新型コロナ感染症が終わったという科学的根拠は全く存在しないのにも関わらず、コロナ感染症の分類を2類から5類に変更するにあたり、メディアや政府がやたらと「コロナ明け」を連発するようになりました。
五類化に伴い、メディアは日々の感染者数の増減を報道しなくなり、全数把握(感染者を全数カウントする)のもやめ、一部の医療機関でコロナと判定された人の数のみ公表されるようになりました。
死者数に至っては、三か月後~半年後に公表する形へと変えられてしまいました。テレビでは「マスク」が禁句となり、一種の情報統制のような状態になっています。
一番大事な話。
新型コロナウイルス感染症は終わったのかどうか。
答え:新型コロナウイルス感染症は全然終わっていません。
今の感染者数は定点観測といって、一部の医療機関を観測地点と決めてそこでコロナ陽性と判定された人のみ感染者としてカウントしてる状況です。たまたまコロナにかかった人がA病院(定点観測認定点)かBクリニックに行こうか迷った時、A病院にいけば感染者プラス1で、Bクリニックにいけば感染者数はゼロになります。
感染者が定点観測指定されているクリニックに行ったか行かなかったかで、感染者数が変わるんですよ。これって正しく感染者数がカウントされていると思います?
じゃあ本当の感染者数は何人なんだ?と思いますよね。
実はこの定点観測数から統計学の手法を使って全体の感染者数を推測する方法があります。こういう形の統計モデルは私が仕事で一番よく使っていたので、その信ぴょう性はかなりの程度信頼できると思っています。現在は、日本は感染者の数をまじめにカウントするのをやめてしまっているので、実際の定点観測数から実数を推論するより他になくなってしまいました。
科学的な対策どころか見て見ぬふりをして、そこにある感染症をなかったことにするなど、怒り心頭でしかないのですが、そこはちょっと横において、話を元に戻します。
日本国内に実際の感染者は何人いるのか?
コロナワクチンを製造しているモデルナ社がこの推定モデルを公表しています。「モデルナ 感染者数」で検索してもらえばすぐに出てきますが、ここにURL張っておきますね。
新型コロナ・季節性インフルエンザ・RSウイルス リアルタイム流行・疫学情報 (moderna-epi-report.jp)
2024年5月末でちょうど第10波が終わり、次の波に差し掛かろうとしています。このサイトでは、日本を大きく9つのエリアに分けて感染状況がわかるようにしています。
製薬会社はこれから何がどのくらい流行してどのくらいの数の医薬品を製造しておかなければならないか、常にフォーキャストをしています(需要予測)。ですので、モデルナのサイトはある程度は正しく信頼がおけると考えるべきなのです。
ここで大切なのは感染者の数を目の色変えてみるのではなく、全体のトレンドとしてみるのが正しい味方です。感染者が増えたり減ったりする波があるのは一目瞭然でしょう。コロナ明けだなんて全然嘘っぱちなんですよ。
しかし、日本の9エリアだとちょっと大きすぎる。今のうちの県での流行はどうなのか、という疑問が湧くのも当然でしょう。
都道府県別に感染者がわかるようにならないかと思う方は次の記事でその見方をお教えします。実は名古屋市立大学データサイエンス部が都道府県ごとの推定データベースを発表しています。(詳しくは次回にでも)