発達障害者にとってのラスボス、入浴の話。


なぜ発達障害者にとって入浴がラスボスなのかと言うと、


入れないからです。

本当に入れない!


一説には、ADHD者では「まだいいや、まだいいや」で先延ばしてしまい、

ASD者では「今やっている物事からの切り替えができない」からだとか、

「工程の多い入浴に完璧を求めるあまり時間がかかり面倒」もありました。


(以前就労移行支援施設で、『発達障害者はなぜお風呂に入れないのか』で学習したのです。)


もちろん発達障害者でも、お風呂好きの方はいらっしゃいました。

唯一一人でゆっくりできる時間だからと、入浴剤と共に何時間も。


とか。


でも、


「なるほどねぇ」と、ASD・ADHDどちらからも「入浴が面倒」になる訳ですが、その対策を以前、診察時に医師に聞いてみたことがあります。


その答えは、「なるべくさっと出ておいで」でした。

「入浴も体力を使うからあまり時間をかけずに」と。


そうでした。


私は脳性麻痺者でもあって体力がないので、発達障害に加えて、入浴が更に面倒になっていたのです。

それでも先生の仰った「さっと」が効いたのか、それまで長くかかっていた時間は短縮されました。


でも次に問題になったのは、会社で「臭い」と言われたことでした。

病院では「被害妄想では?」とも言われましたが、きっと私のこと。


「さっと出てくる」ことを意識しすぎたのか

きちんと洗えていない問題が起きたのです。

30代半ばになって「洗えていない」とは…。

本当に私が臭いならスメハラに該当します。


そしてまたしても先延ばしを。


いつの間にか「さっと出てくる」こともできなくなり、入浴できず。

「一日くらい大丈夫だろう」と入浴せずに出社する日もありました。


スメハラ疑惑が高まります。


「どうしたら毎日入浴できるんだろう」と問題解決法の本を買った私。

巻末資料には自分の困りごとを解決できるワークシートが付いてました。

 

早速、困りごとと対策、具体的な行動案を書き込んで「明日からやる」


つもりだった。


が、やれない…。


な、なぜに??


お風呂だからか


ということで、先日にカウンセリングがあったので、カウンセラーさんにも対策を聞いてみました。

「一人で問題解決法をやったが毎日入浴する目標がすぐに頓挫した。どうすればいいですか」と。


そしたら意外な言葉が返ってきました。

「お風呂なんか、入らなくてもいい!」


な、何と?


どうしたら毎日入浴できるようになるかを考える時間になるかと思いきや、

「毎日入らなくてもいい・頭なんか一日洗わないくらいで臭くならない」

「顔だけ洗って終わりにしちゃうとか・在宅勤務の日は入らないとか」

「もうそんなに若くないんだし、一日で脂ギトギトにはならないはず」


と、ビックリする答え。


結論は、「出社日の前日だけはきちんと入ることにする」になりました。

やはり「入浴は体力を使うので、脳性麻痺もあって大変」と仰っていた。

完璧主義を無くすためにも「程々でもいい」に行き着くのが大切だとか。


入浴って大変なんだな。


入らなくても大丈夫ですよという内容を言われてホッとした。

でも健常者なら、毎日当たり前にさっさと入浴を済ませるはず。

会社で「臭い」と言われて、周りに迷惑をかけたら大変だしね。


やっぱり発達障害者にとって入浴はラスボスなんだと実感しました。

発達障害者のお風呂嫌いな皆さんは、どんな対策をしていますか?