消費税増税「先送り」で安倍政権に起こること?? | 東京リーシングと土地活用戦記

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消費税増税「先送り」で安倍政権に起こること

政府税制調査会総会であいさつする安倍晋三首相(右から2人目)。同3人目は会長に選任された中里実東京大学教授=2013年6月24日、東京・首相官邸【時事通信社】

 消費税増税をめぐって、政府が有識者から意見を聴取する「集中点検会合」が6日間の日程を終えて、8月31日に終了した。延べ60人の参加者が意見を述べたが、2014年4月から消費税率を8%に予定通り引き上げるべきだという意見が大勢だった。

 安倍晋三首相周辺には、増税積極派と慎重派が存在する。積極派の筆頭格である麻生太郎副総理兼財務相は8月に入ってから1週間に2回以上ものペースで、増税を早期に決断するよう安倍首相に促している。

 だが、安倍首相のブレーンとされる浜田宏一エール大学名誉教授や本田悦朗静岡県立大学教授はしきりに引き上げ時期の延期や引き上げ幅を1%ずつなど小刻みにすることを安倍首相に進言している。このため安倍首相はまだ迷っているようだ。

過半数は握っているが……

 8月下旬、安倍首相は都内のアークヒルズクラブでマスコミ関係者と会食した。デフレ脱却の足取りがまだしっかりしていないことや現在の日本の景気の先行きなどに不安材料があるためか、予定通りの増税に迷いを隠せない安倍首相に対して、出席者の1人が疑問を投げかけた。

 「消費税を上げないなら、通さなくてはならない法律が何十本もありますよ。大変ですよ」

 昨年8月に「社会保障と税の一体改革に関連する法律」の成立に伴って改正された消費税法には、来年4月に消費税率を8%、さらに、2015年10月に税率を10%に上げると明記してある。一部の慎重論者の主張に従って税率の引き上げを先送りしたり、上げ幅を小刻みに変更したりする場合には、法律の再改正が必要になる。

 来年4月に間に合わせるためには、遅くとも来年1月召集の通常国会の前半で法律を再改正する必要がある。しかし、通常国会は何が起きるか分からないし、来年度予算案の審議などで日程的に窮屈である。

 そう考えていくと、常識的には今秋の臨時国会で再改正法案を処理しなければならない。しかも通すべき関連法案は数多い。安倍内閣にはそんな余裕があるのか。出席者はその点を指摘したのである。

 これに対して、安倍首相は自信たっぷりに次のように答えたという。

 「与党は衆参両院で多数を持っています
のでね」

 自公両党は昨年12月の衆院選圧勝によって衆院では総定数480のうち、過半数どころか3分の2(320議席)を上回る325議席を占めている。参院でも、7月の参院選大勝で総定数(242)の半数を大きく上回る134議席を保持している。

 当たり前のことではあるが国会の意思決定方法は多数決であり、野党に対して議席数で大差をつけていることは大きい。これが安倍首相の自信の根拠だろう。また、通さなくてはならない法案が多いとはいえ、国会の通常の手法だと、関連する法案は一括して処理されるので、何十回も採決を繰り返すということにはならない。だから、この点も心配ない。

成長戦略に手が回るか

記者会見する菅義偉官房長官=2013年9月5日午前、東京・首相官邸【時事通信社】

 同様に菅義偉官房長官も楽観している。8月上旬のある夜、記者団が菅氏に尋ねた。

 「税率や引き上げ時期を変更するとなると法案を修正しなければならない。臨時国会は成長戦略国会にならないのではないか

 菅氏はすぐに反論した。

 「そんなことはない。たとえ変更したって、成長戦略のための修正
なのだから」

 しかし、報道関係者らが指摘しているのは、そういうことではない。率直に言って、安倍首相と菅官房長官の政治判断は甘い。ここでは消費税率引き上げの是非についての経済的な側面における議論は横に置くが、政治的な側面に限って言えば、今から法律を再改正するのはきわめて危険である。

 与党は衆院で3分の2以上、参院で過半数の議席を占めているので、理屈上はどんな法律でも必ず成立させられる。国会における多数決原理は絶対である。だが、より大きな意味での政治論的には、国会の数の論理は絶対ではない。世論は国会とは異なる判断をする場合があるからだ。

 仮に消費税法を再改正する国会審議が難航したとしよう。与党は野党の慎重論を押し切って、法案を採決して成立させられる。だが、多数派による極端に強引な手法は、国民的には評判が良くない。

 「税金が上がるのが遅れるのだからそんなことはないだろう」と自民党議員は言うが、そうでもない。過去には恒久減税をめぐって失脚した首相もいた。世論は、税金を上げるか下げるかにかかわらず、国会の混乱とか与党の独断、あるいは1度決めた政策のぶれというようなものがとても嫌いなのである。

ボディブロー

衆院本会議を終え、笑顔で退室する安倍晋三首相と麻生太郎副総理兼財務相=2013年8月2日午後、国会内【時事通信社】

 しかも、3年後には衆参同日選挙があるとも言われる。税率引き上げ時期をずらせば、選挙直前に増税を実施しなければならない。これは、あるべき税制だとか社会保障の財源という論点を抜きにして言えば大失敗である。むしろ早いうちに増税して選挙までの間にほとぼりが冷めるのを待つというのが政治的には正解。政治戦術としては、時期をずらすぐらいなら税率をまったく上げない方がずっとましである。

 また、国会が混乱すれば、他の重大問題にも影響が及ぶ。秋以降に、成長戦略、集団的自衛権の行使容認、選挙制度改革、社会保障制度改革、日本版NSC(国家安全保障会議)設置、秘密保全法案のほか、中長期的には憲法改正問題など、数え切れない課題がある。消費税法再改正の論議でもみくちゃになって、他の課題にかまっていられないという事態は避けなければならない。

 しかも、これらの中には、憲法改正や集団的自衛権問題など、世論の強い支持が必要なものもある。消費税問題で世論が安倍内閣から離れていけば、こうした課題処理も頓挫しかねない。

 たとえこの臨時国会を思惑通りに乗り切ったとしても、世論の反発はボディブローのようにじわじわと効いてくる。1年後あるいは数年後に、「あの国会で余計なことをしなければよかった」と後悔することになるかもしれないのだ。

 もちろん、予定通り消費税率を引き上げる場合でも、安倍内閣への世論の批判はあるだろう。税金は安ければ安いほどいいと考える国民は多い。実際、各種世論調査でも増税慎重論が多い。だが、来年4月に消費税を増税しても景気が失速しなければ、そうした批判も下火になるだろう。逆に増税で景気が長期間冷え込む(短期の冷え込みは想定内)ようなら、そもそも安倍内閣の経済政策「アベノミクス」はそれほど成功しなかったということを意味する。その場合は、消費税を上げるとか上げないとか以前の問題である。

 安倍首相側近は8月下旬の記者団との懇談で、「消費税率引き上げについてはぶれない方がいいと思う。ぶれたら一国会が吹っ飛ぶ」と懸念を表明した。秋の臨時国会が無駄になるという認識はその通りだが、安倍首相の判断がぶれたら、問題はそれ以上に拡大するだろう。過去をさかのぼれば、消費税をめぐっては一国会どころではなく、内閣そのものがそれこそ吹っ飛んでいる。

集団的自衛権と公明党

政府・与党連絡会議であいさつする公明党の山口那津男代表(左)=2013年9月2日午後、東京・首相官邸【時事通信社】
 消費税だけではない。集団的自衛権や選挙制度改正、憲法改正など、安倍首相が掲げる主張の中には、一内閣どころかいくつもの内閣が退陣に追い込まれてもおかしくないほどきわどい課題が多い。

 これらのうち集団的自衛権の行使容認問題には、すでに暗雲が垂れ込め始めた。公明党が反対しているからだ。

 最近、公明党幹部はあらゆる機会を通じて、集団的自衛権の行使を容認すべきではないと繰り返している。それでも安倍首相の決意は固いが、ついに漆原良夫・公明党国対委員長は8月中旬、親しいマスコミ関係者との会合で、連立政権からの離脱に言及した。

 「集団的自衛権は、唯一連立離脱に値するテーマだ。首相が退かなければ、こっちが出るしかない」

 もちろん、できることなら連立政権から離脱したくないというのが公明党の本音だろう。公明党にとって最善のシナリオは、安倍首相が集団的自衛権の行使容認をあきらめてくれることである。このため、漆原氏の発言も、それとなく安倍首相サイドに伝わることを期待して、あえてマスコミ関係者に話しているふしがある。要するに、安倍首相を脅しているのだ。

 これに対して、安倍首相側近は8月25日、記者団に次のように語った。

 「公明党は結局、最後はついてくるだろう。ただ、集団的自衛権はそんなに焦って処理しなくてもいい

 首相周辺は、公明党は連立離脱しないだろうと楽観視している。この発言もまた、公明党側に伝わることを想定して、牽制球を投げているのだろう。しかも、この発言が巧妙なのは、「焦って処理しなくてもいい」と付け加えている点だ。「離脱しないだろう」と軽くみられた公明党が腹を立てて短絡的な行動を起こさないように逃げ道を作ってやっている。つまり、公明党にとっては自民党側の態度は気に入らないものの、集団的自衛権問題の先送りによって、すぐに連立を離脱しなくてもいいという口実になる。

 公明党はもともとリベラル色の強い政党であり、路線的には自民党よりも民主党に近いとまで言われてきた。このため、憲法改正や集団的自衛権などで保守色の強い安倍首相が就任して以来、自公両党の溝は広がっている。

 だが、現在の連立与党の枠組みを維持することは、両党にとって共通の利益でもある。政権を壊さないようにしながらも、集団的自衛権に関する議論を自分たちに有利に進めるためにはどうするか。両党は互いの腹を探り合い始めた。今後、熾烈な駆け引きが展開されるだろうが、両氏の発言はその序曲である。

進まぬ野党再編

記者会見を終え、厳しい表情で会場を後にするみんなの党の渡辺喜美代表(左)と浅尾慶一郎幹事長=2013年8月23日午後、国会内【時事通信社】

 一方、野党では一時盛り上がりを見せていた再編の動きが暗礁に乗り上げている。みんなの党の渡辺喜美代表は、新党結成に傾きつつあったと言われる江田憲司幹事長を更迭。さらに、日本維新の会や民主党の若手議員と交流を深めていた柿沢未途衆院議員を離党に追い込んだ。

 野党再編には2つの方向性がある。1つは、各党有志が集まって新党を結成する方向。柿沢氏や日本維新の会のメンバーらが目指しているのはこれである。民主、維新、みんな3党の英語表記の頭文字をとって名付けられた「DRY(ドライ)の会」もこの方向で動いてきた。

 これに対して、渡辺氏は新党結成ではなく、各党がその存在を保ったまま連携する「政党ブロック」構想を掲げている。渡辺氏はみんなの党を壊したくないのだろう。

 日本維新の会共同代表の橋下徹大阪市長は8月23日、大阪市役所で記者団に対して、「柿沢さんの動きに大賛成だし、期待しています」とする一方、「渡辺さんが代表を務めるみんなの党と一緒にブロック単位で組んで行こうという政治家は極めて少ないと思いますよ。政治というのは理屈、合理性だけでなく人間的な好き嫌いというのも入ってくるから」と述べた。

 野党再編を考えた時、たとえば政党の合併や新党結成というものは、実はそれほど簡単には進まない。選挙区の従来の支持者との関係が問題になるし、同一選挙区に相手の党の候補者がいた場合には、どちらが選挙区を譲るのかという問題も生じる。新党で、誰が主導権を握るのか、あるいは政党交付金の配分をどうするのかという問題もある。

 これに対して、政党ブロック構想は案外簡単である。各政党は組織として残ったままなので、嫌になったら離脱すればいい。政党ブロックという単語は聞きなれないかもしれないが、日本ではすでに例がある。いや、現在もある。

 自民党と公明党による連立与党である。これもまた、両政党の存在を残したまま、政策を一致させてひとつの政権を形作っているのだから、政党ブロックと呼んでいいだろう。渡辺氏はこういう形を野党でも作ろうとしているのだ。

飛び交う怪文書

 ただし、ネックになるのは橋下氏も指摘している人間関係の問題である。8月になってから、みんなの党に関する複数の怪文書が永田町で流通している。

 真偽不明の文書なので、あまり詳しく書くことは避けるが、みんなの党の立法事務費や政党交付金の問題、人件費の支出に関する疑惑、浪費、公選法違反疑惑などに言及、果ては渡辺氏の夫婦関係についてまで書き連ねてある。

 重ねて書くが、文書の真偽は不明である。ただ、こういう文書が出回っているということは、党の現状を快く思っていない人物がいるということでもある。また、江田氏や柿沢氏の処遇だけでなく、選挙での候補者選定など、渡辺氏の政治判断に不満を漏らす議員も多い。みんなの党内は決してうまくいっていないのだ。身内をおさめられないようでは、他党といかに連携できるかがカギとなる政党ブロック構想など成功するはずがない。

 これからも各党からの離党者がポロポロと出ることはあるだろう。しかし、今の雰囲気を見るかぎり、政党ブロック構想にしろ新党結成にしろ、大規模な野党再編はしばらく結実しない情勢なのである。

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来年4月に消費税を増税しても景気が失速しなければ??

そうした批判も下火??

最近のマスコミは・・・

JR北海道か??