Dear.白神さん
春の風が心地よくなびく。
通いなれた校舎内を吹くその風が運ぶのは、期待に満ち溢れた新入生の心を表したものか、それとも新生活への不安か。
「んーーー!良い天気!」
この学校に通う今年度高校3年生の白神が大きく背伸びをする。
「……あまり背伸びするな。ただでさえ短いスカートがもっと短くなる。」
全くこいつは…と言わんばかりに返すのは、白神の彼であるローだ。高校1年の頃からずっと同じクラスで、気付けば付き合っていた、という結構ありがちだったりするやつが、互いを想う気持ちはどんな恋人にも負けていないと両者思っている。
「ねぇロー。私達今年から3年なんだね。でも私、何か今日のクラス替え嫌だな…」
さっきまで春の風に心地よく浸っていた白神が突然不安気に言った。
「だって私、ローと離れたくないよ、いつだって一緒に居たいのに」
「白神…。」
何だかそんな事を呟く白神が急に愛おしくなり、ローはそっと白神に歩みより、軽くキスをした。
「俺だってお前とは離れたくねェよ。」
「うん。」
ーーーーーーーーーーーーーー
クラス替え発表所にて。
「……、やっぱり…」
白神が落胆して呟いた。そう、見事に今年度、白神とローは別のクラスになってしまったのだ。高校最後の1年、受験やその他もしかり、一番大切にしたい年だったのに。
そんなことを思いながら、ふと白神がローを見ると、ローはただ黙っていた。
ーーーーーーーーーーーーーーー
クラス替えから3日、登下校はローと一緒なものの、クラスは別々。
学校までの道のりが長くならないかな、なんて事を考える白神であった。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
5月
この頃から、白神とローの仲に溝が出来始まってしまう。原因として上げられるのは、クラスが違う事で1日のなかでなかなか一緒の時間が取れない、いわゆるすれ違いと、それを逆手に取ったローのクラスの女子による、ローへのアプローチが発生したからだ。
白神はなんとかこの事態から抜け出したいと必死だった。
けれどメールを送ってもローから返ってくるのは素っ気ない返事のみ。
そんな日々が続いた。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
7月
未だローとの関係に悩む白神は、気分転換に学校の屋上へ足を運んだ。
重い扉を開けば、青空が広がっているーー筈だった。それなのに。
「…………っ!」
急いで踵を返す。今自分がどのくらいのスピードで校内を走っているか分からない。
ぶつかった人の顔も分からない。
分からない、分からない…分かんないよ!ロー!
ねぇロー、私に言ってくれたよね?
「どんな事が有ろうと俺はお前しか愛さない」
「お前は俺が守る」
なのに…、どうして?どうしてローの隣に私じゃない女の子が居るの…?
白神が屋上でみたのは、ローと、ローの肩にもたれる一人の女生徒だったのだ。
「私、遊ばれてたの…?なんで…こうなっちゃったんだろ……」
体育館裏にて白神は一人涙した。最愛の人の裏切りって、こんなに辛くて痛いんだね…。。。
そのあともずっと泣き、気付くと白神は泣き疲れからか、その場で眠ってしまった。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
「ん…」
眠りから覚め、まどろんだ目をこすると、体になにか掛けられていた。
良く見るとそれは男子生徒専用のブレザーだった。
「やっとお目覚めか、お姫様」
少し笑いながら、最愛のひと、ローが言う。
「え?……ローなの?」
「白神…、今まで悪かった。なかなか本当の事が言えなくてよ…。」
それからローは包み隠さず、今まであった事情を全て話してくれた。
とある女子生徒から脅しを含んだ告白を受けたこと。もし付き合わなければ白神を傷付けると宣告されていたこと、すべて。
「だからメールも…?」
「あぁ、そうだ。全部監視されていた。本当に寂しい思いさせてごめんな。でも、どうしてもお前の事を守りたかったんだ。」
「ロー!!!!」
「こら、いきなり抱きつくな!」
「だって、だって…!私、ローが私の知らない所に行っちゃうんじゃないかって凄く…うわあぁあん!」
ローはそんな白神の頭を撫で、少し引き離した。そして今度はきちんとした、キスをした。
「でも、その女の子は…?」
「あぁ、あいつか。何か他のクラスに転校してきた、1年のキャベツって奴の虜になってる。だからもう安心しろ、俺は何処へも行かない。」
「うん!」
ありがと、ロー。
貴方と出会えて本当に良かった。
涙が出る、辛いときもあるけれど
それでも貴方が隣に居てくれたなら
私はそれだけで嬉しいよ。
end.
Writing by Ei.
*白神様へ*
切なく、でも甘い……そんなリクエストをありがとうございました!
なるべく早くお届けしたい、その一心で書き上げたので至らない点が多いものになってしまいましたが、少しでも喜んで頂けたら幸いです!
では、ご感想など御意見ありましたら、Twitterにてお待ちしております(^ω^)♡(サイトでのコメントは基本受け付けて居ないもので、すみません!!)
春の風が心地よくなびく。
通いなれた校舎内を吹くその風が運ぶのは、期待に満ち溢れた新入生の心を表したものか、それとも新生活への不安か。
「んーーー!良い天気!」
この学校に通う今年度高校3年生の白神が大きく背伸びをする。
「……あまり背伸びするな。ただでさえ短いスカートがもっと短くなる。」
全くこいつは…と言わんばかりに返すのは、白神の彼であるローだ。高校1年の頃からずっと同じクラスで、気付けば付き合っていた、という結構ありがちだったりするやつが、互いを想う気持ちはどんな恋人にも負けていないと両者思っている。
「ねぇロー。私達今年から3年なんだね。でも私、何か今日のクラス替え嫌だな…」
さっきまで春の風に心地よく浸っていた白神が突然不安気に言った。
「だって私、ローと離れたくないよ、いつだって一緒に居たいのに」
「白神…。」
何だかそんな事を呟く白神が急に愛おしくなり、ローはそっと白神に歩みより、軽くキスをした。
「俺だってお前とは離れたくねェよ。」
「うん。」
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クラス替え発表所にて。
「……、やっぱり…」
白神が落胆して呟いた。そう、見事に今年度、白神とローは別のクラスになってしまったのだ。高校最後の1年、受験やその他もしかり、一番大切にしたい年だったのに。
そんなことを思いながら、ふと白神がローを見ると、ローはただ黙っていた。
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クラス替えから3日、登下校はローと一緒なものの、クラスは別々。
学校までの道のりが長くならないかな、なんて事を考える白神であった。
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5月
この頃から、白神とローの仲に溝が出来始まってしまう。原因として上げられるのは、クラスが違う事で1日のなかでなかなか一緒の時間が取れない、いわゆるすれ違いと、それを逆手に取ったローのクラスの女子による、ローへのアプローチが発生したからだ。
白神はなんとかこの事態から抜け出したいと必死だった。
けれどメールを送ってもローから返ってくるのは素っ気ない返事のみ。
そんな日々が続いた。
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7月
未だローとの関係に悩む白神は、気分転換に学校の屋上へ足を運んだ。
重い扉を開けば、青空が広がっているーー筈だった。それなのに。
「…………っ!」
急いで踵を返す。今自分がどのくらいのスピードで校内を走っているか分からない。
ぶつかった人の顔も分からない。
分からない、分からない…分かんないよ!ロー!
ねぇロー、私に言ってくれたよね?
「どんな事が有ろうと俺はお前しか愛さない」
「お前は俺が守る」
なのに…、どうして?どうしてローの隣に私じゃない女の子が居るの…?
白神が屋上でみたのは、ローと、ローの肩にもたれる一人の女生徒だったのだ。
「私、遊ばれてたの…?なんで…こうなっちゃったんだろ……」
体育館裏にて白神は一人涙した。最愛の人の裏切りって、こんなに辛くて痛いんだね…。。。
そのあともずっと泣き、気付くと白神は泣き疲れからか、その場で眠ってしまった。
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「ん…」
眠りから覚め、まどろんだ目をこすると、体になにか掛けられていた。
良く見るとそれは男子生徒専用のブレザーだった。
「やっとお目覚めか、お姫様」
少し笑いながら、最愛のひと、ローが言う。
「え?……ローなの?」
「白神…、今まで悪かった。なかなか本当の事が言えなくてよ…。」
それからローは包み隠さず、今まであった事情を全て話してくれた。
とある女子生徒から脅しを含んだ告白を受けたこと。もし付き合わなければ白神を傷付けると宣告されていたこと、すべて。
「だからメールも…?」
「あぁ、そうだ。全部監視されていた。本当に寂しい思いさせてごめんな。でも、どうしてもお前の事を守りたかったんだ。」
「ロー!!!!」
「こら、いきなり抱きつくな!」
「だって、だって…!私、ローが私の知らない所に行っちゃうんじゃないかって凄く…うわあぁあん!」
ローはそんな白神の頭を撫で、少し引き離した。そして今度はきちんとした、キスをした。
「でも、その女の子は…?」
「あぁ、あいつか。何か他のクラスに転校してきた、1年のキャベツって奴の虜になってる。だからもう安心しろ、俺は何処へも行かない。」
「うん!」
ありがと、ロー。
貴方と出会えて本当に良かった。
涙が出る、辛いときもあるけれど
それでも貴方が隣に居てくれたなら
私はそれだけで嬉しいよ。
end.
Writing by Ei.
*白神様へ*
切なく、でも甘い……そんなリクエストをありがとうございました!
なるべく早くお届けしたい、その一心で書き上げたので至らない点が多いものになってしまいましたが、少しでも喜んで頂けたら幸いです!
では、ご感想など御意見ありましたら、Twitterにてお待ちしております(^ω^)♡(サイトでのコメントは基本受け付けて居ないもので、すみません!!)

