オーストラリア・クイーンズランド大の科学者らが8年がかりの研究で、作物を荒らす害獣を追い払う「新兵器」を発見した。なんと、それは「トラのふん」だという。
同大のピーター・マレー准教授の研究チームは、作物を荒らすヤギやカンガルーなどの草食害獣を殺さずに、特定の植物に近づけない方法を模索していた。
害獣を遠ざけるには、ひどい臭いを発する腐った卵や血液、骨などを使うのが一般的だ。しかし准教授らは、「草食動物は肉食獣が近くにいると思えば逃げるのではないか」と考え、トラのふんを使うことを思いついたという。
地元の動物園で集めたトラのふんをヤギ放牧場のエサおけのそばに置き、ビデオカメラで観察したところ、非常に効果が高いことが分かった。他の肉食獣のふんも調べたが、大型猫科動物のふんが最も効果的だったという。ヤギの死骸も効果が高かったが、こちらは研究者も気分が悪くなるほどの猛烈な悪臭だった。
研究チームによると、トラのふんの効果は、トラのえさとなる動物が対象だったときに最も高い抑止力を発揮した。
マレー准教授はAFPの取材に対し、トラのふんの臭いは「単に『近くに危険な動物がいるぞ!』というだけではなく、『近くにお前の仲間を食べちまった危険な動物がいるぞ!』という化学的なメッセージなのだ」と説明した。資金援助があれば、トラのふんの臭いを化学的に合成して製品化することも可能だと考えているという。
(本文:AFP)
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