旧優生保護法を宮城県議会で強めた(旧)日本社会党T県議の質問議事録! | 共謀罪いらない民主主義を取り戻せJCP大和・大衡支部事務局ブログのひとり言

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旧優生保護法を宮城県議会で強めた(旧)日本社会党T県議の質問議事録!

昭和37年10月4日(T議員)

最後に、これもS議員の関連質問になるのでございますが、中央優生保護相談所付属診療所に関する件についてお伺いいたします。なぜ私はこれをさらに取り上げたかと申しますと、昨日の知事さんの答弁で、理解ある態度で職員を増加し、機動力をましてやりたいというお言葉があつたのでございますが、その話の中に一つ二つ、たとえばこういうことです。具体的に例を上げますと、終戦後売春禁止法が設けられるようになってから、だんだんだんだん診療所に患者さんが少なくなって、日に一、二名しかなくなった、そういうことを聞いたのでございますが、そうではないのであります。そこで私は、これはどうもあまりちっちゃいものですから、中央優生相談所に対する見方が非常に軽く見られては大変だと、こういう観点から、私は特に強調したい点がございますので、あらためて取り上げたのでございます。


 第一点は、社会を明るくするためにも、民族素質の劣悪化防止の立場からも、優生保護法の立法の趣旨から考えましても、愛宕診療所を形だけ整えるというだけではなしに、これを強化していただきたいのでございます

一体宮城県内における遺伝性の精神病患者、白痴(はくち・重度の知的障害のこと)、そういった優生保険の対象となるものは最低で県内人口の一・五%から二%であると専門家は申しておりますから、二万四千人から三万六千人くらいいるのでございます。ところが診療所で今手術をする者は年間に七十名でございます。ですから、十年間かかつて七百人、五十年間かかって三千五百名しかできないのでございます。そうしますというと、今現在二万四千から三万五千、そういった数でございますから、そのうちの五十年かかって十分の一しかやれない、しかもその間に子供がどんどんふえる、こういうような状態では、どうにもならないのじゃないかと思います。生まれて来た子供は、昔だったらこれは自然淘汰されます。少し白痴であつたり、ばかだったりしますというと、これはいろいろなものをむちゃくちゃ食べたり、そうして自然淘汰されたのでございますけれども、今日では人権尊重の世の中でございますから、どんな白痴の方でも人間として尊重しなければなりません。ですから特殊学級を作ったり、あるいは亀亭園を設けたり、旗立の施設で大事に余生を送らしたりしているのでございます。ところがこういう子供たちが各家庭にいる場合には、その各家庭は暗い生活を送りながら、この子供たちを見守つているのでございます。しかも現状のままでは、このこそくなやり方ではふえるとも決して減少はいたしません。民族の将来を考えましたときに、まことに寒心にたえないものがあるのでございます。しかもこの手術の費用は一切これは厚生省からただで来るのであります。ただやってくれるのでございます。費用は厚生省が持ってくれるのでございます。しかもその手術の期間というものは、男は五日間、女は一週間の短期間で治療ができるのであります。

県では施設を整えて、そうして職員をちょっとふやせば、もう少しそれに熱意を加えれば、二倍、三倍の実績は立ちどころに上がるのでございます。しかるに現在たつた五名でやっております。どうにも動きがつかない。お医者さんの所長さんが地方に出かけて勧誘に行くというと、こちらの患者をなげつ放しにして行かなければならない、所長室のお医者さん一人、看護婦三人、事務長兼事務職員小使のような人が一人、この五人ではどうにも動きがとれない、こういう形だけのものにしてしまったのがこの五月からでございます。私はもう少しこの問題について真剣に民族の劣悪化を防ぐ、そういう立場に立って、さらにまた各家庭の明るい家庭を、県民の家庭を作る、そういう新しい観点のもとに立つてこの問題に対してお考えを願いたいと思うのでございます。

 

 

 〔衛生部長 伊吹皎三君登壇〕

◎衛生部長(伊吹皎三君) 愛宕診療所の問題についてお答えいたします。
 昨日知事から御答弁がありましたように、売春防止法が施行されましてから同病院の性病の部門が非常に扱い方が少なくなりまして、昨年一年間で一千四百名ばかりの性病の患者を扱つております。これが一日にいたしますと大体三、四人というような勘定になるわけであります。一方一般の患者でございますが、分娩が九十五人ございました。それから妊娠中絶が二百四十名ばかり、あとはその他の患者になっております。一応性病病院としてのあまりに患者の数が少ないものでございますから、代用病院を市内に置きまして、経費の軽減をはかろうという考えも持ったのであります。それからまた、先ほどお話しにありましたように、母子愛育会を何とかしてもっと強化いたしたいと考えておりましたが、諸種の事情でなかなか実現できません。一方優生手術が、先ほどのお話しのように非常に重大化して参りました。県内で年間大体百名近くの優生手術が行なわれますが、このうちの八割くらいが愛宕診療所で行なわれております。私らは今後ともこの優生問題に重点を置きまして、同病院の機能も発揮させ、またそれに対するいろいろな措置も講じまして、十分使命を果たしたいと、このように考えておりますので、何分よろしく御了承願いたいと思います。

 

 

※重要な部分は赤文字または、赤大文字にしております。