2009年”“電気自動車元年”は本当か? | 東京リーシングと土地活用戦記

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★東京・リーシングと土地活用のビジネス戦記



 2008年12月14日付けの日本経済新聞朝刊は「2009年は量産化された電気自動車が町中を走る“元年”になる」と報じた。2008年7月10日の日経新聞朝刊によると、量産・発売に最も近い位置にいると目される三菱自動車は、計画を1年前倒しして2009年から量産を開始、販売を始める。トヨタ、日産、富士重工などの自動車メーカーも2010年には相次いで参入しそうな情勢だ。


 “電気自動車元年”を宣言するためには、

 量産体制の整備のほかに、

 本格的な電気自動車ユーザーが存在すること、

 充電が手軽にできるようなインフラが整備されること
――という条件が必要になる。

 これら3つの条件を検証してみる。


続々と出てくる量産計画

 「2009年は量産化された電気自動車が町中を走る“元年”になる」とする囲み記事が2008年12月14日付けの日本経済新聞朝刊に登場した。果たして今年が本当に電気自動車元年になるのか、
それとも単なる希望的観測なのか。

電気自動車の普及には、
電気自動車の量産体制が整うこと
それを購入したいという本格的なユーザーが存在すること
ガソリンスタンドに相当する充電のためのインフラが整備されること


企業が営業車として計画
 次が、ユーザーである。これまでのところで名乗りを上げているユーザーを見ると、一般企業、電力会社、自治体に大別することができる。一般企業が動き始めたことが最近の大きな特色
である。2008年10月25日の日経新聞朝刊は、武田薬品工業が東京都と神奈川県を中心として営業車に富士重工の電気自動車をリースで導入するという計画を記事にした。
 続いて2008年12月3日の日経新聞朝刊は、三菱自動車が発売する電気自動車を営業用に50台導入し、東京都や神奈川県、京都府に配備するという田辺三菱製薬の計画を伝えた。同社は大阪、九州などでも電気自動車を順次拡大していくという。さらに、2008年12月30日の日経新聞朝刊は、ローソンが2009年夏をメドに営業車用として三菱自動車の電気自動車を150台導入すると報じた。ローソンでは運用状況を見ながら、全営業車1600台に拡大することも検討するという。

 一般企業とは言い難いかもしれないが、2008年11月26日の日経新聞朝刊は、郵政事業会社の計画を紹介した。同社が保有する乗用車2000台を来年度から順次電気自動車に切り替え、3年後には集配用の軽自動車2万2000台全部の切り替えも開始するという。また、2008年11月21日の日経産業新聞は三菱自動車が「i MiEV」を成田空港の保守点検車両用に納入したという話を記事にしている。
 電力会社による電気自動車の導入計画を見ると、東京電力が2009年度に営業用車を300台導入(2008年11月17日日経新聞朝刊)、関西電力が2020年までに業務用車両の半分にあたる1500台の電気自動車を導入(2008年12月19日日経新聞朝刊)、中部電力が2020年までに業務用車両の4割にあたる1500台を電気自動車に代替え(2008年12月26日日経新聞地方経済面)、北海道電力が2020年までに電気自動車などのエコカー100台を営業用車両などとして導入(2008年11月12日東京読売新聞朝刊)などのニュースがあった。
燃料電池車か電気自動車か

  電力会社が電気自動車の導入に熱心な背景には、電力会社として独特の思惑があると思われる。未来の自動車が燃料電池車になるか、それとも電気自動車になる かは電力会社の経営を大きく左右すると見られるからである。2008年9月における乗用車の保有台数は5782万3733台という統計がある。概算とし て、これを6000万台と考える。ホンダがリースする最新の燃料電池車に搭載された燃料電池の出力は86kWであり、これも概算で100kWと考える。一 方「i MiEV」のリチウムイオン電池の容量は16kWhであり、一回の充電で160kmの走行が可能だという。

  もし、将来のある時点で日本の乗用車がすべて燃料電池車になったと考えると、車に搭載された燃料電池の発電設備容量は全体で60億kWに上る。これに対 し、現在の電力会社が保有する発電設備の全容量は2億kWである。もちろん、将来の自動車保有台数がどう変化するか、燃料電池車になるとしてもそれがいつ 頃か、といった点は極めて不確実であり、そういう意味ではこの試算は単にイメージを掴むという以上の意味はない。とはいえ、燃料電池車が普及する方向に進 むことになれば、設備容量の観点から見る限り、電力会社はその存在意義が希薄になっていく。

  電気自動車という方向で進んだ場合はどうだろう。同じく6000万台が電気自動車になると、蓄電容量は9億6000万kWhとなる。これも概算で10億 kWhと考える。1台あたり、年間に100回充電し、1万6000km走行すると仮定すれば、電気自動車が消費する電力量は約1000億kWhに上る。日 本の電力会社の発電量は8477億kWhだから、電気自動車になることで電力需要が約12%増大することになる。しかも、車への充電が夜間に行われるよう になれば、電力需要の平準化にもつながり、電力会社にとって電気自動車が普及することのメリットは計り知れないほど大きい。

 自治体による導入計画としては、さいたま市や横浜市、京都市、島根県太田市、北九州市、大分市の計画が記事として取り上げられたが、いずれも規模は小さく、今回はその詳細について触れない。

充電スタンドの整備始まる

 三番目の条件は充電スタンドなどのインフラ整備である。2008年6月22日の日経新聞朝刊は、イオンが三菱自動車などと協力してショッピングセンターの駐車場に充電スタンドを設置すると伝えた。2008年9月3日の日経新聞朝刊は、伊藤忠都市開発が電気自動車対応型の分譲戸建て住宅を販売するという記事を掲載した。

 東京電力の取り組みについてはすでに 本コラムで紹介 したが、繰り返すと、首都圏で大学やショッピングセンターなどに協力を求め、2009年度中に最大で200カ所、3年間で1000カ所に、急速充電ができる設備設置を計画している(2008年8月8日日経新聞朝刊)。続報として2008年9月18日の日経新聞朝刊は、東京電力が千代田区の民間ビル内で充電施設の実証試験を開始したと伝えた。

 2008年12月4日の日経新聞朝刊は、昭和シェル石油が自社のガソリンスタンドに電気自動車用の急速充電器を設置すると発表したと報じた。さらに2008年12月10日の日経新聞朝刊は、米国の充電インフラ設置会社のベタープレイスが日本法人を設立し、事業を開始するというニュースを掲載した。
 どうも電気自動車が普及するすべての条件が動き始めたように思われる。その上、経済産業省や環境省、地方自治体などによる普及支援策も出そろった感がある。冒頭の記事にあった“電気自動車元年”という見方も、誇大表現とは言い切れないようである。世界的な不況で、自動車業界にも大きなかげりが出ているなか、電気自動車元年がどんなインパクトをもたらすか、一つの明るい材料になることが期待される。
という3条件が不可欠である。今回は、これらの条件に関する報道を検証してみたい。

 まずは「量産体制」である。量産・発売への道が最も具体化していると思われるのが三菱自動車である。★東京・リーシングと土地活用のビジネス戦記
2008年7月10日の日経新聞朝刊によると、三菱自動車は従来の計画を1年前倒しし、2009年から一般消費者向けに電気自動車を売り出すという。軽自動車をベースにした「i MiEV」で車両価格は200万―250万円???台の価格帯、今年の4月にも同社の水島製作所(岡山県倉敷市)の軽自動車生産ラインで量産を開始する計画である。

 富士重工業も早い時期から電気自動車の発売計画を発表しており、2009年には軽自動車の「ステラ」をベースにした車両を自治体や法人向けに発売するという。2008年10月3日の日経産業新聞は、富士重工が電気自動車の事業化を担当する「EV事業推進室」を設置したというニュースを掲載している。さらに、2008年12月27日の日経新聞朝刊は、「電気自動車でもトヨタと連携していく」とする森郁夫社長の談話を紹介した。
 そのトヨタだが、2008年8月29日の東京読売新聞は、トヨタが電気自動車の量産体制を2010年代の早期に整え、市場に本格投入するという計画を伝えた。一方、2008年7月23日の朝日新聞夕刊は、日産自動車が2010年に米国と日本で電気自動車を発売すると報じ、その上で同社とルノーが普及に向けて米テネシー州政府と提携したと伝えた。さらに、2008年8月7日の毎日新聞朝刊は日産の実験車両公開のニュースを紹介した。
 これまで、電気自動車の供給といえば日本、海外ともに、ベンチャービジネスが細々と挑戦してきたに過ぎない。そこに三菱をはじめ、大手自動車メーカーが2009年から順次、市場に参入することになる。第1の条件である量産体制については、確かに2009年が元年と呼ぶにふさわしい年になりそうである。

鳥井 弘之 氏 (とりい ひろゆき)
NPOテクノ未来塾理事長、科学技術振興機構JST事業主幹
1942年東京都生まれ。1969年東京大学大学院工学系研究科修士課程修了。1969年日本経済新聞社入社、1987年より論説委員を務め、2002年日本経済新聞社退社。2002年から2008年3月まで東京工業大学原子炉工学研究所教授。また、科学技術・学術審議会臨時委員などを務める。

日経BP 2009.1.22



先日のニュースで、コンビニにも、充電施設を考えているとの話がありました。

楽しみですね・・!!