毎週末、辻さん宅へ通う生活がもうすぐ4年を迎えようとしている。
彼が住むマンションでの暮らしは、私のふだんの生活になじんできた。

今週、仕事帰りに元夫が運転する車を見かけた。
離婚する寸前に購入した車のままだった。

車がラッシュタイムと重なり渋滞している道中、
私は自転車を運転していて元夫の車と並びあうよう走っていたが
それがイヤでペダルをこぐ足の回転を早めて元夫の車を追い抜かした。

あんなに愛していた男だったのに、偶然遭っても顔を合わせようともしない。
自分が思っているより冷たい人間だったのかな、と思ったが
互いに必要としていないんだ、その証拠に連絡を取り合っていない。
じゃ、仕方ない。

平日は仕事、週末は辻さん宅に通うようになり
物事の憶測や人との関わり方、人生での需要と供給のバランスが一転した。
モト彼と付き合ってでも変わってしまったはずなのに、さらに加速している。

そんな日々を過ごしているなか、最近、辻さんに指摘された。
「自分といるようになって、どうもあなたは贅沢を憶えてしまったようですね」

そんな風に言われて、思わず口が「へ」の字になってしまった。
理由はチマチマと服やらバッグやらを買いこむ私への当てつけからきている。
けどホテル内の料亭や鉄板焼で当たり前のようにご飯を食べて呑んで
スーツや洋服、靴なとデパートにて季節の新作をおさえている彼に言われたくない。

前は1年に2~3回、自分のなかのお祝い気分にとシャンパンを呑んでいたが
彼とすごすようになってから隔週もしくは毎週呑んでいる。
ドンペリの味も憶え、自分がこわくなった。

「あなたはお酒なら安くてもなんでもいいんでしょ」
と彼に言われたことがあるが、確かにそのとおり。

お酒にしても何にしてもツヨくこだわらない。安ければ安いほうがいい。
反対に高級志向の彼はそんな私につきあってくれる。

のんびりと互いが持つ利点をうまく生かして週末を過ごしている。

こうできているのは年齢差が開いているのが効いているかもしれない。
もし2~3歳しか違わなかったら、今ごろは互いに価値観のちがいから
会わなくなっているだろうし、音信不通になっていたかも。

まだ4年ほどしか彼といっしょにいないが
時たま、死ぬまで男はこのひとでいい、と思うことがある。
でも彼には言わない、つき合っているわけじゃないから。

思ったことを何でも口にするタイプだが
言わないほうがいいときもある。それを彼からしっかりと学んだ。
彼に悪口をたたいたら、3倍にして返ってくるのに
褒めたらお礼か謙遜した言葉と裏腹な態度しか返ってこない。


猫スパイ/HP570.MP360
高確率で集中的に言葉攻めのねらい撃ちされてます。


だから言わない。

そんな彼がそろそろ、誕生日を迎えようとしている。
彼がお好みの高級志向なものにするか
私好みの値段じゃなくアイディアで選ぶものにするか、考え中。



時間を浪費するな、人生は時間の積み重ねなのだから。

          ベンジャミン・フランクリン(アメリカの政治家)