近頃、ご主人様は胃の具合が気になる。
どうしたってバリウムなのだ。
ご主人様は名前を呼ばれて
胃透視検査室に入る。
さっそく、撮影機械の台に上がる。
胃を膨らませる果粒を口にふくみ
バリウムを飲む。
苦しいがゲップを我慢する。
それからバリウムを150ml一度にのみほす。
胃の中でどぼりどぼりと流れ込む音がする。
台が後ろに倒れて技師が
右に3回まわってください。
と指示する。
膝や肩があっちこっちぶつかり
ご主人様は身体がわたの様に疲れた。
台が元に戻ったところで技師は
つけてください。
と言う。
ご主人様はあわててカカトを台につけると
技師は
ちがいます。マスクです。
かくして来年は遂に胃カメラをのむと
決めることにした。
その後、ご主人様はやたらとオレの
身長を測る。
縮んだらしい。
くだらぬ事を気にしている様だ。
オレは迷惑だ。