おひるまえ裁判傍聴~新緑の通訳あり裁判編 | CAMEL-PRO

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前回来たときは花びら舞う桜でしたが、すっかり散り果て、青々とした葉が生い茂るようになりました。

 

 

名古屋の裁判所です。
今回はいつも通りのおひるまえで帰ることにしていました。
一日中ずっといても、それぞれの裁判の内容が分かりづらくなってしまうというのもあります。

 

今回は3つの裁判を傍聴しました。

まずは、10時から始まった裁判です。

名古屋地方裁判所 604法廷
令和4年(わ)176号 新件
出入国管理及び難民認定法違反


傍聴席には、9人ほどスーツを着た女性の皆さん。何の団体でしょう。

今回の被告は外国人です。中年の女性でしょうか。上下のジャージを着ています。

傍聴席から見て左に被告、右に検察。裁判官の前右に通訳の人が座ります。通訳の人は、法廷でのやり取りに結構慣れている方のようでした。
通訳の人も宣誓をするんですね。

被告はインドネシア人。名古屋に在住。逮捕されるまでは倉庫内の軽作業、パッキング作業に従事していました。

今回の起訴内容。
2016/12/30に在留期間を超えてしまい、不法滞在の状態になってしまった。
また、春日井の郵便局で偽造在留カードを行使した。

被告は起訴内容を全て認めました。
ここからは、通訳はインカムをつけた被告に対して行われます。

本国で事業に失敗。借金を背負って、日本へ。
まじめに働いていたが、観光ビザだったので期限が切れた後もそのまま日本に居座り続ける。偽造在留カードを作り、その場しのぎの生活を送っていた。
ある日、郵便局のATMが使えず、窓口の局員を呼んだところ、その偽造カードを怪しまれ、警察に通報し現行犯逮捕された。

勤務先の人は、「大変驚いている。勤務態度はまじめだった。」
郵便局の人は、「提示された在留カードのホログラムが怪しかった。入国管理局に問い合わせたら、登録内容が違うという。そのまま警察を呼ぶことになった。」と供述しています。

被告は、日本語がわかりません。しかし多額の借金の返済のため日本で働こうと思い立ちます。
難民ビザを取得したが、すぐに入管から帰国命令。しかし、それを無視したことになります。
日本で稼ぎ、300万ほどは、本国に送金できたようです。

偽造カードについては、SNSを通じて入手したようです。自分の手持ちの金で購入したが、名古屋に住んでいた時の同居人は関わっていないと話していました。

今後、強制退去になると思われますが、本国に帰った後は、実家で農業の手伝いをすることになると証言していました。

日本入国時の借金は1000万ほどあったようですが、今は270万ぐらいに減っているようです。
その元金については、農業で何とかできる、少しずつでも返せるようですね。ただ、本国の取り立ては怖いようです。
また、日本に来る金もない、怖いからと証言し、日本への再入国もしないということでした。

検察側は、3年10か月を求刑。
弁護側は、前科前歴がなく、反省していることから情状の余地ありと判断できると述べました。

審理はこれで終了。
被告からは「軽い罰をお願いします。」と自らの声で述べました。

さて、次回判決の日を決めるのに少々手間取りましたね。
5/18の13:15はどうか。いや5/20の14:30は?
弁護士が無理、午前なら。通訳の人が先約があるため無理かも、9:50なら。
では日付を早くして5/11の14:10は?
弁護士はOK、しかし通訳さんが他の審理があるのでもう少し後を希望します。
といううことで、5/11の15:45で決定。
なかなかスケジュールがかみ合わず、そのやり取りが結構面白かったです。