観光立国への提言
観光立国懇談会(第4回)議事録
○木村座長 それでは、ただいまから「観光立国懇談会」の第4回会合、最終回を開催させていただきます。御多忙のところ、お差し繰りいただき、誠にありがとうございます。 早速でございますが、お手元にございます本日は報告書(案)を本懇談会の最終報告として決定することについてお諮りさせていただきます。
お手元に今、お配りしてありますものは、これまでの議論を踏まえまして、起草委員の方々とも御相談させていただきながら作成したものでございます。
ここで、本案を本懇談会の最終報告として決定したいと思いますが、よろしゅうございましょうか。
(「異議なし」と声あり)
○木村座長 ありがとうございます。それでは、懇談会としてこの報告書を総理に提出させていただきますので、プレスの入室をお願いいたします。
○小泉総理大臣 早いね。
○木村座長 これから余韻を楽しんでください。
(報道関係者入室)
○木村座長 それでは、「観光立国懇談会報告書」ができあがりましたので、提出させていただきます。
(木村座長より小泉内閣総理大臣へ報告書手交)
○小泉総理大臣 「住んでよし、訪れてよしの国づくり」、これはいいね。これもワンフレーズっぽい。
○木村座長 それでは、総理からごあいさつをちょうだいいたします。
○小泉総理 皆さんお忙しいところを立派な報告書をまとめていただきまして、誠にありがとうございます。それぞれの分野で見識を持った皆さん方の御意見を尊重して、これから観光は日本を興す基幹産業だという認識を持って、政府を挙げて民間の皆さんの御協力も粋ながら取り組んでいきたいと思います。誠にありがとうございました。
今後ともよろしくお願いいたします。
(報道関係者退室)
○木村座長 ありがとうございます。観光は基幹産業であるという大変力強いお言葉をちょうだいいたしました。
せっかくの機会でございますので、今、余韻を楽しむと申しましたが。
○小泉総理 今日は後もたっぷり時間があります。
○木村座長 委員の皆様方からこの懇談会に参加された御感想とか、今後、こういうふうにしてもらたいとか、それぞれの思いを簡単にちょうだいしたいということでございまして、お1人2、3分ということになっておりますので、よろしくお願いします。
順番は本日日経新聞に社説をお書きくださったと思われる小島委員から、こういうふうに回って、最後、島田さんまで行くと、そういうことで誠に恐縮ですが、お願いします。○小島委員 勉強させていただきまして、どうもありがとうございます。
先ほど伺ったところ、総理は早速訪欧に当たってトップセールスをやっていただくというのでみんな喜んでおります。是非ともそれをスタートに、実のあるものになれば思っております。
日本の物価が高いから来ないという人もいますけれども、幾ら高くても来たいという魅力の高さ、それが大事だと思うんです。本当に魅力の山が高く、文化があれば、何が何でも来るという人がいるわけで、そういう人たちは国に帰っても大変影響力のある人なんでしょう。ですから、安ければいいという発想ではなくて、高さ、質を求めた観光立国を考えるのが基本だと思うんです。それで安いに越したことはない。余り安過ぎると、お金は全然なくて、ピッキング・マシーンだけ持ってやってくる人がいますから。
これは昔のエピソードですが、日本が人に対して国、社会を開いているかという議論になります。1つの非常に意地の悪いショークは、ボートピープルが問題になったとき、太平洋でボートピープルが発見されたと。発見した船があったと。日本の船だったらパス、救い出されたくない。ほかの国の船が来るのを待つというジョークがありましたので、それは別としまして、日本に潜在的な魅力を全体的、総合的に仕立て直すということと、魅力の再発見もして、ある魅力を最大限に生かせればと思います。大変重要な分野だと思いますし、意外と我々の議論が始まってから、いろんな人から手応えがある反応がありましたので、私、自身力付けられております。
いろいろありがとうございます。
○佐藤委員 今回はいろいろ勉強させていただきまして、ありがとうございました。いろんなところで話を聞いても、日本文化に対する、日本の生活に対する興味というのは海外の方にもたくさん持っていただいているようです。ではなぜ来日しないかというと、どうしても高いというイメージが先行して、来るという行動に結びつかない。そこでもう途切れているんじゃないかと。そういう意味ではこちらで招いていくというか、近付いていくことがすごく大事になってくるのではないかと思います。
もう一つは、日本人自体の生活の質というものを日常のレベルで上げていかないと、やはり海外の人に魅力になる質の高いものというのは提供できないのではないか。それは日本人が例えば、文楽とか、そういうものを見に行くというのも、さっき美術のお話もございましたけれども、まだまだそういうものを楽しむことは一般的ではありません。そういうものをみんなで楽しんでいく。大切に飾っておくだけではなくて、もう少し生活の中に取り入れるということも含めてやっていくことが必要です。そうなってはじめて、日本のよさというのをもっと発信できるようになるのではないかと思います。
そういう意味では、一人ひとりの日本人にとっても、観光ということに携わっていくことにはとても意味があります。商売としてというだけではなくて、人に来ていただいて、喜んでいただくという精神の高揚にも非常に関係のあるテーマではないかと思っております。
私自身もこういう機会に勉強させていただいたので、普段関西におりますけれども、関西の観光ということについても、いろいろ考えて、何お手伝いができればと思っております。
どうもありがとうございました。
○高階委員 この懇談会に参加させていただいて、私も随分多くのことを教えていただきました。特に日本は、今、お二人もおっしゃったように、観光資源というのが非常にたくさんある。事実これまでもあって、ただ、それが生かされていないということが大変大きな問題だということがはっきりしてきたと思うんです。それは自然の魅力もあるし、文化の蓄積もあるし、歴史の遺産もあって、それが外国の方とか、あるいは日本の中でも十分に結び付いていない。ばらばらの分野である地方のお祭りが人気があるということはあるんですが、それが1つの国としての発信の力になっていないのが大きな問題だということを感じました。
したがって、この懇談会の中の報告にもございます観光という言葉を見直す。光を観るということは、ここで出ておりますけれども、国の光というのを本当に輝かせる方策というのをみんなで考えていく必要があるだろう。そのためには、隠されている、まだ輝いていない資産をどうやって生かしていくかということを是非、官民ともに考えていくことを具体的にしていただきたいと思います。
特に私の今の美術の分野など、多くの美術館もできましたし、作品は勿論、さまざまなところにあるんですが、先ほどお話しにございました世に出ない、知られないものも多くございます。美術館ばかりできて、博物館、美術館、ハコモノ行政という批判もあって、私はハコモノ行政というよりも、カラバコ行政ではないかという感じで、中身のないものがいろいろできていて、ハコは結構なんですが、そこに中身を詰める努力をいろいろしたい。
これは勿論、国で集めることも必要ですし、あるいは民間の協力を得て拝借してもいいし、それを世界にアピールしていく。外国から来られた方は、外国に行っていますと、日本は遠い、高いという一般のイメージがあるんですが、来られた方はこんないいところはない。ポスピタリティーはいいし、安全だし、食べ物はうまいしと。ただ、こういうものを見たいと思ったら見られなかったということがあるものですから、それがかなり大きいので、今後、ネットワーク化、それから公開ということ、これは民間の努力も必要ですし、国の方でも必要だと思います。さまざまな形で国の光を一層輝かせていく、そういうことが大事ではないかと感じました。
以上です。
○木村座長 ありがとうございました。遠い遠いと言いますね。
○高階委員 時間から言うと、ヨーロッパからアメリカ西海岸まで結構かかるわけですけれども、イメージだと思います。
○福川委員 1つの国家デザインとして観光を位置づけていただいたことは私も大変心強い限りで、これは、これからのみんな努力の指針になると思っております。大変ありがとうございました。
今、総理も東京の魅力ということをいろいろな場で強調していただいております。今、都市開発でNYLONという言葉がはやっておりまして、ニューヨークのNYとロンドンのLON、NYLONという都市開発が非常にはやっております。御存じのように、ロンドンではドックランドというところでやっておりますし、ニューヨークもいろいろ情報機能を入れて都市開発を進めております。是非NYLONTOK、NYLON東京、是非そういうことで、これは東京だけを言うと地方から怒られるかもしれませんが、都市の魅力を強調することができればありがたいと思っております。
それから、是非力を入れていただきたいのが教育であります。若い人たちが日本の魅力といいうものを考えていく。日本の歴史とか文化を十分認識するというのは非常に大事であろうと思います。
N響の定期演奏会に行っても、あるいは歌舞伎に行っても、年配者が非常に多いんです。中にちらちらと若い人もいらっしゃいますが、やはり若い人がもっと日本の魅力を勉強してもらうことが非常に大事だと思います。
若いセンスを取り入れるということも必要だと思いますし、日本も『千と千尋の神隠し』などが賞を受けたりしますけれども、映画とか映像とか、文化の伝達手段になるものをもっと力を入れる。金も人材も入れる。そういうような形にして、若い人も古いものを勉強していただくと同時に、また新しいものをつくり上げていくということが非常に大事なんではないだろうかという気がいたしております。
今、皆さんからも質の高い観光というお話がございまして、これが実は非常に大事なことだろうと思います。実は日本にもいろいろな財団があります。これは藤井さんのような大きいところもありますが、民間でも、例えば企業が持っている財団というのは幾つもございまして、それなりにやっています。言ってみれば、小さくばらばらでやっているのが現状ではないかと思います。
これから報告書をいろいろフォローしていくということになりましょうし、また、力を入れるべきところは力を入れていくという目鼻立ちをはっきりした形で施策が展開していくと思います。今、民間の財団もあれば地方もやっておりますが、是非それをネットワーク化して、どういうところがうまく行っているか、行っていないか、そういうところを盛り立てていくような、みんなの力が発揮できるような形のものに是非していきたいというふうに感じております。
特にこれから地方が非常に大事ですし、総理のおっしゃった一村一品運動観光版というのは大変すばらしい構想だと思います。みんながアイデアを競い合う雰囲気をつくるという形にできると、大変頼もしいし、効果が上がると思っております。
どうもありがとうございました。
○藤井委員 観光を国家の戦略の1つの中枢に据えるということを総理御自身でなさいました。そのイニシアチブに敬意を表したいと思います。考えれば考えるほど、観光というのは日本にとって非常に重要であると思います。その重要性がこの報告書にございますのは、外国人の観光客を呼んでくるという経済効果だけでなくて、それも大きいことでございますけれども、日本の文化、社会はすばらしいものがあるので、それを世界の人と分かち合うんだという思想でございますけれども、それを分かち合うことによって更に日本の文化が輝きを増す。この考え方というのは、世界のだれに会っても、堂々と言って、それがまた日本の1つの大きな世界に対する貢献と申しますか、そういう側面があると思いますので、1つの大きな日本のアピールになってくるじゃないかと思います。
この報告は、もう一つ、ここで言っておりますのはオールジャパンでやっていく。総理、内閣の指導の下に各省、地方、民間、オールジャパンでやっていくということてございますけれども、それはとても大事なことであると思いますし、この報告は多分、非常に抽象的でございますけれども、霞ヶ関にずっと私もおりましのたで、お経という言葉がございますが、抽象論ではあるけれども、お経ではないと思います。非常に中身がある。実務の参考になっていくんじゃないかという気がいたします。フォローアップについて2点だけ申し上げたいんです。
1つは、先ほど出ました観光の質ということ、これは非常に大事でございまして、そういう面から言っても、欧米、特に欧州からの観光客をもっともっと誘致してくるということがとても大事であろうと思います。
第2点は、今朝の小島さんの社説にあれしたわけではございませんけれども、観光のマーケットは全く国によって違いますので、中国とニューヨークでは全然違いますので、出先で在外の公館と各機関の出先とか、日本人商工会議所とか、官民横断でみんなで日本の魅力をここでどういうふうに発信したらいいか、あるいは戦略を考えて、どんなマーケットがあって、どんな人に発信していったらいいか。そういうことを内閣の主導の下にそういやっていくことが望ましいと、これは私個人の考えでございますけれども、思います。
○マリ・クリスティーヌ委員 日本国籍になって始めて出させていただいた懇談会で、非常に私にとって意義深いものでもあるわけなんですけれども、外国から日本を見たときの魅力というのは、これだけ日本に長く住んでいるので、海外から来たお友達に日本を見せるときに、まず東京を見せるときには、浅草とか秋葉原という状況にどうしてもなってしまうんですけれども、やはり目玉というのはすごく大事だと思うんです。この前、木村先生からお話が出たと思うんですけれども、皇居の話はしてもよろしいんでしょうかということだったんですが、やはりイギリスのバッキンガム宮殿とかウィンザー城とか、また、ベルサイユ宮殿に入れるということは、すごく観光する方にとってもすばらしいことで、70年前に大阪城ができているんです。昔からの大阪城ではないですし、35年前に名古屋城もできているわけです。特に昔からあったお城がそのままではなくて、再現しているわけですから、今年は東京にとっても江戸開府400 年でして、それで江戸が一番栄えた時代の江戸城というものをもう一回再現できたらすばらしいなと、外国から来られる方にも見やすいですし、むしろ江戸時代の美術とか、すばらしい日本の文化というのは見せどころとしてはとても美しいものが多いと思うんです。
今、東御苑のところに二の丸があるんですけれども、あそこは一般客も夕方4時まで入れるわけですから、二の丸のところに、もう一度国家事業として江戸城を再現して、それですばらしい江戸時代の美術館であるのならば、中に住われている方々にも御迷惑にはならないと思いますし、ちゃんと仕切ることもできると思うんですけれども、そういう何か江戸を、東京を象徴するようなものがそこにできてくれば、日本に来る目玉の1つでもありますし、ある意味ではイベントにしてみても、オープニングのときに、日本を挙げてのイベントづくりもできるわけなので、もしかしたら一石二鳥になるかなと思って、これからだということですので、アイデアとして是非温めていただければと思います。
○寛斎委員 2週間ほど前に北海道の真ん中辺りにおりまして、そのときに生まれて始めて北海道の真ん中にうかがったんですが、まあ、日本は美しい国だと、しみじみ感じまして、明日からは実は知床半島に1週間ほど入る予定です。これはその美しさを味わうという、ただひたすらそのためで、私ごとになりますが、娘の娘を連れていって、日本国というのはこんなにきれいなんだということをちゃんと伝授したいということで同行者になっております。
本当に若いときに海外での仕事を主としましたので、昨今、日本各地を回らせていただいて、とても美しい国だなということをしみじみ思っております。
2、3日前の小泉首相が御挨拶されましたカリスマの会合にも出席させていただいたんですが、カリスマの方々のお話を伺ったときに、熱い人がいる国なんだということをこれまたしみじみ感じまして、今回のこのテーマ、私は立場上で言うと、人生の最優先の位置づけにしておりますが、日本国の運営をそういう方向にということで、これまたしみじみ考えますと、ひょっとしたら今、私たち国民は、いい政府に運営していただいているなとも、これもまたかなり真剣に感じております。
そういう激動の価値観の場にこうやって座らせていただいたということは誠に光栄だなということで感謝をさせていただくと同時に、是非、親の皆様方がますます踏ん張っていただいて、いいお国にしていただきたいと思っております。
ありがとうございました。
○木村座長 ありがとうございました。元気が出ます。
○青山委員 まずもってこの場に加わらせいただきました、本当にありがたく、また、すばらしい委員の皆様方と御一緒させていただいて、勉強させていただいて、本当にありがたく思っています。
先日、旅フェアが行われまして、総理にもおいでいただいたと思いますが、観光の関係者は大変張り切っておりました。このままではいけない。これは本当に本腰を入れてやっていかなくちゃいけないと意気込んでおりまして、それだけでも空気が伝わっているのではないかと思います。
カリスマにも私も参加をさせていただきましたが、冒頭のごあいさつで、国民の皆さんたちが、ああ、本当に国を挙げてやるんだなというのを感じたと、後で皆さんおっしゃっておられました。大変よかったと思いますし、また、大学生の方たちが大勢いらっしゃって、観光に大変関心を持っておられたということも、私も心強く思いました。観光カリスムに選ばれた皆様方、さっき熱いとおっしゃいましたけれども、共通するのは、哲学と信念と誇りと愛情、熱意、そういうものに満ちあふれた方たちなんです。
例えば小布施町の町長さんと小布施堂の先生がおられましたけれども、実はそこでキーワードになっているのは、マリさんも日本の文化を非常に深く理解していてくださるんですが、セーラさんという外国の女性が、日本の文化を守るために、土壁の伝統を守るために蔵を、自分ではないんですが、小布施堂のカリスムに選ばれた方のところで働いていらっしゃるんですが、それを守っているという、確かに日本の方と外国の方、日本が好きで住んでいらっしゃる方の力を会わせて、是非いい町づくりを進めていただきたいなと思うんです。
あそこに選ばれた方だけではなくて、100 人も200 人もいるくらい、全国の町で頑張っている方たちがいらっしゃいます。やることは彼らが多分やると思いますが、力の面で少々足りない部分もあるんですね。ですから、もし何かサポートしていただけるようなことがあるならば、是非国としても支えていってほしいなと思います。是非そういったところに、こちらにいらっしゃる皆様方も御公務でお忙しいと思いますが、SPを大勢連れないでゆっくりと味わっていただいて、そしてまた外国でこういった魅力をアピールしていただけたら、そんな機会ができたらうれしないなと思っています。
今回の報告書、先ほどちょっと抽象的というお話もありましたけれども、これを大いに使っていただいて、それぞれの省庁がお考えになっておられる施策を力一杯進めていただければ本当にうれしいと思います。
今はちょっと病気の問題なので、観光業界というのはかなり厳しい状況にあると思うんですけれども、こういった時間を利用してと言っては何ですけれども、交通標識の問題だとか、やれることは速やかに体制を整えて、今度タイミングが来たときに、いつ外国のお客様が来ても、温くお迎えができるような体制を取っていただきたいと思います。
教育のことについて、大学のお話がありましたら、ある観光に携っている方が、大学生もいいけれども、是非子どものころからいろんな方たちをお迎えするとか、おもてなしをする心を培うような取り組みもしていただけないだろうかというお話をいただきましたので、ここでもう一度言わさせていただきたいと思います。
本当にどうもありがとうございました。
○木村座長 小布施でやる会議をオブセッションと言うんです。古い蔵を酒場にして、蔵部と言っているでしょう。非常にしゃれていますね。台風の中でも仕事をしていたというんで台風娘と言われているんです。だれも婿の来手がないと本人は嘆いています。
○石森委員 私は観光研究をやり出して今、17、18年目なんですが、今57歳ですので、40歳になる前に、それまで私はオセアニアの諸民族の研究をやっておりまして、若いところはふんどし一本で、ミクロネシアの全く絶海の孤島で1年ほど、船が2か月に1度しか来ないような島ですので、観光は全く関係なく、伝統的な文化を研究しておったんですが、そういう研究をやっている中で世界が大きく変わってきておりまして、そういう伝統的な文化がなくなって、観光の影響で新しい文化がミクロネシアでも起こった。私はそういう新しい動きを研究しないといけないというので、観光の分野に入ったんです。
当初は非常にばかにされまして、観光研究というのは学会の中でも非常に低い位置づけであって、観光研究などをするより、もっとほかに大切な、やることが幾つもあるだろうと相当批判もされたんですが、そういう中でこういう研究をやっておりまして、それは学会だけではなくて、例えば財界においても観光産業というのは、どちらかというと正当に評価されていない。また、政治の世界においても、余り観光が国家的課題であるとか、国家デザインの重要な一要素だというふうに余り認識されない。官界においてもしかりで、マスコミ界においてそうで、今は日経がたくさん書いていただいていますが。
そういような状況でしたので、私は10年くらい前から観光立国ということを提唱していたんですが、だれにも見向きもされないようなところであったわけですが、今回小泉首相の御英断で観光立国懇談会ができて、こういう報告書ができて、これは本当に隔世の感があるというか、ついに日本もそういうステージに入ったのかということで、昨日党首討論がありましたけれども、私は少なくとも、こういう観光立国懇談会を立ち上げられて、首相というのは国家デザイナーであるわけですから、国会デザインというものをさまざまな角度から国家デザインを行うということで観光立国という、これまでの内閣総理大臣ではどなたもそれを1つの重要な国家デザインのテーマと考えていらっしゃらなかったわけですけれども、今回、小泉首相がそういう御英断を下して、大変すばらしい方々で観光立国の在り方を議論することができ、こういう報告書をまとめることができたということは、その一部に私も加えていただいたことを大変ありがたく思っています。
これが絵にかいた餅に終わることなく、また、口先観光立国に終わることなく、いろいろな展開が生ずることを祈っている次第であります。
特に官邸のスタッフの皆さんがこれをまとめるに当たって、夜遅くまで、何度も夜にお電話いただいたんですが、特に小川審議官と加藤参事官、本当に日本という国は、こういう方々が頑張っていただいているから、私などは酒飲んだ後で官邸から夜遅くに電話をいただいたりして、何となく申し訳ないなという感じがしたんですが、新聞ではとかく批判されることもありますが、しかし、本当に私は今回改めて霞ヶ関の優秀な官僚の人たちの力というのを見直すことができて、そういう意味でも大変いい機会でありました。
どうも本当にありがとうございました。
○木村座長 ありがとうございました。
○島田座長代理 今回のこの委員会、短い期間でありましたけれども、集中的に勉強させていただきました。最初に非常に驚きましたのは、私、いろんな政府税調とか、いろいろ機会があるんですけれども、委員会に総理が最初から最後まで座っておられるというのはほかに例を知りません。大変特別な委員会なんですね。この委員会は、福田官房長官の御指導で行われてたわけですけれども、本当にありがとうございました。
副題に「住んでよし、訪れてよし国づくり」、これは木村先生のキャッチコピーですけれども、これはすばらしい表現だと思います。先ほど藤井委員が観光というのは自分の生活文化に誇りを持って、それを世界の人と分かち合うんだと言われましたが、まさにそれで、住んでよしというのかまず基本だと思うんです。人々が楽しく住んで楽しく暮らしていれば、ナニナニ、いいことあるんじゃないか、ということでみんなが来るという、それが観光の基本なんだろうと思うんです。それが十分書き込まれているのですばらしいと思います。
今、石森先生がおっしゃったように、総理が率先して観光客倍増の数値目標を掲げられた。総理は二言目には対日投資も倍増とおっしゃるんですね。対日投資は物とか技術、しかし、それは人間がなければだめなんで、観光と実は通じている。総理は、投資を語られるところで、いきなり観光を語られたり、観光を語るべきときに投資を語られたりするんで、とてもいいんですけれども、両者は、実は一緒になのですね。
そのことが、実は世界のメディアにいろんなところに放送されていて、私自身も国内でフォーリン・プレス・クラブでもやりましたし、昨日はアメリカン・チェンバー・オブ・コマースでも講演しましたけれど、総理が、明確な目標を掲げてやられたというのは戦後で多分始めてなんで、非常に期待が高いんです。ですから、是非これは実現していただきたいと思いますし、我々もお手伝いしたいと思います。
先ほどいろいろ話題に出ておりました観光カリスマ大会、総理が原稿を全くなしで静かにおっしゃられたのは、あれは参加された方々は真摯に受け止めてましたね。あのとき実はカリスマの皆さんは総理と別室で一人ずつ握手をして、そして、記念写真を撮ったんですけれども、あとで話を聞いたら、熱いけれども、すごく変わった人たちが多くて、結構苦労してあそこまで来ているんです。カリスマに認定されて何が一番インパクトがあったかと言えば、それまでずっと変わったことを自分はやってきたんだけれども、ようやく認められたというので、非常に町の人も喜んでくれたということらしいんです。この企画にはほとんどお金がかかっていないんです。予算も補助金も何もないんですけれども、あれは大変な効果を持っているんじゃないかと思います。もっともっと実は増えていくと良いのではないかと思います。
そういう意味では、国内でも総理は大変なリーダーシップを発揮されておられますし、連休前半に、イギリス、スペイン、フランス、ギリシァと歴訪なさる。彼らはみんな総理から直接聞きたいと思っていると思うんです。噂では聞いているけれども、どういうふうにされるだろうということで、本当に頑張っていただきたい。
私、最後に一言申し上げたいのは、小島さんなどは年中出ておられるダボスの経済会議というのがあるんですけれども、いつもあれが国会の予算審議のときにあるものですから、日本からなかなか参加が少ないんですけれども、ついせんだってもシュワブ博士に会って、特別に来年の1月には小泉総理に来ていただけないか。そういうところでまとめて日本のアピールを、レベルの高い人たちですから、3,000 人くらいの人たちにばしっとやっていただけないかということを言っています。
その次は実はアジア・ダボス会議を日本で開きたいというのが進行中で、恐らくは六本木ヒルズが手を上げるんだろうと思いますけれども、やはり都市観光ですからね。
そういうことで、ホップ・ステップ・ジャンプで行きたいので、総理は非常にお忙しくて、予算のときには大変ですけれども、もしできればダボスへ行って、私は本当に日本は投資も倍増すると、観光も倍増するぞということをばちっと言っていただいたら、これは物すごい効果があると思うのです。シュワブ博士も本気でそう考えておられますので、また後ほど御検討いただければと思います。
○木村座長 ありがとうございました。
私は本当に皆さんに感謝しています。今回、この懇談会が道路みたいにならなくて、大変なごやかに、非常に建設的な意見をちょうだいできて、本当によかったなと思っております。
あとは具体的にやる以外にないんじゃないかということです。外国の人が来ないと、意外に自分たちのいいところもわかりませんからね。
ポテトサラダというのは日本製だそうです。スイスの一番古い時計メーカーにブランパンというのがありまして、これはルクセンブルグの人間ですが、毎年赤坂の焼き鳥屋、鳥勢に食べに来るんですけれども、それは鳥を食べに繰るんじゃなくて、ホテトサラダを食べに繰るんです。ヨーロッパにないと。あれは日本のものらしいです。要するに、コロッケか何かの材料にだれかが思い付いてつくったんじゃないでしょうか。キュウリが入っていて、マヨネーズが入っていてと。
そのブランパンという会社の社長は、一昨年のスイスのバーゼルでの時計見本市のブースを日本の鳥居の赤で塗っているんです。鳥居の赤というのは安心の赤で、要するに、赤の広場とか赤旗みたいな、ああいう革命とか情熱とか怒りを表すヨーロッパの赤とは違う。日本の赤は安心の赤であると。
○小泉総理 鳥居は全部赤か?
○木村座長 大体朱の色ですね。そういうことで非常に日本を気に入っておりまして、やはり人が来てくれないと、言われてみないとわからないというところがありますので、たくさんの人が来てくれといいと思います。
来ていただくのに、街角、つまり十字路のところがよくわからないんで、案内がですね。通りの名前なども横文字で書いてあるんですが、小さくて非常にあれは意地が悪いんで、もうちょっと大きく、だれにもわかりやすく書いてもらいたい。
四つ角は特に美しく整備する必要があるんじゃないかと思います。町中全体はきたないけれどけも、特に四つ角の整備というのは一番大事じゃないか。一人で歩く人にとりましてですね。
それから、先ほど皇居の話が出ていましたが、サミットも是非皇居でなさったらいいんじゃないか。一番じゃないかと思います。一番美しいころで、あそこだったら警備も万全じゃないかと思います。
それから、寛斎さんのネクタイがいつも評判になっておりますが、寛斎さんなりに非常に日本文化を表現されて、今は鯉幟ですか。
○寛斎委員 そうです。
○木村座長 ああいういいデザインのネクタイであれ何であれですね。
○小泉総理 桜見る会に羽織袴で来た。これまた様になって決まっていたよ。
○木村座長 いいですね。外国のデザインのネクタイを買うより、よほどこれからの産業振興になるんじゃないでしょうかね。
ということで、いい日本文化を表すお土産も是非ほしいですね。
それから、若い人に古い物をという福川さんのお話があって、今、若い人はかなり古い物に関心がありまして、私どもの浜松の大学では、新作狂言を去年薪能で、学生が自分でやって、まあ、指導する先生がいるんですけれども、うまく指導してやれば、むしろ新しい伝統文化の創造ということが可能で、それは大いに力を入れた方がいいんじゃないかと思うんです。古い物だけでではなくてですね。これからの子どもや孫のために新しい伝統文化に若い人たちにこれからやっていただく。
それから、財団の話がありましたが、今、日本の企業はかなりいい、新しい文化財を持っているんです。例えば食文化について、これは全然PRとは全く関係なしに、日本編、中国編、ヨーロッパ編をビデオに撮ったりして、ああいう民間企業がやっている文化活動というのは、どういう財産があるのかわかっていないんじゃないと思うんで、これからの日本の魅力のPRのためにも活用した方がいいと思います。
ということで、基幹産業にしていただけるそうでございまして、ひとつよろしくお願いします。
○小泉総理 最近外国の人と会うと、寿司はうまいうまいと言われるんだ。今まで生ものは外国人は食べないという観念があり、今、日本の食べ物で寿司というのは、ニューヨーク、ロンドン、ロシアも含めて、世界で一番食べ物では人気があるでしょう。かつてはすき焼きだったでしょう。だから、食べ物では、寿司を食べるようになったら、てんぷらとか焼き鳥とか、すき焼きは勿論、しゃぶしゃぶ、鉄板焼き、いろいろあるよな。絶対日本人しか生は食べない。外国人は生は嫌いだという観念を打ち破った、回転寿司が。
そういうことを見ると、まだまだ日本にはおいしいものがたくさんある。これは観光は稚内から石垣じゃないけれども、全国に元気をつける。かつてのフジヤマ、ゲイシャ、ハラキリが日本のイメージだ。これは今はそんなもんじゃないでしょう。観光資源が眠っているんですよ。時々刻々時代が変わっている。大いに観光をやる。
○木村座長 フランス料理の人に言っていただきたんですけれども、フランス人のシェフはそれぞれソースをつくって、それで100 通りでも1,000 通りでもシェフがいる限りいろんなソースができるのに、日本はしょうゆ一色だとよく言うんですけれども、そんなことはないんです。
ソースというのは、いろんな素材を料理人が自分の味でコントロールしてしまうわけですけれども、しょうゆはおろしに使えばおろしの味が出てくる。刺身に使えば刺身の味が出てくる。100 の素材があれば100 の味が出せるのがしょうゆ。
○小泉総理 外人がステーキにもしょうゆを使っている。
○木村座長 要するに、あれは日本文化なんです。
○小泉総理 味の素も世界になっているし、しょうゆも今は世界になっている。
○木村座長 そういう説明をしてやってほしい。
○島田座長代理 それはいいですね。本当におっしゃるとおりですね。
○木村座長 人をだしに使うと言う、だしもそうですね。
○小島委員 日本にいる外国人は懐石風フランス料理というのを食べる。キッコーマンも収益の7割くらい外国らしいですね。
○島田座長代理 アメリカとオランダですね。
○木村座長 ということをやっているうちに時間がまいりまして、予定された議事はすべて終了しました。
本当に短い間ありがとうございました。(拍手)
観光立国懇談会(第4回)議事次第
日時:平成15年4月24日(木)
17時30分~18時30分
場所:官邸大会議室
1.開 会
2.「観光立国懇談会報告書(案)」について
3.「観光立国懇談会報告書」手交
4.総理大臣挨拶
5.閉会
いってらっしゃい・・から・・いらっしゃいへ・・!!!
今年になり、大幅に、訪日者の数が減っているようです・・
景気悪化、円高、豚インフルとか・・・
上期3割減ですね・・・
もう、6年も前から、提言されている観光立国・・
観光庁もできたけど、予算は、たったの30億円だってーーー・・
安倍さんのときは、ゲートウェイ構想に、なった・・
麻生さんになって、話にもでない・・・
地方も、輸出も、建設も、落ち込んでいる今、
需要・雇用創出、活性化には、大きな原動力になるはずなのに・・
絵にかいた餅??
江戸城を、再築するなんて、いい案なんだけどねーーー・・
こうゆう会議の議事録みると、
むなしくなるね・・・
なんで???



