バランスシートの6タイプは以下の通りでしたね。
1.債務超過
2.自転車操業
3.安定経営
4.成長経営
5.お金持経営
6.金慢経営
それぞれのタイプを経営分析を使ってみてみましょう。経営分析を学んだことのある人もいるでしょうし、今学んでいる人、これから学ぼうとする人にも、基礎的なことが分かりますよ。
今日は、債務超過、自転車操業を説明しましょう。
この二つのタイプの会社は優良企業とは見做されない、問題の多い企業と考えられるからです。
債務超過
債務超過の会社は、 資産合計<負債合計 です。
これは 資産合計-負債合計<0 純資産<0 ということで、経営分析では、「自己資本(純資産)比率」がマイナス、ということになります。
経営分析で最初に見るのが、この「自己資本(純資産)比率」です。
自己資本(純資産)比率=純資産÷資産合計(負債合計+純資産)
これがマイナスであるということは、今は何とか(少ないながらも)お金があっても近い将来にはお金がなくなるということを意味しますので、つまり近いうちに倒産するということですね。
取引先が債務超過の会社だったら、その取引はやめた方がいいという判断になります。銀行などからも「破綻先」と見做されています。
自転車操業
自転車操業は、純資産>0 であるのですぐに倒産ということはないのかもしれませんが、流動資産<流動負債 という状況です。
経営分析では 流動資産÷流動負債 を「流動比率」といいます。自己資本比率の次に見るのがこの流動比率です。
流動比率=流動資産÷流動負債 です。
自転車操業の会社では、この流動比率が100%を切ります。
売掛金の回収などの短期に入って来るお金で、買掛金や借入金などの短期の支払いをしなければならない状況です。
分かりやすく言いますと、月末の31日の午前中に入ってきたお金を、すぐに同じ月末の31日の日の午後には支払いに回さなくていけないということです。
資金繰りが超忙しい会社です。たいてい社長さんは金策に走り回っています。
目の前の資金繰りに精一杯で、将来を見越した投資とか、会社の管理体制の整備なんてことは出来ない、こんな会社です。
気を抜けば債務超過に陥る可能性の高い会社です。
こういう会社と取引すときは慎重にお願いします。いつ売掛金が回収出来なくなるか分かりません。銀行からは「破綻懸念先」とか「要注意先」と見做されます。
自転車操業の会社にはもう少し説明をしなければならないことがありますので、次回は自転車操業の中でのふたつのサブタイプを説明します。