民主党 高速道路無料化 山崎養世の日本列島快走論とは??  | 東京リーシングと土地活用戦記

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~道路公団の民営化はそもそも法律から逸脱している~

小泉政権は、「構造改革」の目玉として「道路四公団の民営化」を次の総選挙の公約に掲げるようです。しかし、その前にこうした民営化議論は、現在の高速道路の基本法である道路整備特別措置法と矛盾するもので、法律からの重大な逸脱であることを知っていただきたいと思います。欧米では高速道路は原則無料が常識です。日本も1950年代には、そうした常識から法律をつくり、高速道路の建設を始めました。ただ、その時には高速道路を作る財源が足りなかったので借金で作り、その借金を返すために有料で始めざるを得なかった。あくまで「特別措置」だったのです。本来の姿である無料化にならずに長い時間が経ったことが、現在の迷走の原因です。まずは「高速道路は無料が原則」という大前提から議論を整理したいものです。
現在の高速道路のあり方は「全国プール制」といわれ、東名や名神の利用者が、北海道や九州の路線の料金まで負担していますが、これは法律が禁止している「利用者が共通でない」路線に、共通の料金を取る制度です。法律で決めた「受益者負担」に反しています。それに道路整備特別措置法は、そもそも高速道路が無料に戻るための「償還主義」を基本にしています。路線ごとに費用はその受益者が払うことを原則にすれば、費用を料金で返し終えたら料金は徴収できません。これが償還主義です。

現在四公団で約40兆円の借金を抱えていますが、仮に民営化したとしても、この借金と将来の金利を加えた120兆円(50年間にわたって4%の金利で借り続けることができるという楽観的仮定に基づいても金利は80兆円になり、借金40兆円と合わせて120兆円になる)は、結局国民のツケになってしまいます。これは、金融機関が実態の分かりにくい子会社(公団の場合は保有・債務返済機構へ)に不良債権をこっそりと移す「飛ばし」と同じ手法です。つまり、民営化は根本的な解決にはつながらないのです。

アメリカ・イギリス・ドイツでは高速道路は原則無料ですし、有料であるフランス・イタリアでも料金は日本よりはずっと低額です(1~2割の区間は無料)。日本もアメリカの高速道路計画(インターステート計画)と同時に着手した1956年当初は、通行料金で路線ごとの建設費用を返済すれば、無料にする計画だったのです。それが、1972年の田中角栄内閣になって、それまでできていた名神・東名などの料金収入を新規の道路建設にまわす料金プール制が導入されました。わたしは、償還主義の基本に立ち戻り、欧米では当然のように実行され、国民生活の向上に寄与している無料化を新しい需要を起こして国民の気持ちを一新するために「日本列島快走論」と名づけて提起しています。

民営化は高速道路の有料を永久化するもので、それは法律からの逸脱を改めるチャンスを放棄することでもあります。巨大な債務を飛ばして民営化しても、料金収入に頼る経営では、新会社が生き残ることはまずありえないでしょう。

~日本の行き詰まりの縮図である高速道路を
本来の「フリーウェイ」にして、ヒトもモノも自由に!~


日本列島快走論は、大まかに言って以下のようにまとめられます。

1.高速道路をプロの物流ルートから「生活道路」に変える
アメリカに比べて出入口が少ない日本の高速道路の出入口をアメリカ並みに3キロごとに1か所に増やして、全国に1500か所の新しい出入口を作る。SA(サービスエリア)、PA(パーキングエリア)を民間に開放して、この新出入口周辺を生活者の町づくりの拠点にする。
無料化で料金所がなくなることで、高速道路と一般道路の垣根は解消し、地域のアクセスは飛躍的に向上する。これまで、料金が高すぎて普段の生活には使えなかった“日本特有の高速道路に関する矛盾”は消え、国民の間に根強くある“あきらめの気持ち”を一新する。時間とコストのハンディを減らすことで、地域ごとの多様なライフスタイルが無理なく楽しめるようになり、大都市圏への一極集中を地方分散に変える契機が生まれる。

2.低金利の借り換えで、基本法にそって無料化を現実のものにする
財務内容が悪い子会社の借金を肩代わりして整理するのは、民間では親会社の当然の努め。また、家計で住宅ローンを有利なかたちで借り換えることも生活防衛のための当たり前の手段である。このままでは四公団は120兆円(うち金利が80兆円)以上の債務を抱えて破たんするのは目に見えている。
親会社がオーナー(国民)の財産を守るために、超低金利のいま、30年国債を2%で発行(=これを“世直し国債”と呼ぼう!!)し、40兆円のいまの借金を返済してしまう。30年国債の金利コスト(2%固定)は24兆円になり、80-24=56兆円の金利コストが削減できる。これは、高速道路の基本法である道路整備特別措置法にかなったやり方である(下記図参照)。なお、国債の返済の財源には、いまの道路財源の一部を充てる。試算では、いまの一般道路向けの財源の36%を振り向ければ、借金の返済だけでなく新規高速道路の建設と保守もまかなえる。

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国鉄民営化と同様のことが起こる可能性(国鉄債務は結局28兆円の国民負担になった。)


ここでは30年債のみとして計算しているが実際には、10年債・20年債なども発行され、金利コストは一層低下する。 仕組みとしては、財源は毎年均等ベースで確保、国債の元利払いとの調整のために特別会計を設けることが現実的。また、財投の早期返済には補償金が必要だが、この試算には盛り込んでいない。

注:
実際の発行額は債務の返済に加えて、高速道路出入口の増設費用も織り込んで決定すべき。

3.国債の返済と新路線の建設財源はこうすれば、スムーズに行く!
この“世直し国債”の返済総額は64兆円。年間約2兆円ずつを道路財源からまわし、30年間で完済は可能である。そもそも道路財源のほとんどが一般道路の建設に充てられていたことがイレギュラーだった。これを変えることがポイント。高速道路が無料になり出入口が増えれば、いまの高速道路と一般道路の輸送力は増大するから、新規の道路を作る必要性は低下するはず。一般道路への支出を削って、高速道路無料化の財源に充てることは理にかなっている。
永田町と霞が関の長年の“常識”をひとつ改めるだけで、ことさら難しい話ではない。丁寧に説明すれば、国民の理解は得られるはずである。

4.道路の権限と財源を都道府県に移す。
日本の高速道路の1キロあたりの建設単価はアメリカの40倍!この高額の公共事業をバラまく“土建国家”型政治が今日の行き詰まりの元凶でもあった。
道路予算は面積・人口・自動車保有台数を勘案して都道府県に配分し、地域ごとに特色を生かして道路を早く安く作るインセンティブを与える。建設の決定権限も大幅に地方に移し、国は財源の確保と基本ルートと規格の決定のみに関わる。すでに米英では行われていることである。高速道路を生かしたビジネスは全面的に民間に開放する。
知事や市長が経営者感覚で民間とともに“儲かる高速道路ビジネス”を企画・運営し、いい意味で地域間競争が盛んになることが日本列島快走論の目的のひとつ。これまで、お題目になりがちだった地域活性化の切り札が高速道路の無料化と権限・財源の委譲である。執行は大幅な情報公開と地域づくりへの住民参加を基本として行う。更に、道路を早く安く作って予算を余らせた自治体には、余ったお金を福祉や教育などの財源に使えるようにする。これによって地方の財源不足の問題も大幅に改善する。そして努力したものが報われるシステムができる。

5.戦略的に“世界一のクルマ社会”をつくる。
弱者と環境に優しく、資源リサイクル型の理想的なクルマ社会を地域主導ですすめる。現在、世界の最先端を走る燃料電池車の普及と実用化も国家戦略として地域の実情に応じてすすめていく。SAやPAに水素燃料ステーションやITS(事故防止システム)機器の設置を積極的にすすめ、その普及を促進させる。料金所がなくなることで、渋滞の緩和が期待でき、有害排気ガスの排出を抑える。また、市街地を走る営業車が高速道路を迂回することで、交通事故の減少も望める。

~おわりに~

●このように、日本列島快走論は非現実的な提言ではなく、ほぼ全ての国民に大きな利益となる政策です。そして、ごくひと握りの道路族議員と中央官僚の意識転換を促せば、数年以内に実現可能で、国民全員にわかりやすく、魅力的なプランです。この新論を目にしたみなさんが各地で声を上げ、大きなうねりを呼び起こして永田町と霞が関を動かすことは、決して夢物語ではありません。老若男女を問わず、地域や学校、そして職場で話題にしてみてください。

●東京湾をまたぐ「アクアライン」(料金片道3000円)はガラガラです。羽田-木更津間15kmが無料でむすばれた姿を想像してみてください。首都圏のヒトとモノの動きは一変します。

●新幹線と並ぶ戦後日本の社会資本の代表である高速道路を地域の普通の人びとの手に取り戻そうと発案したのが日本列島快走論です。高すぎてせっかく作ったのに使えない高速道路がこのままで存続できるわけはありません。
いまの国民のあきらめの気持ちを一変させ、地域ごとのささやかな夢を全国で実現してゆく起爆剤になるのが、高速道路の無料化を突破口とする変革なのです。

山崎養世(やまざき やすよ)東京・リーシングと土地活用のビジネス戦記
1958年生まれ。福岡市出身。
1982年 3月●東京大学経済学部卒業
・国際経済とファイナンス理論を専門的に研究
1988年●カリフォルニア大学ロスアンゼルス校(UCLA)経営学修士号(MBA)取得
1982年 4月●大和証券株式会社に入社
・国際金融、デリバティブ、証券化、不動産投資、年金運用、投資信託などを担当。欧州市場、米国市場、東京市場で様々な金融業務を経験。
・担当者として開発に携わった日本発の証券化投資信託「ジャンボ・アルファ」が、1990年度日経金融新聞最優秀商品賞を受賞。
1994年1月 ●米ゴールドマン・サックス社に入社
・ジョン・コーザイン会長(現在上院議員)に請われ、入社。日本での資産運用業務の立ち上げを担当。
1997年11月●ゴールドマン・サックス本社マネージング・ディレクター
1998年1月●ゴールドマン・サックス投信株式会社代表取締役社長
・資産運用の重要性を広く国民に説くための活動に注力。ファンドに「ダ・ヴィンチ」「牛若丸」といった名前をつけ、商品及び資産運用全体の一般認知の向上に寄与。
在任中、同社の企業広告が第48回日経広告賞を受賞。
1998年11月
1999年12月
●ゴールドマン・サックス本社パートナー
●ゴールドマン・サックス・アセット・マネージメント・ジャパン・リミテッド社長
2002年3月
2002年5月
2003年11月
●ゴールドマン・サックス社を退社
●山崎養世事務所を設立
●衆議院選挙において、「高速道路無料化」及び「郵政資金の中小企業への活用」が民主党マニフェストに採用される。
・民主党が政権を獲得した場合の国土交通大臣に指名される。


高速道路がタダになると、なぜ景気が良くなるのでしょうか。なんとなくそんな気もするけど、きちんと教えてください。

山崎養世からの回答

■人びとの行動範囲が広がり、ライフスタイルが変わります。地域がガラッと一新されるでしょう。

わたしの日本列島快走論の最終目的は、「地方が潤い、人びとが豊かになること」です。無料化して出入口をいまの4~5倍の「3kmにひとつ」にすれば、高速道路は人びとの生活道路に変身します。 また、SA(サービスエリア)やPA(パーキングエリア)は民間に開放し、あらゆるビジネスを試す絶好の場所になりますから、出入口・SA・PAは、
“21世紀の駅前”に生まれ変わります。みなさんの町の鉄道の駅を思い出してください。規模や繁華街の様子はいろいろあるでしょうが、少なくともいまの高速道路の出入口の周りよりは人びとの息遣いが感じられるはずです。
いまの生活道路並みに高速道路が使えるということは、人びとの行動範囲が格段に広がることを意味します。通勤が便利になることから、いまよりも職場に遠い場所に住む人も出てくるでしょうし、若い人のUターンやIターンも活発になります。まとめていえば、「地方に仕事が増えて、人が増え、地方の暮らしが便利になる」ということです。

■サラリーマンの地方移住という新たなトレンドが生まれる。

3kmごとに生まれる出入口の周りが新しい町の顔です。ここに、様々な商店やサービス業の施設が集まり、それを取り囲むように学校や病院、企業の支店や研究所ができるかもしれません。
大都市圏から地方へ移住して農業法人やベンチャー企業を立ち上げる人が増えてきていますが、こうしたトレンドも一気に加速することでしょう。都会の外れに住み、通勤地獄を味わっているサラリーマンが徐々に地方に移ってゆけば、大都市圏へのヒト・モノ・カネ・情報の集中も緩和されるはずです。いままでは掛け声倒れに終わっていた「地方分散」が、高速道路の無料化をきっかけに、やっと実現するのです。


現在、金融、財政、国際経済問題等に関する調査・研究及び提言活動を行っている。


http://www.yamazaki-online.jp/kaisoron/index.html


新聞や雑誌に掲載された、山崎養世の高速道路無料化についての論文の一部をご覧になれます。より深く快走論を理解したい、という方は是非ご一読ください。論文によっては、ご覧いただくためにPDFファイルのダウンロードが必要なものもございます。

■東京新聞08年12月4日 「道路を問う1~高速無料化の是非」(PDFファイル 351KB)
■フィナンシャルジャパン平成20年11月号 「特集:迷走日本の処方箋~構造改革のススメ」に『誰が政権を取っても大差はない』(PDFファイル 1.47MB)
■フォーNET 10月号(第117号) 「そこが聞きたい!インタビューLONG『誤った経済政策を転換し地方を主役に~日本経済復活の狼煙を上げよ!』」(PDFファイル 2.12MB)
■山陽新聞2008年4月25日『地域の針路を問う・山崎養世氏インタビュー/瀬戸大橋を生かせ』(PDFファイル 197KB)
■納税通信2008年4月7日号 『高速道路無料化で日本が変わる』(PDFファイル 104KB)
■週刊ダイヤモンド 2008年3月22日号 『高速道路の無料開放が日本経済を活性化する』(PDFファイル 2.41MB)
■時事トップコンフィデンシャル 2008年2月26日号 『不毛な「ガソリン国会」の論争~高速道路無料解放に勝る方策なし』(PDFファイル 450KB)
■週刊新潮2008年2月7日号 日本ルネッサンス・特別編 『高速道路「無料化」で地方の活性化を図れ』(PDFファイル 196KB)
■時事トップコンフィデンシャル 2007年10月5日号 『政権の寿命をきめるもの~東京以外からの日本活性化が課題』(PDFファイル 485KB)
■時事トップコンフィデンシャル 2007年1月5日号 『07年、中印が世界経済をけん引 国内の課題は地方の活性化』(PDFファイル 480KB)
■参議院国土交通委員会に参考人として出席した際の資料 2005年7月19日(PDFファイル 32KB)
■週刊ダイヤモンド 2005年5月28日号 『三つの独自シナリオで読み解く「日経平均株価10万円説」の根拠』(PDFファイル 2.01MB)
■時事トップコンフィデンシャル 2005年5月10日号 『小泉改革を超えて-高速道路無料化で地方再生を』(PDFファイル 533KB)
■週刊エコノミスト 04年11月30日号 『国鉄・道路・郵政の徹底比較 良い民営化と悪い民営化』(PDFファイル 2.25MB)
■中央公論 04年9月号 『高速道路無料化論が立ち向かう戦後経済モデルの壁-ふるさとからの資産10倍増論』(PDFファイル 2.31MB)
■2004年4月20日衆議院国土交通委員会に参考人として出席した際の参考資料(PDFファイル 3.00MB)
■輸送経済 04年3月23日号 『高速道無料化で"物流革命"起きる!』<インタビュー>(PDFファイル 963KB)
■週刊エコノミスト 03年12月2日号 『高速道路が無料になれば莫大な経済効果が生まれる』 (PDFファイル 7.23MB)
■週刊エコノミスト 03年9月30日号 『国民負担を増やさずに高速道路は無料化できる』 (PDFファイル 5.57MB)
■中央公論 03年11月号 『小泉・猪瀬路線は国民負担恒久化への道』(PDFファイル 1.78MB)
■中央公論 03年9月号 『高速道路はタダにできる-「日本列島快走論」で田中角栄を超えろ』(PDFファイル 3.01MB)
■毎日新聞 03年10月13日(月) 「論点」~高速道路無料化論を考える~(HTML)
■図解資料 『日本列島快走論~高速道路はタダにできる』(PDFファイル 177KB)
■図解資料 『高速道路をタダにして現代の楽市楽座を!』(PDFファイル 148KB)


きのうの、古舘伊知郎「報道ステーション」

猪瀬直樹氏との、対決は、とってもおもしろかった!!

山崎養世氏に、軍配が、上がったとおもいます。



榊原 英資氏 スビーチ東京・リーシングと土地活用のビジネス戦記


実は、山崎さんの無料化論というのは、決して荒唐無稽な議論でも、非常識な議論でもなく、世界の常識なんです。高速道路が無料だというのは、先ほど北川氏がおっしゃっていましたが、高速道路はフリーウェイ、基本的にタダなんです。一部、整備費とか補修費を取るにために、若干の高速料金を取る場合はあります。ニューヨークでもケネディ空港から行くと若干取られますね。これは何百円の単位で、東名(高速道路)のようなことはしてないわけです。

ですから、日本は極めて非常識なことをやったんです。山崎さんが言われていた通り、非常識なことをやったのは、田中角栄です。田中角栄は道路財源を作っただけではなく、道路公団も作ったんですね。有償資金で道路作っている国なんて、世界中どこにもないですよ。

私は実はね、為替のイメージばかり強いですが、16年前、資金二課長をやっていたんです。資金二課長は道路公団にカネを貸す担当課長なんですよ。その時私が何て言っていたのかといいますと、「こんなカネ返ってこないよ。」って言ってたんです。さっき山崎さんが借り換えするといいっておっしゃってましたが、まさにその時(私は同じことを)言ってたんですよ。30年ローンで固定金利なんですよ。あの頃は5%か6%ですから、「お前30年で6%で貸すのはまずいだろ。せめて変動金利にしろ。」って言ったんですよ。変動金利にしていれば、今頃1.5%になっていたんですね。ところが、あの頃理財局の中で「榊原が変なこと言い出した、変動金利になんてされたら大変だ。」ということになり、僕は大激論しましたけど、敗れたんです。それを彼が今、国債で借り換えろと言っている。あの時変動金利にしていれば、そうなったんです。

これが常識なんです。30年の固定金利で貸すなんていうのはおかしいんですよ。ですから、山崎さんが言っているのは全くの正論であって、僕にはこれが異端の議論だとはとても思えない。やっぱり最初に彼が言ったことは、世界の常識は日本の非常識なんですね。僕は必ずしも世界の常識に全部戻れって言っているわけじゃないですよ。日本的なものがあってもいい。でも、これは世界の常識に戻るべき。

それと、もうひとつ重要なことは、日本経済の最大の問題はコスト高なんです。その最大の問題はやっぱりトランスポーテーションコストなんです。有料道路代が高すぎる。上海から福岡に持ってくるよりも、福岡から東京に持ってくる方が高いわけですから。ですから、日本で高いのは、有料道路代、空港使用料、港湾の荷揚げ(料金)。つまりトランスポーテーションが高いことによって、企業が大変なコストを払っているんですね。その分だけ、価格が高くなっている。だから日本経済を本当に活性化するためには、やっぱり高速道路を無料化するわけです。

僕は本四架橋を作ったときの課長でした。それはダメですよと、反対したら建設省のヤツがやってきて、「榊原さん、もう自民党と握ったんですから、こんなところで反対してもあなたのクビが危ぶまれますよ」と言うんです。まあ、そうかと、しょうがないと、貸付けることにしたんです。ですから僕は結構責任者なんですよね。抵抗はしたけど、結局敗れたという、そういう責任者なんです。本四架橋なんかは、もう作っちゃったんだから、僕は作らない方がいいと思ってたんですよ、でも、作っちゃったんだから、使わなきゃいけない。東京湾横断道路も作っちゃったんだから使わなきゃいけない。これも無料にして、日本経済全体のコストを下げるわけです。

これはどんな減税よりもいいですね。これはある種の減税なんですよ。つまり10兆円あるわけですよね?一般会計その他から出してる予算が。そのうちの2兆円くらい使えば返還できるわけです。10兆円のうち2兆円って2割でしょ?2割道路建設減らすってことでしょ。減らしたくないんだったら、2割コスト下げればいい。入札の仕方を変えれば2割くらい下がりますよ。これは本当にそうですよ。変な法律を全部崩して、ホントの競争入札にすれば2割なんて簡単に下がるんです。そうすると道路建設を減らさなくても、入札の仕方を変えてやれば、実は無料化できるんです。これは極めて現実的なんです。決して荒唐無稽じゃない。そこを皆さんに分かって欲しいんです。

実は道路公団についても、本四架橋についても責任者のひとりである私が言っているんだから間違いない。私が昔役人としてやったミステイクを、まあ私は気が付いてたんですがミステイクには・・・。ミステイクを今山崎さんが正してくれる。しかもこれは政権交代があれば出来るって状況になったわけですね。ですから僕は今度のマニフェストで一番面白いのはここだと思うんです。北川さんもさっきおっしゃってましたけど、これは完全に対立するんです。道路公団の民営化ほどナンセンスなことはないんです。道路公団を民営化しろっていうのは、要するに線路だけしか持っていない国鉄を民営化するっていうのと同じですからね。そんなことできるわけないんです。

結局民営化っていうのは、有料道路の永久税金化なんです。
だから民営化路線っていうのは、永久に税金として有料道路代を取り続けるということです。山崎さんの案は歳出を減らして減税をしますというわけです。しかもこの減税は非常に経済効果があるんです。所得税減税より効くと思います。あるいは消費税減税よりも効くと思います。企業のコストが直接下がるわけですから。個人が例えば観光に行くなんていうときに、安くいけますから、個人のコストも下がります。

ですからこれは極めて効率的な減税案なんです。極めて効率的な地方活性化案なんです。僕は「快走論」も読みました。ともかく全面賛成です。しかも専門家からみて、あまり問題がない。つまりこんなもの荒唐無稽だって自民党の人たちが言ってますけど、頭が古いっていうか、まあ財務省にだまされてるんです。財務省の人たちに言われてるんですよ。「きっと、どっかおかしいから探せ。」と。彼も言ってましたけど、役人っていうのは人のアラを探す名人ですから。

いずれにせよ、これは極めて常識的なんです。世界の常識に我々が戻れるのか、田中角栄が作った奇妙な土建国家にいつまでも浸っているのか。それが今度の無料化VS民営化論。ですから、ぜひ皆さん、山崎さんの案を応援してあげてください。これが常識なんだと、世界の常識なんだということを一般の人に言ってください。彼もファイナンスの専門家ですが、僕も公的ファイナンスの専門家です。この二人が言うんだから、間違いありません。ぜひよろしくお願いいたします。