政略にまみれ始めた「たばこ1000円」構想 | 東京リーシングと土地活用戦記

東京リーシングと土地活用戦記

ニーチェ・ツァラトゥストラの言葉「神は死んだ、神なんかもう信じるな」「強い風が吹く所に一人で立て!そこは非常に厳しいけれど、人間自分自身が主人公だ!風を受けて孤独になれ!」「真理などない。あるのは解釈だけ」いいねー。スバム読者申請コメント削除します。



政略にまみれ始めた「たばこ1000円」構想


 「たばこ1000円」構想が大きな話題を呼び、自民党税制調査会も論議していく方針を決めた。福田首相にとっては消費税引き上げ回避の格好の代替案となっている。政治的にはそこがポイントだ。

 消費税をめぐる本格論議が必要な段階にあるのはいうまでもない。だから、自民党税調は例年なら秋に始める税制改正論議を7月1日に開始した。

 だが、「決断すべき時期」などとしていた福田首相も「2-3年内のこと」とトーンダウンし、党税調の雰囲気も「消費税引き上げでは総選挙は戦えない」といったところが大勢のようだ。

 与謝野馨氏ら「財政再建派」は消費税10%程度を想定した論議の必要性を強調している。まさにその通りかとは思うが、いまの政治状況を考えれば自民党が躊躇するのも当然といえば当然だ。

 消費税導入のときの税調会長、山中貞則氏は自身が選挙で落選する憂き目を見た。消費税に対する国民の理解はその当時に比べて相当に深まってきているようだが、選挙を戦う身としては「増税を掲げては選挙にならない」ということになる。

 民主党は本来は消費税引き上げ論に立っていたはずなのだが、ここも政略優先で、断固反対の方針を打ち出した。福田政権には、消費税を真っ向から取り上げて、多角的に論議していくパワーはないと見ていい。衆参ねじれ構造による政治の停滞はここにもあらわれている。

 「たばこ1000円」を主唱した日本財団の笹川陽平会長は、欧米並みの価格にすることで財源確保をはかり、さらには、喫煙率の低下、健康被害減少、国民医療費抑制といった効果を強調していた。

 40年来のスモーカーである筆者としても、笹川氏の主張は理解できないわけではない。1000円になったらたしかに痛いが、その分を節約し、せっせと原稿を書いて稼ぎ出せばなんとかなる。たばこというのは個人の趣味嗜好の話であって、吸うか吸わないか、健康への影響をどう考えるかは、それぞれの自己責任で決めればいいだけのことだ。

 そこでひそかに「買いだめ」を始めた。「タスポ」というあのいかがわしいカードなど使う気にはならないから、コンビニでカートン買いだ。泊り込みの地方講演などでは、何箱かカバンに突っ込んで出かける。

森永卓郎氏は冷凍保存するというが、たばこを冷凍しても大丈夫なのかどうか、そこを知りたいところだ。冷凍可能なら、特別の冷凍庫を買おうかとも思う。1000円になって、たばこを吸う「自由」を奪われるというのはなんともくやしいではないか。自由を貫くために、たばこ購入資金を確保すべく、あらゆる努力を費やそうと思っている。

 非喫煙者に迷惑がかかるということで、「分煙」という手法が定着した。このうえは、さらにレベルアップした排煙、消臭の手段を関係者は考え出してほしい。世の中にはたばこを吸う人と吸わない人が並存しているのだから、そうした「知恵」をしぼる以外にない。

 この稿で言いたいのは、笹川氏の期待とは裏腹に、「たばこ1000円」が政略にまみれ始めているということだ。「上げ潮派」の中川秀直氏は自身が1日2箱のヘビースモーカーだが、たばこ増税に向けての議員連盟をつくるなど、先頭に立っている。消費税回避が最大の狙いであるのはいうまでもない。

 来年度から基礎年金の国庫負担が3分の1から2分の1に引き上げられ、この財源2・3兆円の確保が迫られている。消費税1%は2・5兆円の税収になることから、消費税引き上げを当然の前提としてきた。それが、「たばこ増税」構想によって、いとも簡単に政治の舞台から消えようとしている。

 おそらく落としどころは500-600円程度への値上げである。1000円なら9兆円の税収が見込まれ、喫煙者が3分の1に減っても3兆円は大丈夫といわれてきた。500-600円にしたら、喫煙人口の減少はどれだけ食い止められるか。その次第によって、税収規模が変わってくる。

 これに、特別会計や独立行政法人などの剰余金といった「埋蔵金」が加わる。たばこの値段をどうするかは、基礎年金国庫負担分をどういう組み合わせなら確保できるか、という計算次第ということになる。

 矮小化された政治の実態が、そこに浮かぶ。後期高齢者医療制度の不手際、年金5000万件の未処理といった当面の問題もさることながら、医療、年金、介護の将来構想の全体像を分かりやすく国民の前に提示し、判断を仰ぐのが政治の本来の姿だ。そこには財源確保策としての消費税が不可欠の要素となる。

 おそらく大連立が成立していたら、消費税の大幅引き上げが最大のテーマになったはずである。ドイツのメルケル政権も大連立だからこそ、消費税引き上げが可能になった。その絶好の機会を逸したという点で、大連立構想の破綻は日本政治の成熟を遅らせてしまった。

 たばこ1000円」が政治家たちの「サボリ」の材料として使われている。提唱者の笹川氏としても、そういう状況では当初の真摯な思いとは違うという気持ちを抱いておられるのではないか。

 もっとも、これが政治だ、という言い方もできる。福田政権としては、消費税論議など可能な限り先送りして、とにかく1日でも長い政権維持を目指す。自民党は「いま総選挙はとてもではないが戦えない」という思惑から、これに付き合う。

 民主党は本来の政策理念を捨てて、政略優先で消費税引き上げ反対を掲げ、政権を揺さぶる。この対立の構図には、もう慨嘆する以外にない。

 「たばこ1000円」構想は、はしなくも、大きな構想力を失った日本政治の実態を暴きだしてくれたといえるかもしれない。




花岡 信昭(はなおか・のぶあき)氏

現職
ジャーナリスト、産経新聞・客員編集委員
読売新聞・新聞監査委員会審査委員
慶應義塾大学院(法学研究科)、国士舘大学院(政治学研究科)、日本大学(国際関係学部外交官養成講座)、跡見学園女子大(マネジメント学部)、大東文化大(法学部)、尚美学園大(総合政策学部)、麗澤大学(公開講座)各講師

略歴
1946年長野市生まれ。69年早大政経学部政治学科卒、産経新聞東京本社入社。社会部を経て政治部。政治部次長、政治部長(日本の新聞社で戦後生まれの政治部長第1号)、編集局次長、論説副委員長などを歴任。2002年産経新聞退社、評論活動に入る。2007年産経新聞客員編集委員。

所属組織・学会など
日本記者クラブ会員、日本政治学会会員、日本マス・コミュニケーション学会会員、早稲田政治学会会員、日本戦略研究フォーラム評議員、民間憲法臨調代表幹事、学校法人郁文館夢学園監事、NPO法人全国介護者支援協会理事、ユーラシア21研究所客員研究員

著書
小泉純一郎は日本を救えるか(PHP)/小沢新党は何をめざすか(サンドケー出版局)/沈黙の大国(扶桑社)/竹下登全人像(行研)/深紅のバラを検証する-日本社会党の研究(東洋堂)/政治家に学ぶ実力倍増法(山手書房)/美濃部都政12年の功罪(教育社)

連載コラムなど
産経新聞で毎週、政治コラム連載。そのほか、正論、諸君、VOICE、WiLLなどに論文。ほぼ日刊のブログ、メルマガで、政治、メディアなどを中心にコラム発信。

ブログ
http://hanasan.iza.ne.jp/blog/
メルマガ
http://www.melma.com/backnumber_142868/


 
花岡氏のコラムは、定評もあり、とてもおもしろいです。

わたしも、35年のスモカー、やめられないんですよねーーーー

今日、八王子のオーケースーパーで、マイルドセブンを買おうと、自動販売機に千円札を入れたら、

タスポのリーダーが付いていて!!!! がっかり??? 




八王子のオーケースーパーつくったの、わたしですけど、この仕打ち、ひどくない???

なんて、言いたかった!!!

わたしも、花岡氏、森永氏のように、買いだめしましょうか???

アーーー 健康に悪いし、迷う!!! mareesiaさんとこ、いこうか???

それと、知り合いのコンビニの開発の方が、今月から、タスポが導入され、

自販機ではみんな買わないで、コンビニのたばこの売り上げが、

いっきょに上がっています
って言っていました。冷凍とか、買い占めもあるかもね!!