上高地の朽ちた観光案内板 大航海時代に乗り遅れる日本?? | 東京リーシングと土地活用戦記

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このままでは観光立国は見果てぬ夢!

上高地の朽ちた観光案内板が物語る
中国人大航海時代に乗り遅れる日本


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 観光立国を目指し始めた日本は、訪日外国人を2019年に2500万人、将来的に3000万人にする目標を定めた。特に海外旅行ブームに沸く中国を最重要市場ととらえ、より多くの中国人観光客に日本に来てもらおうと日本政府から地方自治体まで鼻息が荒い。かなり前から「中国人大航海時代の到来」と予言した私も釣られて興奮する。

 大まかに見れば、日本全土を一応全部回った私は時々、47都道府県を全部制覇したと自慢したくなる。しかし、どうしたわけか、有名な観光地として知られる上高地、白馬、尾瀬はまだ訪問していなかった。だから、上高地に行く機会ができたとき、嬉しさはひとしおだった。

 長野県の飛騨山脈南部の梓川上流に位置する上高地は、北アルプスの谷間にある細長い堆積平野である。実際、訪れてみると、標高約1,500mところにこれほどの広さをもつ平坦な上高地は、中国の盧山と似ていて、幅広い年齢層の人々に喜ばれる山地だと感じた。雪を頂く穂高連峰、槍ヶ岳、焼岳と岐阜県へと流れる雪解け水が流れる梓川とのコントラスも絶妙だ。原始林の中を散策しながら、もっと早く上高地に来るべきだったとしきりに後悔した。

 上高地帝国ホテルの関係者をはじめ地元の旅館経営者たちと交流してみると、みんな外国人観光客の誘致にもっと力を入れ、もっと上高地を世界に向けてアピールしたいと言っている。上高地を訪れる観光客の人口が減っていることもこうした切望をさらに熱くしている。実際、上高地で私が出会った人数の多いグループはいずれも台湾からの団体観光客だ。

 しかし、外国人観光客を誘致したい地元の関係者の熱い気持ちとは裏腹に、残念ながら上高地では外国人観光客を迎えるための基本インフラがまだ合格点まで整備されていない。2泊3日、上高地に滞在していた私は、主な観光ポイントを一通り回ってみた。そこで気になるものを発見した。森の中に立てられた観光案内用の看板だ。

 中国語の観光案内はもちろん整備されていない。英語や韓国語による観光案内もまったく見かけなかった。所々に日本語のみの観光案内板が立っているが、この日本語観光案内板を見ると、腹立たしくなる。日本語の文字の一部が判読できなくなった案内板が相当あるからだ。証拠に残そうと思わずカメラのレンズをこれらの案内板に向けた。

下の写真「上高地の案内板(1、2、3)」はその時撮影したものだ。一部の文字はすでに判読が不可能となっている。長い間風雨に晒されたままで、整備されていない様子が手に取るように分かる。


上高地の案内板(1、2、3)
 上高地の入り口とでも言える大正池ホテルのすぐ近くに立っている上高地案内図に至っては、まるで古い文化財のようなもので、その文字を判読するには、相当な眼力とテクニックが求められる。下の段の写真「上高地案内図(1)」はもちろんほとんど読めない。写真「上高地案内図(2、3)」のように、カメラをぐっと近づけて撮影しても読み取るのが困難だ。

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上高地案内図(1、2、3)
 なぜ観光客誘致に欠かせない案内板の整備をしないのか、不思議に思い、ホテルや旅館関係者に確かめてみた。

 そうしたら、国立公園に指定された上高地では、関係官庁の許可を得ないと、企業には勝手に案内板などの工作物を立てることはできないという回答が戻ってきた。

 関係官庁の国立公園に対する保護意識は高く評価したいが、その工夫のなさはいただけない。案内板を新設しなくても、古い案内板に新しい案内文を貼り直すだけで。かなりの訪問客が満足してくれるだろう。

 その後、穂高神社奥宮と明神池辺りの森の中を散策していたら、思わず首を傾げる2枚の案内板と出会った。1枚は中信森林管理署が新しく設立したらしい案内板で「保健保安林」と大書されている。「上高地案内版比較(1)」はその写真である。

 一方、そこからわずかしか離れていないところの大木の根元に、「上高地案内版比較(2)」のように、朽ち果てた一枚の案内板が木の根もとに寄りかかる形で置かれている。


 そこで、なぜ観光客にとって必要な案内板に対して、官庁側はそこまで無関心なのか、と疑問は大きく膨らんだ。縦割り行政の弊害ではないかと思った。環境省も中信森林管理署の上部組織林野庁も観光行政とは無関係なのだ。一方、できたばかりの観光庁には、まだそこまでを見る組織の体制ができていない。

 観光立国の道を歩み出してまだ日が浅い日本には、解決しなければならない課題が多すぎるほどある。官公庁同士が横の連携プレイを取らない限り、上高地の案内板という簡単な問題もそう容易には解決できないだろう。関係官公庁には、すぐさま行動を起こしてほしい。



莫邦富の中国ビジネスおどろき新発見

【第4回】 2010年6月3日 ダイヤモンド
莫邦富 [作家・ジャーナリスト]


莫邦富さんの、この声は、はたして届くんでしょうか!!??