三越伊勢丹、4~9月期純利益66%減 百貨店売り上げ不振で
三越伊勢丹ホールディングス(3099)が9日発表した2009年4~9月期の連結決算は、純利益が前年同期比66%減の41億円だった。消費者の低価格志向の高まりを背景に、百貨店の売り上げが減少した。
売上高は13%減の6171億円、営業損益は4億2500万円の赤字だった。クレジットカードや金融事業も減収減益だった。
あわせて10年3月期の連結売上高を前期比9%減の1兆3000億円と、従来予想から100億円下方修正した。百貨店などで売り上げの想定を下回って推移しているため。利益予想はコスト削減を進めることを勘案して、据え置いた。
傘下の三越が早期退職者特別支援制度を導入するため、今後特別損失が発生する可能性があるが、現時点では影響を見積もるのは難しいとして業績予想に織り込んでいない。〔NQN〕
(2009/11/9 NIKKEI NET)
おそろしい・・・・
崖っ縁の百貨店業界でついに始まった大リストラ
ダイヤモンド・オンライン10月26日(月)
全国百貨店の売り上げ減はとどまることをしらない… 昨秋のリーマンショック以降、百貨店はかつて経験したことのない売上高急減に苦しんでいる。この10月でちょうど1年たつことから、関係者はマイナス幅の縮小に淡い期待を寄せていたが、売り上げ減少には歯止めがかからない。もはや通常の経費削減策では追いつかず、ついに大リストラが始まった。
「社内はそわそわしています。結構、真剣に考えている人もいますよ」(三越社員)。同社が10月から早期退職制度を拡大して、募集を始めたためだ。
従来、退職金を割り増し支給する早期退職制度はあったが、今回は対象枠と割増金額を大幅に拡大した。40歳以上の社員が対象だった適用年齢を35歳にまで下げ、地方の店舗では、年齢制限を設けずに全社員を対象にしている。
11月末までに応募すれば、通常の退職金に、勤続年数に応じた加算金があり、最大で2000万円が上乗せされる。最も支給が多い50歳前後では4000万~5000万円になるというから、そわそわもするわけだ。「削減人数を目標設定した肩たたきはしない」(三越伊勢丹ホールディングス)という代わりに、自主的な退職を促すよう、手厚いインセンティブを用意した。そのための資金は、元三越池袋店の店舗を来年1月に不動産ファンドに売却して得る750億円で賄う予定だ。
5月に前期決算を発表した時点で、三越は2009年度の営業損益が43億円の赤字となる見通しである。
三越の正社員は約6200人、なかでも中高年層が多く逆ピラミッド型の人員構成だ。伊勢丹は、正社員と有期雇用社員の比率が45対55であるのに対して、三越は正社員比率が65となる。そもそも「今後3年間で、定年退職を含めた自然減で1000人が減る」(三越幹部)予定だったが、昨秋のリーマンショック以降の百貨店事業の売り上げ急減が、時間軸を狂わせた。
三越の社員にとって悩ましいのは、今後百貨店に残ったとしても、職場環境が劇的に変わることだ。
まず、来年4月には、地方店(札幌、仙台、新潟、広島、高松、松山、福岡)は別会社化され、これに伴い給料は大幅に下がる。東京を100%とすると、75~90%という水準になる。
東京とて、事情は厳しい。新しい人事制度では、これまで、お得意先を訪問する外商ひと筋で仕事をしてきた社員が、販売員として店頭に立つ光景も珍しくはなくなる。基本給が10万円下がる可能性もある。会社に残ったからといって、もはや従来のポストと給与水準は保証されなくなるのだ。
同様の動きは、百貨店業界全体に広がっている。
J.フロント リテイリングでは、6月に早期退職制度の枠を拡充した。もともと大丸にあった制度のインセンティブを厚くすると同時に、制度のなかった松坂屋に導入した。
「雇用は守る」(Jフロント)というが、三越と同じように新陳代謝を高めるため、インセンティブ部分を増やした。
たとえば、50代社員で、従来の制度では退職金が2000万円だったケースでは2700万円が支給される。ほかに、転職期間中の給与支給額を基本給の60%から80%に引き上げるといった具合だ。これまでに数十人が応じた。
「今の消費不況を抜けた後、消費構造は大きく変わる。これまでの百貨店のように高額帯ばかりの品揃えでは消費者から支持されなくなる」(奥田務・Jフロント社長)と危機感は強く、早々にビジネスモデルの転換を図っている。Jフロントの目指す姿をひと言でいうと、百貨店よりも従業員が少なくテナント主体で運営する“駅ビル化”に近い。
高額品不振、耐える百貨店 三越伊勢丹など減収減益
2009/11/10 fuji sankei
大手百貨店5社の2009年中間連結決算が9日出そろい、首位の三越伊勢丹ホールディングス(HD)が営業赤字となったほか、各社とも軒並み大幅な減収減益に陥った。利益率の高い高額品や衣料品が不振を極め、消費不況から抜け出せない厳しい状況が浮き彫りになった。有効な打開策も見いだせておらず、雇用・所得不安が一段と強まる中、通期業績はさらに厳しさを増しそうだ。
9日発表した三越伊勢丹HDの9月中間連結売上高は、6171億円と前年同期に比べて12.5%減の大幅減収。売り上げの約7割を占める三越と伊勢丹について、主力の衣料品や宝飾品など高額品の販売不振が響いた。グループ内で、前年同期に比べて約115億円の販管費削減を実施したものの大幅減収を補えず、営業赤字に陥った。個別では伊勢丹は営業黒字を確保したものの、企業業績の悪化で法人需要の落ち込みが激しい三越は、38億円の営業赤字だった。
中間期の状況を踏まえて三越伊勢丹HDは10年3月期通期の連結業績予想を、売上高は従来見通しより100億円減の1兆3000億円(前期比8.9%減)に下方修正した。
≪所得不安が直撃≫
百貨店各社の大幅な減収減益は、所得低下や雇用の不安による衣料品や高額品の販売不振が大きく影響している。4~9月期に三越と伊勢丹の衣料品の売上高は、そろって前年同期比2けた減に落ち込んだ。大丸と松坂屋を傘下に置くJ.フロントリテイリングも3~8月期の衣料品売上高が、大丸が14.5%減、松坂屋が15.5%減に沈んだ。全国百貨店売上高では、衣料品が昨年12月から今年9月まで、10カ月連続の前年同月比2けた減を続けている。
ただ各社とも、衣料品の不振に対して手をこまねいているわけではない。大丸は一部の店舗内で、低価格の紳士服チェーン「はるやま商事」の店舗を誘致。高島屋も施設敷地内に衣料品チェーンの「ユニクロ」を誘致する方針を決めている。ただ、昨年からの販売不振は「バブル崩壊後よりもひどい」(業界関係者)との声が漏れるほど厳しい。
J.フロントリテイリングの奥田務社長も「消費の減退と競争激化が、百貨店経営に打撃を与えている」と危機感をあらわにする。
≪手強い安値志向≫
今後は最大の稼ぎ時である年末商戦が控えるが、巻き返しについて明るい声は聞かれない。低価格品ばかりを消費者が求め、客単価が一向にあがらない事態も予想される。高島屋の鈴木弘治社長が予想する「百貨店の市場規模は早晩、現在の7兆円台から5兆円台に縮小する」という言葉が現実味を帯びてきたといえそうだ。「今は守りの姿勢に終始するしかない」。ある百貨店幹部の発言が苦境ぶりを表している。(阿部賢一郎)

