セブン&アイHのオムニチャネルの本質!!?? | 東京リーシングと土地活用戦記

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June 30, 2014

セブン&アイHのオムニチャネルの本質、日経ビジネス!

イオンもアマゾンも全く気にしていない
   鈴木敏文会長に聞くセブン&アイの針路
・2014年6月20日(金):山崎 良兵
・日経ビジネス ONLINE:
・http://business.nikkeibp.co.jp/article/interview/20140619/267130/?P=1

抜粋:鈴木敏文氏の発言要旨

・私は、10年以上前から、ネットとリアルの融合ということを、社内で言い続けてきました。まだ、どこでもそんなことが言われてなかった時から、必ず、そういう時代が来ると、感じていたからです。
その中で、私が具体的に、グループに指示したのは、PB(プライベートブランド)の「セブンプレミアム」を開発すること。
・業態に関係なく、同じ価格で全部売れといっても無理だと、三社三様に、反対していました。そこで私は、一喝して、どこでも売れる商品を作れと言いました。それは、質の高いPBを作るということです。
たまたま米百貨店大手のメーシーズなどが取り組んでいたこともあり、オムニチャネルという言葉が耳に入ってきた。
・米国企業の関係者から「グループで、1万7000店以上の様々な業態の違う店舗を持っているのはすごい。オムニをやる価値はある。世界一になれる」というようなことを言われたようです。
セブンイレブンが、業態を超えた商品を扱う基地になることは、絶対的な強みである、・・
・今の段階は、まだやっと色づけができたレベルに過ぎません。それを本当の色が出るまでグループ内に染み込ませる教育をし続けていかなければならない。だから今やって今年完成するとは考えてはいません。
案外早く進むと思っています。2~3年くらいかな。要するに人間というのはどこでどういうものが成功したという実体験をしていくと、納得性が高まり、行動に移せるものです。ですから、頭で考えさせているうちはダメでしょう。
競争相手なんか考えていない。私がコンビニを始めた時も、どこと競争しようと、考えたことはありませんでした。そして当時からこう言っています。「絶対に人のマネをしてはいけない」「全部自分たちで考えろ」と。今もそれを言い続けている。
専門家は「高齢化、人口減少で消費が減る」と言っています。マクロで見るとそうかもしれませんが、ミクロで考えたら、こんなチャンスはありません。
・まず、オムニの実施
です。それが軌道に乗ったら、次のものが出てくる。あれもこれもということをやったら、アブハチ取らずということになってしまいます。

PI研のコメント:
・日経ビジネス ONLINE、6/20で「イオンもアマゾンも全く気にしていない、鈴木敏文会長に聞くセブン&アイの針路」と題したインタビュー記事が特集されました。興味深い内容であり、鈴木敏文氏のみの発言要旨をまとめてみました。オムニチャネルは鈴木氏が10年以上前から温めていたセブン&アイHのグループ戦略構想であったとのことで、時流にのった訳ではないとのことです。ただ、逆に、セブン&アイHが本腰を入れて取り組むことで、時流になるのではと思います。当時、オムニチャネルという言葉はなく、ネットとリアルの融合といっていたとのことで、オムニチャネルはごく最近取り入れた言葉だそうです。また、あの金の食パンは、このオムニチャネルの成功事例のひとつであるとのことで、びっくりです。セブンプレミアムそのものがオムニチャネル時代のどのチャネルでも売れる商品であり、そのためには価格を下げることではなく、むしろ上げる、百貨店でも売れる、ここがポイントであったとのことです。PBとオムニチャネル、特に、セブンプレミアムは、百貨店チャネルでも売れる商品に合わせたとのことで、だからプレミアム、だから金と納得できます。これまでのPBを前提としたアンチテーゼではなく、オムニチャネルから発想したPBということであり、鈴木氏に聞かなければわからない秘話といえます。この一連のインタビューからもわかるように、オムニチャネルは、「絶対に人のマネをしてはいけない」「全部自分たちで考えろ」がキーワードであり、しかも、セブン&アイHにしかない物流拠点、セブンイレブンをもっており、「グループで、1万7000店以上の様々な業態の違う店舗を持っているのはすごい。オムニをやる価値はある。世界一になれる」とオムニチャネルの本場、アメリカでも評価されたのは必然ともいえます。セブン&アイHの今後のオムニチャネルの取り組みに、ますます注目です。

食品スーパーマーケット最新情報



セブン&アイ、ネットと店舗の融合加速

 「他社が扱う同じ商品を安く売っても、お客は安さにすぐ慣れる。競合店にない新しいモノとサービスを提供する企業だけが生き残る」――。消費増税の対応で、セブン&アイ・ホールディングスの鈴木敏文会長は「価格より価値」と主張している。



イトーヨーカ堂のネットスーパー商品をセブンイレブンで受け取れる
 消費税率が5%に上がった1997年を振り返り、各社が安易な価格競争を繰り広げた結果、長いデフレに突入したとみる。「モノが足りている時代だからこそ、『新しさ』という価値にお客は反応する」が持論だ。

 セブン&アイが今年度から始動させる新たなサービスが、実店舗とネットを融合させた「オムニチャネル」だ。グループのスーパーや百貨店などで扱う商品を、店でもネットでも、いつでも買えるようにする構想だ。

 具体的には神奈川県内のイトーヨーカ堂の1店舗を対象に、ネットスーパーで注文した商品を周辺80店のセブンイレブンで受け取れる実証実験を7月に始める。ネットスーパーで扱う約3万品目の大半が対象だ。深夜でも野菜などを受け取れる。順次全国に広げる。

 全国では5月にもベビー用品の赤ちゃん本舗、雑貨店のロフトの一部商品を全1万6千店のセブンイレブンで受け取れるようにする。来春までにニッセンホールディングスやバーニーズジャパンの商品にも広げる。

 品ぞろえでは昨年ヒットしたプライベートブランド(PB)の「金の食パン」を改良、15日に投入する。昨年4月に発売した同商品の改良は今回で2度目。「売れる商品ほどすぐ飽きられる」(鈴木会長)と考え、今回の改良品と初めて投入した時と同じ商品を併売。消費者を飽きさせない工夫をする。

 増税の影響に関して、鈴木会長は「心理的な問題」とし、「8%に慣れた時に消費者が増税をどう受け止めたかが分かる」とみている。




業務改革のススメ ~ 顧客志向の会社が強くなる ~
第ニ回:これからは「個客」中心のマーケティング、オムニチャネル戦略
公開期間:3月5日~カスタマーサクセス

オムニチャネルを定義する
「オムニチャネル」という言葉。ふむふむ、聞いたことがある、という方も多いのではないでしょうか?日本語のWikiには載っていませんが、英語のWikiには「Omni-Channel Retailing」という項目で解説されています。要するに、日本では認知度は低いが、アメリカでは始まっている、という状態です。しかしながら、日本においても、セブン&アイホールディングスなど先進的な企業は、すでにオムニチャネルを実施すると発表しています。
私は、この始まったばかりに見えるオムニチャネル戦略が、ここ数年でマーケティング戦略の中心になっていくと考えています。なぜなら、顧客はすでに変わってしまって、この変化に企業側が対応を迫られているからです。
ということで、今回は、オムニチャネル時代に、勝者となるために、まず、正しいオムニチャネルの定義を理解することから、始めてみたいと思います。
前述の英語のWikiには、こう書いてあります。「オムニチャネル小売り」とは、マルチチャネルの小売の進化系であるが、顧客体験が、すべての可能な購買チャネル、つまり、モバイルインターネットデバイス、コンピューター、ブリックアンドモルタル(懐かしいですね)、テレビ、ラジオ、ダイレクトメール、カタログなど、でシームレスに繋がることをより強調したアプローチである。小売りは、特別なサプライチェーンソフトウェアを使って新しい顧客の需要に応えていかなくてはならない。
私は、これを見て思いました。「いや、まだ、弱い」。ここでは、オムニチャネルは、顧客が購買できるあらゆるチャネルから購買ができるように流通経路をつなげましょうと言っています。そして、文末には、特別なサプライチェーンが必要であると述べています。しかし、これらは、すべて供給側の論理なのです。オムニチャネルとは、まったくその反対、顧客の論理に従って、最高の顧客体験を与えるような、いつでも、どこでも、顧客が好きなときに、注文ができて、好きなときに好きなところで好きなものを受け取ることができる、絶対「個客」主義が必要なのです。だからこそ、サプライチェーンではなく、今のところ、こんな言葉はないのですが、むしろ、デマンドチェーンと呼べるような需要側の連鎖が必要なのです。ですから、オムニチャネルはチャネル戦略にあらず、オムニチャネルは顧客戦略なのです。
なぜ、今、オムニチャネルか?
さて、インターネットの登場により、マルチチャネルの時代になったと言われて久しいのですが、ネットとリアルの融合は思ったより進んでいませんでした。むしろ、売上をネットにとられてしまうと言って、ネットを敵とみなすようなリアル店舗が多く存在しています。にも関わらず、なぜ今、オムニチャネルが必要とされるのかは、いくつかの理由があります。
要因の一つは、ECの売上はもう無視できないほどに大きくなってしまったことです。少子化や景気の低迷などから、今後、日本の内需は縮小していくと言われています。たとえ景気が上向いてきたとしても、これが大きく成長することは期待できません。ゼロサムゲームである限り、ECが普及すれば、リアル店舗同士で売上げを競うことは意味がありません。それよりも、O2O(オンラインTOオフライン、オフラインTOオンライン)のように自社内で、お客様が最もオーダーしやすい場所でオーダーし、最も買いやすい場所に誘導してあげるというように、全体サービスのレベルを上げることで、他社に対して、競争優位性を持ったほうがよさそうです。
もう一つの理由は、スマートフォンやソーシャルメディア(フェイスブックやツイッターなど)の普及によって、消費行動が大きく変わってきたことがあげられます。いつでもどこからでも、たとえお店の中にいても、ほしい時にすぐスマホで購入する人たちがいます。また広告や店舗で商品を検討するのではなく、他人のクチコミを参考にし、自分でも情報を発信することが当たり前になってきました。
消費行動の変化といえば、「ショールーミング」と呼ばれる顧客行動が、リアル店舗を悩ませています。来店したお客様が、実店舗で商品を見て、販売員に説明を聞き、商品知識を得た後で、ネットで注文するというものです。これら新しい消費行動では、顧客がひとつの顧客接点で消費行動を完結させず、顧客接点をその利点によって使い分けていることがわかります。マルチチャネルの時代は、ネットで購買されやすい商品、実店舗向きの商品、スマホ世代向きの商品など、商品別にデバイスを使い分けたり、それに世代を掛け合わせるなどで対応、オムニチャネルの時代は、顧客の購買行動を完結させるために、顧客接点を繋ぎ、チャネルを連携させていく必要があるのです(図1)。
図1:

「個」客の消費行動を連想してみる
さて、オムニチャネル戦略を立てるためには、まず、顧客の消費行動パターンを想起してみる必要があります。ここで、あえて「顧客」でなく、「個客」としたのは、この行動パターンが実に多様化しているからです。
想定する顧客が、どんなプロフィールを持っているのか、どんな家族構成なのか、それぞれの特定の顧客が平日はどんな行動をするのか、週末はどんな行動をするのかを考えてみましょう。それぞれの場所、それぞれのタイミングでどのような情報を取得しようとするのか。どんなリコメンドがどのタイミングであると反応してくれるのか。これまで貯めたデータを基に架空のユーザーを設定し、ユーザーのPCやスマートフォン、ネットや実店舗との接点を想定しながら考えていきます。あまり難しく考える必要はないのですが、大切なポイントは、顧客接点の役割を現状の役割のままで規定せず、顧客の利点を基に設計することです。
Aさんは、キャリア志向の30代女性です。朝起きてテレビのショッピングチャンネルで紹介された健康食品を買おうとしますが、電話している時間はなく、通勤途上で、スマホで注文します。帰宅はいつも遅いため、自宅へ配送されるといつも不在になってしまう。帰り道にあるコンビニで受け取りのほうが便利なので、そう指定しておきます。
Bさんは、ネット利用が盛んな20代女性です。普段は、ネット通販を使うことが多いものの、今日の買い物はいささか値がはるセレクトショップのジャケットです。ネットでは、購買できず、商品の取り置きをリクエストして、試着を予約します。その間に、ジャケットのカタログをソーシャルメディアを通じて友人と共有、友人からも「いいね」が届きました。週末に、お店に足を運び試着し、店員さんとよく相談の上、購買を決定しました。
Cさんは、70代男性。食料品は近所のスーパーマーケットで調達しますが、重い荷物を運びたくなく、同日配送をお願いしています。今日は、時間もあったので、ジムで使うトレーニングウェアを買おうとしましたが、あいにくサイズが合いません。相談にのってくれた店員さんは、他店の在庫を端末で確認、食料品と同じ時間帯に配送をしてくれることを約束しました。
パターンは、「個」によって様々です。このようなペルソナも100通りも設計できるかもしれません。繰り返しになりますが、重要なことは、顧客接点の役割を従来どおりの枠からユーザー目線でもう一段広げてあげることです。購買する場所であった接点は配送する場所になるかもしれません。配送場所が受注場所になるかもしれず、相談する場所は、購買する場所になるかもしれません。
実店舗の逆襲
前述のように、オムニチャネル時代の企業は、ユーザー1人ひとりの行動を分析し、どこで顧客と接点を持てるのかを考え、戦略を練りなおす必要があります。顧客行動の変化に対応するだけでなく、顧客行動は企業が作り出すこともできるのです。
例えば、コンビニエンスストアを傘下に持つ小売りがあれば、これを購買する場所だけでなく、受取りの場所にできれば、顧客にとってのメリットはあがります。普段、ネット通販で買い物をしている顧客も週末はまとめ買いでスーパーに行くことがあります。ソーシャルメディアで友人がいいと言った商品を実店舗でチェックしたくなります。配送業者が配送ついでに新しいオーダーを聞いてくるという試みが盛んになっています。一人暮らし世帯、特に、年配の一人暮らしの方が、配送してもらったその場でオーダーを取ってくれれば便利ですね。
マルチチャネルの時代には、ネットがリアルを脅かすという概念が頭を煩わせたものですが、このように、顧客接点の役割を拡大して考えてみると、よりたくさんの顧客接点を持つ企業が強くなることがわかります。つまり、リアル店舗を持っていることが強みになる時代がやってくるのです。冒頭に、デマンドチェーンという言葉を使いましたが、顧客行動のすべてが購買に影響を与えるのですから、このデマンドのバリューチェーンを網羅できる企業、つまり、1社がネット店舗、実店舗、配送の全部を持つような企業は、その存在価値を増していくでしょう。また、店舗を持つ企業と配送業者などとの協業など、産業間の連携も深まるでしょう。ネットと店舗を分断していたのは企業の勝手な都合だった、顧客はその連携を望んでいた。ここにオムニチャネルに取り組む最大の意義があるのです。
オムニチャネル化のためのIT投資
さて、最後にオムニチャネルを実現するための投資のポイントと組織や評価制度の変更点を挙げておきます。
実店舗とECの顧客情報の一元化
実店舗とECの在庫情報の一元化
実店舗の販売員にモバイル端末を配布(在庫情報、競合分析、商品レビューの閲覧)
店舗やネットに関わらず他店舗からの配送の実施など流通システムの刷新
配送担当者にモバイル端末を配布(配送情報、在庫情報、注文機能)
販売チャネルと倉庫の最適化
店舗スタッフの教育
組織横断型のマーケティング部門の設置
実店舗やECという店舗ごとの評価制度から全社評価への転換
オムニチャネル時代は、店舗ごとの売上を競う時代の終焉を意味しています。全社の売上は、店舗の数x店舗の平均売上ではなく、顧客の数x顧客の平均売上にかわっていきます。一顧客にどれだけ買ってもらえるかが、Life Time Value=顧客の生涯価値を最大化するという発想をもとに




オムニチャネルって・・なに??