なんだかんだ毎日雪が降ってます。

大したことはないけれど、

寒さだけは身に染みっぱなしの今日この頃。

そういえば、先週の日本アカデミー賞授賞式も

なかなか印象的でしたね。ふむ。

阿部ちゃんがかわいかったのと、

松尾さんの元気なお姿が拝見できたので、

良しとするかなー。

そしていつか女性監督が賞をとるのも近いかな、と思ったわけでして。

きっとそんな中のお一人でしょう、井口奈己監督、『犬猫』


東京近郊の静かな街のとある一軒家。

中国へ留学するアベちゃんに代わって留守を預かることになったヨーコ。

そこへ古田の家を出て行く先のないスズが転がり込む。

ヨーコとスズは幼なじみ、だが、仲はあまり良くない。

こうして、二人と猫一匹は一緒に暮らし始める。


『人のセックスを~』([cdb]#164 )の前作である本作品、

自主映画版ではPFFアワードを受賞、

リメイク版ではトリノ国際映画祭で3部門を受賞したのだそう。

この作品は、鳥の声や猫の鳴き声に紛れてしまいそうなほどさりげなく、

橋の下を覗く親子や公園の子供たちのキャッキャはしゃぐ姿のほうに、

視線を持っていかれてしまうほど飾り気もなく、

物語をグイグイ引っ張っていくようなセリフが特にあるわけでもない。

ただ、ヨーコとスズの二人の微妙で絶妙な関係、

幼なじみというけれど、性格はまったく正反対、

仲も良いんだか悪いんだか、まるで犬と猫みたい。

なのに、いつも同じ人を好きになってしまうというから穏やかじゃない、

しかもどうやら好きになった人が好きになるのはいつもスズのほうらしく、

きっかけはいつもヨーコで、スズはいつもおいしいトコ取りっていう塩梅。

切ないですね、二人ともが切ないですよ、なんだか。

嫉妬もするしケンカもするけど、やっぱり幼なじみなんですもの、

憎くても憎みきれない間柄というか、もはやしょうがないという胸中かしら、

結局は相手のことが気になるし心配だし、

そんなリアルな彼女達の息づかいが聞こえてきそう、

古田とか三鷹に寄せる想いを通じて、

二人の距離を丁寧に描いているのがとても良い。

そして、ほんわか心が温かくなるのがまた良いんですよ。


ヨーコちゃん演じる榎本加奈子さんがなかなか良くって驚いた。

彼女だって充分かわいいのに、いっつもボーイッシュなファッション、

ぐーたらなだけならまだしも、なにをやっても不器用で、

想いを寄せる三鷹くんにだって近寄ってみたり離れてみたり、

うんもう、見てるだけでもじれったいじゃないの。

一方のスズは服装もかわいいし、料理もソツなく、

ヨーコの食べ散らかしたピーナッツの殻を、

しょうがないなーと片付けたりなんかすると、

なるほど男性にモテるのも当然かもなんて思う。

そんな二人の間に現われた三鷹くん。

ややもすると昼ドラの関係になってしまうところだろうけど、

怒ったヨーコのために夜中にケーキを作るスズ、

怒ったスズのために代わりにバイトに出かけるヨーコ、

ああ、二人の関係って、すごく愛しくって素敵って思った。

ふむ、確かに女性って似たもの同士よりも反対者同士のほうが

一緒に居られたりするものだし、

ただペースとか呼吸が似てると上手くいくのですよ。

そういうのって女性独特のものなのかしらね。

二人が並んで縁側に座ってぼそぼそしゃべり合う姿が好き。

ラスト、ヨーコもスズと同じように道に迷い、同じように犬に引きずられ、

そんなシーンが非常にかわいらしくって思わず笑ってしまった。

やっぱりヨーコには三鷹くんは現われなかったのがまた切ないんだけども。


女性監督の映画って、やっぱり私が女性だからでしょうね、すごく好きです。

そして、大好きな女性監督が海外の映画祭で受賞という、

大変喜ばしいお知らせが先日届きました。

荻上直子監督の『めがね』([cdb]#141 )、

ベルリン国際映画祭にてザルツゲーバー賞受賞。

素っ晴らしい!おめでとうございまっす!