演技終了から5分がたっていた。安藤は祈るような表情で、得点を待つ「キス&クライ」に座っていた。SPで3・97点差をつけられたキム・ヨナを抜けるのか、直前の演技で世界記録をマークし、首位に立った浅田を逆転できるのか…。掲示板に「1」の順位が浮かぶ。逆転優勝に両手で顔を覆うと、モロゾフ・コーチに抱きついて号泣した。
「いろいろなことがあって…。トリノ五輪の後、本当につらい時期があった。本当に言葉にならないくらいうれしい」。15位に終わったトリノ五輪から1年。世界女王へ上り詰め、つらかった思いを涙とともに流した。
抽選で引き当てた最終の24番滑走。米ニューヨークの専門店で70万円で作った赤い衣装に身を包み、冒頭の3回転ルッツ—3回転ループをきれいに決めた。続くジャンプは前日に挑戦を宣言し、試合前の公式練習でも3度挑戦して2度決めていた4回転サルコー。だが「金さんや浅田さんの得点を耳にしていたし、自分の持っている力を出し切ることだけ考えて3回転にした」と言う。ミスなく終えた演技は自己ベストの127・11点。フリーでは浅田に次ぐ2位だが、合計で浅田をわずか0・64点上回った。
「代表に選ばれ、何でと思われた方もいた」と振り返るトリノ五輪時の前コーチ、キャロル・ジェンキンス氏は徹底して褒める指導法だった。甘えから練習量が減り体重は55キロまで増えた。「意識が変わった」今季は、モロゾフ新コーチに食事のとり方まで厳しい指導を受け、体調管理も徹底した。昨年12月18日の19歳の誕生日会でも、大好きなケーキに口をつけなかった。体重は5キロ減り、ジャンプは切れを取り戻した。「いろんな人の励まし、新しいコーチに巡り合えてこんな結果が出せた」。惨敗から見事に立ち直った。(スポニチアネックス)
すばらしい演技でした。感動しました!!!!!
