の始まりである。


そして・・・私の電話に出なくなる。


末期症状

あなたが知人に電話をかけると、ほとんどの人が電話に直接でなくなる。留守電ばかりで折り返しが無くなる。


逆に会社にかかってくる電話に絶対に自分ではでなくなる。携帯の知らない番号には異常に警戒する。


携帯を2個持つようになる。

家に届く催促状に無反応になる。銀行から代位弁済を告げられる。


債権回収機構の電話番号を携帯に登録する。


家のピンポンの電源を切る。


頻繁に引っ越しをするようになる。妻が離婚の話を切り出してくる。


社会保険から差押を食らう。他人名義の銀行口座に資金を移すようになる。


頻繁に電気・ガス・水道・携帯が止められ、慌てて金を払いの止めと再開を繰り返すようになる。


アルコールを大量に摂取しなければ夜眠れなくなる。朝が来るのが嫌になる。


土曜、日曜だけホッとする。(借金取りが来ないからね)


街行く人がみんな債権者に見えてくる。


「いっそ首括(くく)りたいですよ・・・」が口癖になる。


ネットで自己破産の情報を調べ・・・書いてある「意外に簡単です」という弁護士の言葉にホッと胸をなでおろす。




最後

私に電話をかけてくる。


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前述の「借り暮らしのアリノッティ」は「末期症状」の段階にある。


アリノッティはかなり私と親しくしていたので、「最後の段階」に至る前に私に相談してきた。



以下


アリノッティと私のやり取りを書くので、なんらかの足しにしていただけたら幸いである。




「crackingさん・・・すいません・・・」


「またか?・・・すいませんと声のトーンで何でかけてきたか分かるよ(笑)」


「今回を乗り切れば・・・なんとかなりそうなんです・・・来月には大きな仕事が入りそうで・・・」


「入りそうで・・・?」


「ええ・・・」


「嘘を付け・・・・(笑)」


「いやぁ・・・当たりです。すみません」


意外に正直な奴だ。(だから・・いまだに生きている         笑 )



借り暮らしになる重要な点を記しておこう。


計画性の無い・・・ハッキリ言えば・・・借金の返す当てがギャンブルチックな売上だと・・ほぼ100%借り暮らしになる。


本人は金が入ってくると思う。しかし、客観的に見れば、かなりのギャンブルな売上計画で、そのほとんどは、金が入ってこない。


本人は「入って欲しい」と言う理想で「入ります」と言ってしまう。もちろん、かなりの確率でダメだなことは心の憶測では本人が一番分かっている。


「明日の返済日のことより、問題は根本にあるんじゃねぇか?」


「根本ですか?」


「そう・・・根本。」


「有野君のビジネスモデルがすでに時代に追いついていないか、破綻しているんだよ。」


「・・・・」


「儲からない・・・仕事に未練を残して・・・今度こそはと明日に未来を託しても・・・明日も同じの借り暮らしは変わらんだろう。」


「ええ・・・」



FX(外為証拠金取引)と同じで、損切りができない性格の人が、実は借り暮らしに陥りやすいタイプと言える。


「失敗を認め、傷の浅いうちに損切りしないと・・・傷口はもっと広がるよ・・・」


「そうですかね・・・」


「でも・・・取りあえず・・・今回をなんとかしないと・・・まずいんですよ」


「今回をクリアしても・・次回のクリアはどうする?今回は私に借りてクリアしても次回は私は貸さん。


次回だけではない。その次もその次もある。それはどうする?」


「・・・・」


「私から金を借りて・・・その借りた金をまた違う人から借りて返す・・・それは返済計画とは言わんよ。


返済計画というのは、本業の収益から返す計画のことであって、他の人からまた借りて返します・・・というのは計画ではなくギャンブルだ。それでは貸した方は、ネットワークビジネスじゃないが・・・誰が最後の子供で、誰が最後にババを引くかと言うカードゲームになってしまう。

ババ抜きなのだから・・・ババを抜かないようにするには、カードゲームに参加しなければ良い。

イコール、これが君に貸す人が減って行く理由なんだ。最後は誰もゲームに参加しなくなる。

ただ、延命処置をしているだけで、根本の病巣を取り除く手術を先延ばしにしていると、結局手遅れになるように思うけどなぁ。」



借り暮らしの人が潰れる原因は、このように


目の前の返済のみに頭が一杯になってしまって、根本的な借金が収益を越えてしまっている、もしくは自身の事業又は収益源(なんでもいい)が完全に機能マヒを犯しているという事実にまったく手を打てないでいることだ。


事業収益源が機能マヒをしていることは本人が一番良く分かっている。しかし、どうやって現状を打破していいものか分からないでいる人は多い。


このころになると、返済の事ばかりが頭脳のほとんどを占め・・・会社の経営など・・・まさに手につかない状態に陥(おちい)る。


これは特殊なカメラで有野君の頭の中を覗いたモノだ。



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颯爽とダークスーツで身を包み、全く一般人のように何気ない顔で電車で通勤をしているが、頭の中は返済と借り入れでいっぱいである。自分の下りる駅すら忘れている。



また、上述したように、自身の事業は、もうダメなんだと感づいたは良いが、損切りのタイピングを逸して、ズルズルと先延ばしにしている人は多い。


損切りに伴う痛みを怖がっている人と、損切りした後の収益源がないことがその理由のほとんどを占める。


実際に、極めて損切りは難しい。なぜなら損失を確定することだからだ。


大損をしていることは、心の中で分かっていても、それがハッキリと・・・「いくらの損」と確定するのは怖いものだ。


同様に、取引先や今まで資金を融通していくれていた人、家族や関係者にハッキリしたことが伝わり、借り暮らしは終了するが、同時に借り暮らしの主たる収入源(すなわち借金)も止まる。


家族を持っている人にとっては、なんとか切りつめて借金で生活費をまかなっていたが・・・それもストップする。経営者本人はカップヌードルで良いが、家族、特に子供にはそうはいかない。


第二に借り暮らしの末期症状では、すでに全(まっと)うな金融機関からは借りられない。


当然人間の行動として、友人や取引先に借金の無心に行く前に消費者金融やその手の金貸しに借りに行く。


で、あっという間にブラックになる。


ちなみにサラリーマンならここでアウトになるので、傷は浅い。ハッキリ言って300万ぐらいが上限だからどうってことはない。いくらでも再生できる。


おまとめローンにでもして、3年ぐらい彼女を作らず、贅沢もしない生活をし、まともに働けば十二分に返せる金額である。もっと言えば300万円では破産申請しても裁判所がハネる(却下する)金額のラインだ。


イコール常識的に考えて再生できる。


しかし、経営者はここからが借り暮らしのスタートとなる。サラリーマンと違い・・・借りれるところはあるからな。


現在は、昔と違い消費者金融といっても免許を持っているところは、かなり全うになった。


TVドラマのような「おらぁ!金ださんかぁ!」などと家のドアをドンドンと夜中にやる、などと言うのはない。


この辺は今度詳しく描いても良いが、簡単に言えば、消費者金融の儲かっていたその収益構造の根幹をなす高金利を最高裁が違法と判例を出したため、当時、絶頂を極めていた消費者金融は壊滅した。


当時自家用ジェットまで持っていた、あの武富士も飛んだ。ほとんどの消費者金融の雄が商業銀行に安く買い取られ傘下に入って生き延びる運命をたどった。


この過払い請求は、いまや食えない弁護士の最高のネタになっている。


ネットで、仲間を集めて過払い請求の額と人数集めて消費者金融に破産申立すれば3秒で向こうは折れてくる。


楽勝な裁判でもあり、裁判所で行われる裁判の最も数が多いのが今コレである。TVでコマーシャルをやっている弁護士事務所は全てこれで稼いできた弁護士事務所であると言ってもいい。


そういうわけで、現在の消費者金融の取り立ては屁でも無い。逆に言えば、借りる時の審査が厳しくなったと言う事。


もう一方で、免許のない、いわゆる闇金融が勢力を伸ばしてきている。


経営者はここからが、スタートだと書いたが、全うな免許を持った消費者金融に審査でおとされたからといって、すぐに借り暮らしの人は闇金に手を出すものは少ない。


最初は友人、取引先、家族、親戚といったベンチャーの創業時に金を投資してくれそうな、あなたの事業の関係者に相談を持ちかけるようになる。


ちなみに借り暮らしの予備軍は、すでに創業時から借り暮らしの予兆を見せる。なぜなら、創業時の時のイニシャルコスト(初期投資)の額をなるべく低く見つもって投資を持ちかける傾向がある。


自身の考えた3倍は実際にはかかる。


1000万円の起業を想定した事業計画書を書いたのならば、アクチャルの資金調達は3000万円だ。


ギリギリで行くと、すぐに計画のほころびから、資金繰りに破綻をきたし借り暮らしにアッと言う間に陥る。



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借り暮らしの人達は



友人や取引先に借りては返し、借りては返しを繰り返すことになるが、


1、根本の事業は調子が悪い


2、返済原資である収益を甘く見積もる。


この二点から、借金の量は等比級に増え、一方で、借りられる人は等比級で減る。


借りられる人が減るとはどういうことか。


利息をかなり付けなければ、借りられる人が出てこないと言うことを意味する。


来月に1.5倍で返します。などと言うのはまだいい方だ。


利息を大きくして貸してくれる人は闇金ではないが、ギャンブラーの性質を持っている。


当たり前だが、そういう人たちと付き合いだすと、ギャンブルのような事業計画をもとに資金を調達する。


私はいつも起業家はギャンブラーだと言うが、この時点でのギャンブラーは、ほんとの意味でのギャンブラーだ。


で・・ほとんどスル。競馬と同じで、借用書が宙を舞うハメになる。



女性経営者の場合は、この辺でギブアップする。


これ以上頑張ると風俗行きだからな。


男性経営者は、更に突き進む。特に責任感の強いタイプ、もしくは優しいタイプがそうなる。


まじめな奴ほど・・・借り暮らしの生活は長引く。


最もいけないことは、闇金、特にフロントの金貸しに手を出すことだろう。


最近は拉致られたり、殴られたりといった直接的な行為よりも、毎日会社にくるといった事や、悲惨な自殺した経営者の話を何回も聞かせるなどといった精神的に堪(こた)える手法が主流になっている。


もちろん「指定された組織」なら警察はすぐに来てくれるが、そうではないと民事になり、且つ「金を借りている」という「筋」が向こう側にあるので厄介だ。


これは、私もやられたことがある。


某会社を弊社がM&Aしたのだが、そこの経営者が内緒で良からぬ所から金を借りまくっていたのだ。


かわるがわる来る(複数社)その筋の人達の精神的揺さぶりに、さすがの慣れているうちの社員も「社長・・・無理です。なんとかお願いします!」と泣きついてきた。


私も「良い経験だろう・・」とのんきにベテランではなく中途半端な社員をその時は担当にしてしまったからな。反省とともに、その件は私が担当した。


その筋の方々は、毎日世間話をしにくる。客がいようと投資家がいようとだ。


とにかく疲れる。


こちらの上げ足をとって、すぐに大声を上げたり、脅してきたりする。それも捕まらないギリギリの脅しだ。


例えば家族の話を持ちかけてくる。


運動会の季節ですね。とかあのへん(住んでる場所を差して)は変な奴が出ますから注意しないととか・・・


他の取り立てに来た組織の分はうちが追っ払ってやりますよ。などと言う輩もいる。


一回ラッキーな事があった。


取り立てに来た人物が、他の件でぶつかったことがある人だった。


「なんだ・・・にいちゃん・・・また、お前か!」


「ご無沙汰してます。」


「おう・・・元気か・・・」


「なんとか・・・」


この時の件は、素人(カタギ)の人が、私がM&Aした会社に法外な金利で貸した金の取り立てに、その筋の人を伴ってやってきたパターンだった。


その筋の人は私の顔を見るや否や


「〇〇さん(雇った人の名前)・・・この件・・悪いな・・・割にあわねぇよ・・・」


「え・・・!・・何で・・・です・・〇〇さん!(その筋の人の名前)」


「こいつ(私のことを顎でさしながら)が出てきた件を前にやったが・・・やたらしぶとい野郎で・・・こっちも疲れんだわ(笑)」


私も苦笑した。


意外にその筋の人も疲れんだな・・・毎日の取り立ては・・・とその時思った(笑)


「他に・・・頼み直してくれねぇ・・か・・悪いけど・・・」


その時は依頼人とその筋の人との関係が浅かったのだろう・・・それであっさり事はすんだ。


「にいちゃん・・・今度うちの件も担当してくれよ・・・(笑)」


と言って帰っていった。


もちろん当事者同士で、借金の返済の話し合いはしたが。その筋の人は手を引いてくれた。



ちょっと脱線するが、その筋・・・の方達の借り暮らしの経営者を嵌(は)める戦法を書いておこう。


もちろん起業家が用心するためだ。


最初 ファーストコンタクト


その筋でもなければフロントでもない・・・しかし合法でも無いグレーの金貸しが、あなたの知り合いのちょっと「やっこい」タイプの知り合い・・・例えば不動産業、中古車屋、芸能関係、かなり遊んでいるやつだったりパチンコ屋だったり・・・時に公開企業のベンチャー社長からとか・・紹介されてあなたに会いに来る。


打ち合わせは、あなたの会社ではなく意外にホテルロビーだったり、エクセシオール(喫茶店チェーン)だったりする。


まぁ・・・社員に知られたくない社長とよろしくない仕事の貸し金屋の利害点が一致する場所なのだろう。


スーツ来たやつもいれば、スーツの下にTシャツ着た金髪のにいちゃんだったりする。


もちろん審査は甘い。基本紹介だからね。紹介した本人も連帯保証に入ったりする。一方で、困ったことに、その紹介した人は法外な金利を含め全額回収できた時は紹介料をその貸したほうからもらったりする。


言わばどっちにも良い顔をするろくでもない立場のギャンブラーである。


構造的には、紹介者と仲の良いあなたは、その紹介者が連帯保証にまでなってくれているので、必死に返す努力をするわけだ。


そこに付け込んだ貸し金ビジネスである。


単位は数百万ぐらい。返す時は千万の単位となる。


これで返せない時は、厄介になってくる。


甘く囁く・・・闇の使い手  セカンドインパクト


最も怖いのは・・・追い込みが怖いのではない。このレベルの追い込みはたがが知れてる。


怖いのは・・・この時に「更に貸しますよ」とささやく者だ。


これがフロントである。


グレーの金貸屋はケツ持ちがいて、相談をされたフロントは「まだいける」と判断すれば焦げ付いた債権を安値で買い取る。


フロントは店の前にゴミをぶちまけて行くなどと言うのはまだいい方で、会社だけでなく、家も実家も来る。

近所も取引先にも来る。


「指定」の本職が来るなら警察も動いてくれるが濃いグレーのフロントだと・・・上述したように警察も筋が向こうなので、民事扱いする。


徹底的に嫌がらせを受けた後、更に貸してくれる業者を紹介される。


「更に貸しますよ」


悪魔のささやきだ。


もちろん同じグループの金貸屋である。


そうやってたらいまわしになった挙句、骨までしゃぶられて、全財産を取られると最後は破産会社の名義人をやらされる。計画倒産の張本人の役を演じさせられるのだ。


もちろん、その他の役者の配役もある。いまどきマグロ漁船なんかには乗せられない。


本人が希望すれば別だが(笑)臓器を売れなどと言うのもない。


もし、臓器を売りにフィリピン等の東南アジアにツアーで行くよう勧められたら、ほぼ100%日本には帰ってこれないと思ったほうが良い。保険が掛けられていると言う事だ。



ちなみにここまでズブズブになったら、まともな弁護士は助けてくれない。いったろ、弁護士が儲かるのは遥か上述の上のほうの・・・


全うな消費者金融の過払いの段階だ。


かったるくて金にならないこの末期の借り暮らしには弁護士も近寄らない。


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ふざけたことに、このフロントや本職を手玉にとる肝の座った経営者も時にいる。


進退きわまったと思うと、一遍(いっぺん)に複数のよろしくない組織から金を借りて・・・しかも億を越える。金を同時に借りる。


仮にある組織が怒り狂って、その経営者を消ちまえ!と動くと・・・他の関係している、よろしくない組織の貸した金が焦げ付いてしまう。そうなれば組織同士の問題になる。額が億以上なので・・・組織同士の掛け合いになってしまう。


よって、全員手出しができなくなる。・・・笑い事ではない。ふざけた野郎だ。


知り合いで、組織から借りた金が返せなくなって、事務所内の同じマンションに住んで、組織のITシステムを無料で作っているエンジニアを知っている。元うちのグループのIT部長だ(笑)


そいつはケロッとしてやがる。


違う知り合いに、これまたよろしくない組織に平気で金を借りる音楽関係の製作会社の社長がいる。


次がヒットしなければ、追い込み来ちゃうよ(笑)crackingく~ん(笑)とこれまたへらへらして私と昼食を共にしたりする。


最後は、全員私のところに泣きつけばいいと思っているのかもしれないが・・・冗談じゃない(笑)・・・ブログでいつも言っているように・・・筋が向こうにある場合は、味方しない。私は。



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いつものようにアメブロ40000文字の制限が来た。


借り暮らしPart2 へとこの話しは続く・・・



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雪の中の少年


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懐古な印象的な挿絵及び影絵の全部


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表紙のローンストアの写真

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