福島第1原発 不安材料が消えない
11月03日(木)
東京電力は、福島第1原発2号機の原子炉で核分裂反応が起きている恐れがあるとして、反応を抑えるホウ酸水を注入した。
原子炉内の制御が一筋縄ではいかないことが、あらためて浮き彫りになった。年内の冷温停止は達成できるのか。政府と東電の事故収束に向けた工程に、新たな疑問符が付いた格好だ。
東電の松本純一原子力・立地本部長代理は、2号機からキセノン133、135が検出された可能性があると発表した。ウランやプルトニウムの核分裂によって生じる放射性物質である。
半減期が短いことから、検出が確かだとすれば、最近になって核分裂が起きたと考えられる。
核分裂が連鎖的に起きる状態が臨界である。原子力発電は臨界によって生じる巨大なエネルギーを利用したものだ。2号機で制御不能の臨界が起きるようなことになれば、深刻な事態に陥る。
松本本部長代理は「一時的、局所的に起きた可能性はあるが、大規模な臨界は起きていない」と述べている。差し迫った危険性は低いとの見方である。
東電は放射性キセノンの検出データなどを精査している。今後の分析を踏まえ、さらに丁寧な説明を求める。
政府と東電は、福島第1原発の原子炉は冷却が順調に進み、年内にも冷温停止を目指すと発表していた。「一時的、局所的」であるにせよ、臨界が起きた可能性が浮上した意味は重い。
注意すべき点がいくつかある。
一つは、2号機で放射性キセノンが疑われたのは、10月から稼働した「ガス管理システム」によってである。1、3号機にはシステムがない。ここでも同様の事態が起きているかもしれない。検査を広げる必要がある。
二つ目は、メルトダウンした核燃料の状態がどうなっているか分かっていないことだ。
松本本部長代理は、臨界は核燃料と水のバランスによって左右されると述べた。注水量が増えたことで、核分裂を起こしやすくしている可能性もあるという。
核燃料の状態が分からないままの手探りの作業である。これから先、注水と核分裂のリスクとのさじ加減が難しくなり、冷温停止に影響する懸念がある。
経済産業省原子力安全・保安院は、事態を把握しながら野田佳彦首相への報告が遅れた。チェック機関として責任を果たすことができなければ、政府の信頼は取り戻せない。
福島原発は爆発するのか?
福島原発で核反応が起こったことが大きく報じられ、多くの人が心配しています。なぜ、心配するかというと「何が起こったのか?」、「どのぐらいの危険性があるのか?」、「どうすれば良いのか?」を具体的に説明せず、こういうときになると「事実の一部」と「安心してください」という結論だけで、中抜けしているので心配になるのです。
事実を伝えるなら完璧に、そして安全か危険かを言うなら結論だけではなく、その理由をしっかり説明しなければならないのです。
・・・・・・・・・
【事実】
原発というのは核爆発をコントロールしているもので、その核爆発を起こすのは「ウランやプルトニウム」と「水」です。ウランもプルトニウムも水もなければなかなか核爆発はしません。
現在、原子炉の中と下には、破壊された「ウランやプルトニウム」と「水」があります。だから、核爆発が起こる可能性はあります。日常的には、木材を櫓に組んで勢いよく燃やしていたものに水をかけて消した状態で、まだくすぶっているという感じです。火元もあるし、完全には消えていないので、時々、くすぶります。
私が「メルトダウン」とか「冷温停止」という言葉をこのブログであまり使わないのは、科学的にやや疑問のある言葉だからです.メルトダウンという代わりに「燃料が破壊されている」と言う方が正確ですし、「冷温停止」などという状態は無いからです。
軽水炉(福島原発)は温度が低いほど核爆発は起こりやすいので、「冷えたから安全」ということではないのです。
燃料が破壊されていて、その間に水が入り、中性子が適当に減速されると核爆発が起こります。このときに燃料がしっかり結ばれているか、あるいは大きな固まりになっていてその間に水が入っているような場合にはある程度の爆発(広島原爆ほどではないが、最大で3月の爆発のようなもの)になる可能性はあります。
しかし、3月に爆発して以来、「核爆発」(原子炉の運転)は行われていないので、放射性物質の量は少なくとも50分の1になっています。つまり次の写真に示した3月の爆発とおなじものが起こっても、危険性は50分の1になっているということです。
【どうなるか】
燃料がばらばらになっているか、一度ばらばらになっていた物が融けて固まったとして、その間に水が入って核爆発が起こると、急に温度が上がるので水が蒸発して大きな圧力がかかり、ウランやプルトニウムは飛び散ります。
このような事故は第二次世界大戦中にアメリカ軍が原爆を作ろうとしているときに見られたもので、水が急に沸騰し燃料がちりぢりになるのですが、それですぐ核爆発も終わって、数人から数十人の人が被害を受けるという経験があります。日本では東海村の核爆発事故がそれです。
このようなことから、福島原発が再び核爆発を起こしても、水蒸気爆発、水素爆発を起こしても、原発の内部の人以外の影響はほとんどないと考えられます。それより3月に福島の大地に飛散したものの方がズッと危険です。
【どうすれば良いか?】
防御のポイントは風向きとマスクですが、11月の福島の風向きは3月と同じで「基本的には太平洋に行くが、ときどき風が巻く」ということ、そしてマスクは「常にインフルエンザ用のマスクを準備しておく」ということです。
仮に3月と同じ規模の爆発があったとして、それがニュースに流れてから「逃げる準備」をして、しばらくして(2,3日後に)本当に危険になったら「マスクをして逃げる」ということで子供を被曝させることはありません。
その時には新幹線や飛行機で逃げるのではなく、風向きを見て、20キロから30キロぐらい車か電車で移動すれば良いのです。
移動の方向は、絶対に福島原発から「遠く」に逃げるのではなく「直角に、山の方に」がポイントです。たとえば、柏の人は宇都宮の方か、君津の方に逃げることになりますが、その時に、自分の住んでいるところより北に流れてきたら南に、南に流れてきたら北へという方向です。
福島原発から直接、放射線が来るのではなく、放射性物質の灰が風で流れてきて、その灰が自分の身のまわりに来て、一粒一粒から放射線を浴びたり、その粒を吸い込んで内部被曝をするのですから、それをよく理解しておいてください。
爆発したら1ヶ月ぐらいは水道が汚れますが、2,3本のペットボトルを用意しておけば汚染される水道は2,3カ所に限定されますから(汚れは拡大しないので)、大丈夫です。
「備えあれば憂いなし」、「大型客船にも救命ボートあり」という精神で、備えて怖がらず、安心して過ごしてください。
(平成23年11月3日)
武田邦彦ブログ
つまり・・可能性は・ある・・
よけい・・こわくなってきた・・

