東京都が抱える爆弾 高齢化、地下鉄統合、地方分権… | 東京リーシングと土地活用戦記

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★東京・リーシングと土地活用のビジネス戦記


2009年7月13日(月)
東京都が抱える爆弾
高齢化、地下鉄統合、地方分権…
加藤 修平、中原 敬太
地方分権 高齢化 石原慎太郎 東京都議会議員

 12日投開票の東京都議会議員選挙は、自民・公明の与党と民主党が対決する衆院選の前哨戦。経営難の新銀行東京や、築地市場の移転問題などが争点になった。だが、東京都が抱える“爆弾”はそれだけではない。全国でも突出した人口の高齢化や財政不安、都営地下鉄の累積赤字、地方の批判──。都議会与党が勝利の余韻に浸っている余裕はない。

「トリプルA」の虚構

 6月17日、石原慎太郎・東京都知事はスイス・ローザンヌにある国際オリンピック委員会(IOC)本部に乗り込んだ。東京都は2016年の夏季五輪開催地として立候補。10月2日の決定に向け、石原知事自らがIOCの委員たちに東京を売り込んだのだ。

 「4000億円の開催資金を手元に用意している」

 石原知事は胸を張った。対抗馬のシカゴやマドリード、リオデジャネイロに比べ、財政力で勝るとアピールしたのだ。

 この自信の裏には、米国の格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスから得たAaa(トリプルA)の格付けがあった。格付けとしては最上格で、東京都が外貨建て債券を発行する際に、有利な条件で資金を調達できることを意味している。ところが開催地が決まる直前の大事な時期に、その財政力の拠り所を失おうとしているのだ。

 ムーディーズは5月18日、東京都など地方自治体の債券を「格下げ方向で見直す」と発表した。そもそも東京都が2007年2月にムーディーズから格付けを取得したのは、日本国債よりも高いトリプルAという響きに惹かれたためだった。日本の地方自治体の格付けをビジネスとして強化したいムーディーズと債券発行体である東京都の利害が一致したわけだ。

 ところが今回の突然の見直しで、8月下旬までにトリプルAを失う可能性が強まっている。ムーディーズは「(Aa2である)日本国債の格付けを上回るのは適切と言えない可能性がある」と指摘している。

 「格付けの根拠がそんな曖昧でいいのか」。東京都の担当者は、ムーディーズの日本法人社長に詰め寄った。さらに5月18日の発表以降、個別の東京都債の格付け取得を取りやめるなど抗議の姿勢を強めている。「このままムーディーズが格下げに踏み切ったら、石原知事の怒りを抑えられない」と都の担当者はおののく。

 もっとも市場関係者の見方は冷ややか。「そもそも国債よりも高い格付けを得ていること自体、違和感がある」との声が多い。しかも、将来については、トリプルAより2格下の「Aa2」すら危ういとの声もある。東京都が大きなリスクを抱えているからだ。

高齢化で介護施設が不足

 「東京問題」。東京都以外の自治体関係者が口にするのは、東京の「独り勝ち」に対する羨望とため息が入り交じった4文字だ。企業が集まる東京は人々の働き口が多く税収も豊かだ。だからこそ五輪招致に名乗りを上げることができる。一見、順調に見える東京都だが、足元では“爆弾”を抱えている。まず1つ目は急速に進む高齢化だ。

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 もともと人口が多い東京都は、高齢者の数も並大抵ではない。東京に住む65歳以上の高齢者は、あと6年で今の茨城県全体の人口を超える。国立社会保障・人口問題研究所がまとめた都道府県の将来推計人口によると、2015年の東京都では65歳以上が316万人。2035年には390万人になり、2007年の都道府県別人口ランキングに照らせば、10番目に人口が多い静岡県の380万人を超える。

 これだけの高齢者を抱えるとどんな問題が起こるのか。厚生労働省のある官僚は「介護の分野で、問題が出てきている」と打ち明ける。念頭には今年3月に群馬県渋川市の老人施設「静養ホームたまゆら」で起きた火災がある。亡くなった人に東京都墨田区の紹介で入居した人がおり、都市部で介護施設が不足する現実が浮き彫りになった。

東京都が抱える2つ目の“爆弾”は、インフラの老朽化だ。1999年に初当選した石原知事は、10年にわたって財政再建を進め、道路や建物といった設備の更新を先送りしてきた。このため高度経済成長期に建設した施設の更新が今後、ピークを迎えるのだ。

 例えば都営住宅。所得の低い人が対象の賃貸住宅で、都内に約26万5000戸ある。隣の神奈川県の県営住宅は4万5000戸強。都営住宅はケタ違いに多い。また約半分に当たる13万6000戸について、東京都は耐震診断の対象になるとしており、これから多くの都営住宅で耐震化工事が必要になる。

 都が耐震改修事業として2009年度予算案に計上したのは約59億円。「工事はこれから本格化する見込み」(東京都都市整備局)で、総額がいくらかかるかは分かっていない。都は2015年度までに都営住宅の耐震化率を90%以上にするとの目標を立てており、まとまった費用がかかり続ける。

 3つ目の“爆弾”は、都営地下鉄だ。2008年3月末で4636億円の累積赤字を抱える同事業を切り離したい都は、特殊法人から民営化を進めてきた東京地下鉄(東京メトロ)との統合を検討してきた。しかし時価総額5000億円を超えると言われる東京メトロの株式上場が秒読みとなる一方で、都営の“出口”は一段と険しくなっている。

 東京都に都営の資産と負債を残し、運営を東京メトロに任せて資産の使用料を取る「上下分離方式」も検討されてきた。だが、都営の運営を担っている公務員の雇用形態をどうするのか。「利用者のためには本来、一緒に運営されるべきだ」(石原知事)というならば、東京メトロと比べて割高な都営の運賃を値下げできるのか。値下げ後に今以上の収益を確保できるのか、など解決の糸口すら見えない。

 多額の累積赤字を、東京メトロから受け取る施設使用料だけで返済するのは現実的とは言えない。まして上場後の東京メトロには一般株主に対する説明責任が生じ、都営との統合のハードルは一段と高まる。

 そして最後に待ち受ける最大の難題は、 独り勝ち の東京に対する国や他の自治体からのやっかみだ。

 東京都税制調査会委員を務める土居丈朗・慶応義塾大学教授は「都は財政難にはないだけに、歳出削減や給与カットといった自治体固有の緊張感が乏しい」と語る。背景には地方自治体に特有の「標準税率」という問題もある。

 地方税は地方税法で基準となる税率を定められている。これが標準税率だ。自治体は基本的にこれに沿って税率を決めるが、仮に余裕があっても、標準税率を下回る税率に減税はできない。下回ると事実上、起債ができなくなるという制限があるからだ。

 財政に余裕があるとされる東京都だが、実は企業にかかる法人事業税には標準税率を超える「超過課税」をしている。「昼間の人口が多く、行政サービスにコストがかかる」(都主税局)というのが理由だ。超過分に当たる税収は2007年度に669億円に上った。

「地方分権」が最大の爆弾

 こうした企業負担に都の財政は支えられているのだが、それが地方から見ると「東京都は恵まれている」との声に変わる。くすぶり続けるのは都の税収を、ほかの地方自治体に移す「水平調整」という考え方だ。もちろん東京都は大反対だが、国の財源が痛まないので財務省は前向きだとされる。

 日本総合研究所の高坂晶子・主任研究員は「日本全体を考えて議論すべきで、東京都だけが恵まれているのは問題では」と語る。東京都と地方の税収格差を是正すれば、「独り勝ち」と言われる都の財政基盤は大きく揺らぐ。地方分権改革の帰趨は、東京都にとって最大の爆弾になる可能性をはらんでいる。

 日経ビジネス 2009年7月13日号


 いろいろあるねーーー!!!

 東京都は、人口一番だから、高齢者の数も一番、シェアも一番に、きまっているよねーー

 5年たったら、団塊の世代が、一挙に参入するんで、さらに高くなるにきまっているよね・・

 都心は、しかし、実家も、そうだけど・・じいさん、ばあさん、ばっかりめだつねーー!!

 土地、家賃、物価、高いから、若い人は、住みづらいよねーー・・