武田邦彦 2011 9.2 筑後講演
武田邦彦 20110902 ②筑後講演
放射能クライシス 武田 邦彦
緊急 たとえ明日でも!!福島女子駅伝
すみません。ぼんやりしていました。
明日福島女子駅伝があり、そこで主催者が「何が起きても責任をとらない」というのに中学生の女の子も含めてサインをさせているという情報を得ました。
本来、管理区域になる場所を、卵子をおなかに抱えた女子が走るというのは、どうしてもやってはいけないことです。今、前日の18時。すみません。ぼんやりしていましたが、もし主催者に中止を求められる方がいたら、今でもお願いします。駅伝の本質は健やかな成長です。なんで放射線の強いところで走らせるのでしょうか?人の痛みがわからなければ駅伝などやるべきでもありません。
力を合わせましょう!!
武田邦彦
実施直前・緊急放射線測定: 11月13日(日)開催・東日本女子駅伝
コース横歩道の空間線量で1μSv/h超え!第一区間、日産ブルーステージの道路挟んで向かい、コース上、21.33μSv/h!!!と恐るべき高線量が測定されています。
その他の情報として、
@iwakamiyasumi 東日本女子駅伝、選手が練習している場所で、18マイクロシーベルトという数字が検出された、と現地のNGOから連絡が。スタート地点の陸上競技場の数値。競技場の事務局に連絡したが、名前も名乗らず、立ち去ったという。
ハッキリしたこと(1) 東電と1年1ミリ
(原発事故から8ヶ月。ハッキリしてきたことがあります)
東電の原子力関係の重役と部長クラス以上はすべて退任、退職するべきと考えます。法律上、可能なら全員を逮捕すべきです。
理由は簡単で、1)事故前、東電は1年20ミリの被曝の許可を得ている原発作業員の被曝を1年1ミリに制限していた!! 2)それを実施するために原発の従業員を3万8000人から8万2000人増やし、その人件費を電気代として国民に負担させていた!! 3)文科省大臣が「福島の子供に1年20ミリ」と言ったときに反対をしなかった!! ということです。
人間は「自分の意思」を行動に移すものです。特に東電の役員や部長クラス以上というと日本の指導層ですから、その行動に社会的責任があって当然です。東電社員が1年20ミリの枠を持っていて、それを1年1ミリに制限していたのは「東電の意思」です。
「意思」というのは「自分でそう考えている」ということです。そしてそれに要した費用は自分で負担せずに国民に負担させていたのです。それを事故が起こって自分の発電所の不始末で国民に被害を与えるようになると、1年20ミリでも良い(黙っている)というのは「人間ではない」のは確かです。詐欺罪ではないか??
人間で無い人が地域独占の電力の役員や部長をしていることはできません。退任、退職してください。そして私財で、1)今までの人件費の増分のお金を補填し、2)福島の子供の19ミリ分をとりもどすべきです。絶対に、免れることはできません。
こんなダブルスタンダードを行う人はとにかく明日から去ってください。また、私たちの情報としては、「東電のように放射性物質を扱っている会社は、1年20ミリの枠を持っている成人男子(幼児の3分の1の感度)でも1年1ミリまでが限度だ」と東電自身が考えていたということです。
このことについて「1年1ミリ以上でも大丈夫」と言っている自治体の役人はすぐその理由を説明してください。素人が1年何ミリなら5歳の子供が15歳で病気にならないなどと判断できるはずもありません。
法律も1年1ミリ、国際合意も1年1ミリ、東電も1年1ミリで、なぜ福島の子供たちが1年20ミリで、給食の食材がセシウムだけで1年5ミリで「大丈夫」と言うのでしょうか。
あなた方(東電、役人)は子供の将来に責任は持てません。神様ではありません。早速、東電の人は退任、退職し、自治体は詳細マップと除染を必死で進めてください。特にこれまで「大丈夫」と言ってきた人は罪を償ってください。
(平成23年11月4日)
武田邦彦
ハッキリしたこと(2) 4500億円と無策・増税
消費税を5%から10%にするようですが、その理由は「税金が足りない」と言われています。聞いてみれば当然で、税金で生活している政治家や官僚が自分の給料や権益、それに天下り先を増やそうというのですから、政治家やその後ろにいる官僚が増税を唱えるのは「自分だけ得をすればよい」という今の日本ではよく理解できます。
増税の一つの理由として、「赤字国債が多い」からと言うけれど、赤字なのに国債を出したのは政治家と官僚で、税金を増やすと票を失うからいつも「国債」で払っておけば自分たちが浪費できる。そして赤字になったから親(国民)に増税を迫るといううまい方法を考えたものです。
国民にしてみれば「国債を買いましょう」といって買っていたら、その分だけ税金でとられた・・・考えてみれば国債を償還する力があるのは国民だけだった・・・という訳です。(拙著「国債は買ってはいけない」(東洋経済新社))
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3月11日に大震災、12日に福島原発が爆発しましたが、まだ2011年度予算が執行される前で、国会で予算案が通っていない時期でした。もし議員や官僚が普通の人たちだったなら、なにはともあれ震災対策や原発対策に使用する予算を凍結し、人件費ぐらいは出すけれど、あとは政策が決まり次第、執行するのが決断力というものです。
家計を考えたら判ります。3月11日に家族がなにかに巻き込まれ急に100万円を必要とするようになっても、給料をそれまでと同じペースで使っていくなどということはありえません。国家だから時間がかかるということもなく、内閣が閣議を開いて決めればそれですぐにでもできることでした。
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特に原子力予算の使い方がひどいもので、毎年4500億円を使っています。福島原発が爆発した後でも原子力関係者は「心から反省」をしなかったのでしょう。4500億円から除染費用も、福島の人を助けるお金も一切、出さなかったのです。それをマスコミ報道部はだまっていました。
汚染された農作物を全量、買い取るのに700億円。NHKの教育テレビが「2000億円も除染にかかるなら、除染はできません」と言いましたが、この両方を足しても、1年の原子力予算の約半分でした。直接的には福島県がこの予算を要求しなかったのが致命傷になったのですが、福島市は除染して綺麗な県を取り戻すより、汚染されたまま県民に1年20ミリを被曝させる道を選んだのですから、しかたがありません。
福島県は原子力予算を十分に知っているのですから。
それに「焼却してもリサイクル」ということで利権をとっているリサイクルが4300億円、ダイオキシン対策が1800億円、それに温暖化では1兆円とも言われ、合計すると実に2兆円を超え、納税者にとっては1年間2万円に当たります。増税は不要です。
思えば、「事業仕分け」で官僚にうまいことやられました。実際に実施している事業の「細かい無駄使い」をいくら摘発してもせいぜい数1000億円規模であることは最初から判っていました。
でもシナリオは、1)まず事業仕分けを体育館でやって注目を浴びる、2)議員には思いきり過激な発言をしてもらうがシナリオ(何をとりあげるか)は官僚に任せておくので肝心なものはでてこない、3)マスコミ報道部に取り上げて貰う、4)たいした効果をもたらさないで終わる、5)「節約は限度だから増税する」という、6)民主党の公約と全く違うが国民は2年経てば忘れてくれる、というものです。
まんまと引っかかりそうですが、これからでも遅くありません。こんなに不誠実な政治家を選んでいれば子供たちの将来がないのは当然でもあります。
(平成23年11月6日)
全国の校長先生・・・これをどう思われますか?
校長先生、校長先生ですから日本人を被曝から守る法律がいくつもあり(たとえば原子力なら原子炉等規制法、放射線なら電離放射線障害防止規則など)、それはいずれも1年1ミリと被曝限度が決まっていることをご存じと思います。
事故の直後は、あるいはご存じなかったかと思いますが、事故から8ヶ月経ちましたから、ご存じと思います。そしてこの1年1ミリが「内部被曝と外部被曝を足した1年間すべての時間の合計」であり、その中で児童生徒に及ぼす学校の影響が大きいこともご存じと思います。
問題は「ダブルスタンダード」であることです。たとえば文科省は1年20ミリと言っていますが、これは「暫定」がついています。また給食などに使う食材はセシウムだけで1年5ミリですから、常識的には1年10ミリです。従って、児童生徒は学校にいて給食を食べると1年30ミリになり、そのうち、1日の3分の1を学校にいるとすると、1年10ミリを浴びます。
1年10ミリとは1年に胸のレントゲン200回分です。
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もう一つ情報を提供します。それは、成人男子(児童生徒より3倍は被曝に強い)でも1年5ミリ以上の被曝で白血病になると労災が適用され、原子炉作業員(成人男子)は2000年から「被曝は危険」ということで平均1年1ミリにされていて、それで増えた電気代は児童生徒の親が電気代として払って来ました。
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関東、東北の学校の校長先生の動きを見ますと、いずれも「1年30ミリの暫定基準の方を採用する」というお考えのようですが、ダブルスタンダードの時代に児童生徒の健康を預かる校長先生がなぜ、被曝量の多い方の基準を採用されているのでしょうか?
日本には「法律や電力が定めている1年1ミリ出なくても良い」という学者などが存在することは確かですが、もともと学校は児童生徒に「法律や学校の規則を守るように」と呼びかけて、教育をしているのではないでしょうか? 学校で1年1ミリを守ることはできますし、できなければ疎開をさせなければなりません。
ある学者が「酔っぱらい運転でも年間200人しか犠牲にならない。だからお酒を飲んで運転しても良い」と言ったら、校長先生は法律や規則を無視してそのように教育するのでしょうか? 被害が大きいか小さいかではなくもっとも重要なのは社会の規則と納得性です。
お母さんは「今まで法律でも原子炉作業員でも1年1ミリなのだから、それ以上の被曝は子供の健康に不安」と言っておられますが、それが理解できませんか? 「被曝は平気」という親もいるでしょうが本来は校長先生が平気と言っている親をご指導される立場ではないでしょうか?
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日本の子供はお母さんの宝であるとともに、日本人全体の宝です。家庭ではお母さんが必死に子供を守っておられる重要な役割を負っておられるのですから、学校では校長先生が身を賭して児童生徒を被曝から守り、あわせて「遵法精神」を子供たちに教育してください。
私から見ると、校長先生は法律や社会道徳(子供にはできるだけ被曝させないように努力する)というより、日々の仕事に疲れ、面倒なことはしたくないと思っておられるように感じられます。それなら子供たちも「疲れたから規則を守りたくない」というのと同じレベルになってしまいます。
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ある講演会で「給食を担当しているのですが、保護者から心配だと言われます。そうかといってベクレルを測定する訳にもいかず、困っています」という質問がありましたので、「保護者のかたのご心配はまともです。測れないなら給食を出さないでください」と答えました。
セシウム137の経口致死量は青酸カリの1000倍以上です。つまり毒物が入っている可能性のある食材を給食に出す、その理由は毒物でも何でも給食を出すのが使命だからという間違った認識ではないでしょうか。わたしは「とにかく給食を出すのが私の役割」と思い詰めているような感じがしました。
また給食を心配する子供にいろいろな形で教育者がいじめを行っているようですが、むしろ子供たちが給食を心配している子供(親)をいじめることはいけない、人は自分で自分が食べるものを選ぶ権利がある、理由があれば給食を食べないことはもちろんかまわないと教育していただきたいと思います。
(平成23年11月14日(月))
武田邦彦
武田邦彦ブログ
学歴
1962年 都立西高等学校卒業
1966年 東京大学教養学部基礎科学科卒業
1986年 工学博士(東京大学)
職歴
1966年 旭化成工業(現・旭化成)入社。ウラン濃縮などの研究開発に携わる。
1986年 旭化成工業ウラン濃縮研究所長
1993年 芝浦工業大学工学部教授
評議員、学長事務代理、大学改革本部長代理、教務委員長を歴任
2002年 名古屋大学大学院教授(工学研究科マテリアル理工学専攻)
2007年 中部大学総合工学研究所教授、副所長(大学院 工学研究科 機械工学専攻)
委員会・審議会委員
内閣府原子力委員会
内閣府原子力安全委員会
文部科学省中央教育審議会
文部科学省科学技術・学術審議会
などの専門委員を歴任
顕彰
1990年 日本原子力学会特賞
1999年 日本工学教育協会工学教育賞(倫理)
2003年 日本工学教育協会論文・論説賞(創成科目)
この話しを聞いて・・普通の人達はどう思うのだろーか・・