日経平均が続伸、海外勢の買い観測で年初来高値更新
[東京 14日 ロイター] 東京株式市場で日経平均は続伸。前日の米株式市場の上昇を受け、東京市場もしっかりの展開となっている。オプションSQ(特別清算指数)算出後にもみあった後、年初来高値を更新した。

堅調な値動きが継続している。先物中心に海外投資家の買いが観測され、海外勢による中国株売り/日本株買いの可能性も指摘されている。ただ、お盆休みを迎え薄商いという。
前場の東証1部騰落数は値上がり992銘柄に対して値下がり509銘柄、変わらずが183銘柄だった。東証1部売買代金は8302億円。
前日米株式市場の上昇を受け、東京市場も続伸で寄り付いた。8月限日経平均オプションの最終決済に関わる日経平均のSQは1万0609円42銭となったと複数の株式市場筋が明らかにしている。日経平均は高値でもみあった後、年初来高値1万0587円36銭を更新し、一時1万0630円38銭に上昇した。
その後もSQ値を上回る水準で推移した。市場では薄商いながらも「先物に200―300枚単位の買い断続的に入って上値を追う展開。17日発表の4―6月期国内実質GDP速報への期待感も出ている」(大手証券エクイティ部)との声が出ている。先物中心に海外投資家による買いが入っているとの指摘もあった。国内証券のある関係者は「海外ファンドが主体だ。ファンドマネジャーは必ずしも日本株に強気ではないものの、過剰流動性を背景に運用資金・ニーズが増大し、リバランスで小型株も含めて買っているようだ」と述べている。
中国株式市場の上海総合株価指数.SSECが下落して始まっており、海外勢が中国株売
りと日本株買いを組み合わせたオペレーションを継続しているとの観測も出ている。準大手証券情報担当者は「海外勢が中国株を利食った資金で出遅れている日本株を買っているようだ。大型株中心の売買であるが、国内機関投資家は依然動いておらず、商いは薄い」と指摘する。
一方、大和住銀投信投資顧問・投資戦略部長の門司総一郎氏は、ドイツやフランスの第2・四半期GDPが前期比ベースでプラス成長となったことに関連し、「過去1カ月間に世界の株価が上昇する過程で(プラス成長を)ある程度想定していたとはいえ、目先の株式相場にプラス要因となっている」と話した。
セクター別では機械や卸売、鉱業、非鉄金属が買われる一方、保険やゴム製品が弱い。三越伊勢丹ホールディングス(3099.T: 株価, ニュース, レポート)は2014年までに中国で大型店舗5店を開業し、総店舗数を10店に増やすと報じられ上昇。一時993円まで買われた。
(ロイター日本語ニュース 吉池 威記者)
日本株、世界の景気敏感株としても海外勢が注目
2009年 08月 14日
[東京 14日 ロイター] 14日の東京市場は、株高/債券高の展開となっている。ドイツとフランスの4―6月期GDPが前期比ベースで予想外のプラス成長となり、世界的な景気底入れ期待が高まる一方で、米連邦公開市場委員会(FOMC)では超低金利政策の継続を確認し、買い安心感が広がった。
各市場で過剰流動性相場のシナリオも浮上する中、日本株は世界の景気敏感株としても海外勢から注目されている。
<4―6月期国内実質GDP速報への期待感も>
株式市場では日経平均が続伸し、年初来高値を更新している。世界的な景気回復期待を背景に機械、商社などの景気敏感株を中心に買いが先行した。「先物には海外勢とみられる大口買いが入って指数を押し上げた。17日発表の4―6月期国内実質GDP速報への期待感もあるようだ」(大手証券エクイティ部)という。
欧州連合(EU)統計局が13日発表した4―6月期のユーロ圏域内総生産(GDP)伸び率速報値は、前期比マイナス0.1%となり、1―3月期のマイナス2.5%から減少幅が急速に縮小した。ユーロ圏GDPの改善に寄与したのはドイツとフランスだ。伸び率はともに前期比プラス0.3%と予想外のプラス成長となり、先進国で最も速い景気後退(リセッション)からの脱却となった。国内では17日発表の4―6月期実質GDPも事前予想段階でプラス成長が見込まれている。「米国では景気敏感指標である輸送株指数が上昇傾向を示すなど世界的な景気回復期待が高い。景気敏感株としての日本株は海外勢から注目されやすい局面だ」(大手証券)とみられている。
為替はやや円高方向に振れているが、「大手輸出企業が想定為替レートを対ドルで90円前半の円高方向に修正しており、95円前後の水準では売り材料にならなくなっている」(みずほインベスターズ証券エクイティ情報部長の稲泉雄朗氏)との指摘もある。
三菱UFJ証券シニア投資ストラテジストの吉越昭二氏は「米連邦公開市場委員会(FOMC)で金融政策に変化がないことを確認したうえで、世界景気が底入れとなれば投資環境としては悪くない。企業経営者は慎重姿勢を崩していないが、7―9月期の状況が判明する今秋には増額修正に踏み切る企業も増えるだろう。株価をサポートする力は当面消滅しない」と話している。「世界的に流動性と景気回復の度合いがほどよいバランスで株式市場に効いている。過剰流動性を背景にした海外ファンド等の買いが続き、日経平均はジリ高が期待できる」(立花証券執行役員の平野憲一氏)との声も出ている。
円債市場は、一部海外勢がポジションを解消するかたちで先物を買い上げ、中心限月9月限が一時節目の138円に迫った。「世界的な景気の底入れや株高、日本の財政悪化などが海外参加者の円債投資を弱気に傾けていた」(外資系証券)が、こうしたポジションが解消されたとする見方が有力視されている。
注目された米連邦公開市場委員会(FOMC)では、年0―0.25%の超低金利政策について「より長い期間」という表現の時間軸を評価する向きが多かった。
市場には「流動性相場なら株高/債券高とのシナリオを描く参加者が増えてきた可能性がある。予想より金利が上昇せず、買い遅れを意識する最終投資家も少なくないのでは」(別の外資系証券)との声もあった。
大和住銀投信投資顧問の債券ストラテジスト奥原健夫氏は、米FOMCの結果を受けて債券の買い安心感が広がったとみている。「FRBは国債買い切りを増額しないまでも期限を延ばしており、逆に年内利上げの可能性はなくなってきたという解釈になっている。株価が上昇しても時間軸そのものが短縮していくイメージは出ないので、債券市場には依然として買い安心感がある」と指摘している。
<為替市場にも過剰流動性の影響が>
為替市場では、豪中銀総裁発言や中国株などの変動に合わせてクロス円が神経質な上下変動を繰り返す一方、ドル/円は狭いレンジの取引に終始した。豪ドルは、オーストラリア準備銀行(中央銀行)のスティーブンス総裁が、豪リセッションは軽微にとどまる公算であると表明したことを受け、対ドル、対円で上昇。これがクロス円全般の買いを誘発した。買い一巡後、香港株式市場が上昇して始まったことを受けてクロス円全般に小幅反発。「厳密に言えば、香港株とクロス円に何ら関連性はないが、
カネ余りという意味では共通項があるのだろう」(外銀)との指摘もある。
主要国の中央銀行が大量の流動性供給政策を維持し、金融引き締めに慎重な姿勢を保っていることを背景に、いわゆる「カネ余り」が生じ、香港株式市場や原油相場、クロス円などに余剰資金が流入しているという指摘はこれまでも多く聞かれ、クロス円以外の為替相場にも影響を及ぼしつつある。
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